3-6 天罰1
2019年9月28日公開分 六話目。
3-1 告白2 清子さん雅美さん2 から公開。
まだ少し暑い日が続いているが今日はちょっと曇っているからそれほどでもない。今はサングラスを掛けて大和駅の交番横で馬場達を待っているJコーラゼロを飲みながら。しかし何でこんな場所に交番を立てたんだろう、交番に用事がある人以外ここに来ない気がする。あっ別にそれでいいのか。
おや? 小学生くらいの男の子が走ってこっちに向かってきて、そして交番のお巡りさんに尋ねる。ゴクゴク。
「すみません。シリウス、あっ創造拠点シリウスに行きたいんですけど」
「ブブッーー、ゴッホゴホッ」
思わず吹き出してしまった、いきなり何を言い出すんだか。あれ中二病か? 逆にこの年なら成長が進んで良かったね? って感じになるのかな。男の子と警官が怪訝な顔つきでこちらでみているので。
「気管支に入っちゃった、ゴッホゴホ」
少し大きめの独り言を呟くと視線がこちらから外れた。しかし警官も大変だよなこんな突拍子も無い事を言われて、どう対処するんだろうゴクゴク。
「ああ文化創造拠点シリウスだね、それならこの道をまっすぐ行って、一番最初の信号大和駅東の交差点の所を右に曲がれば…」
「ブッーーーー、ゴッホゴホッ」
えっ? そのノリに付き合っちゃうの? しかも文化を上乗せしてきたよ。でもそんな所行ってもシリウスなんて無いよね? そんな名前の店があるんだろうか? 変な店じゃ無ければ良いけど。そして先ほどと同様に怪訝な顔つきでこちらを見ているので、同じセリフで胡麻化した。
「鈴木さん、お疲れ様です」
直ぐに後輩の馬場がやって来たので挨拶を返す。今日は来週の地引網に持ち込むお酒の買い出しだ。来週土曜日に社内の行事として地引網が予定されていて、前からこの日は買い物に行くことになっていたから予定を開けていた。
「忙しいんですから、休めば良かったんすよ。私と澄子さんだけで行ったのに」
「いや最初から予定を入れていたんだし、そのために芸能活動の予定を入れなかったんだからちゃんとやるよ。というか、もしかして澄子さんと二人っきり成りたかったとか? お邪魔だったかな?」
「なっ何言っているんですか! そっそんな訳無いじゃ無いですか。それハラスメントですよ俺なら別に気にしないっすけど。他の人に言ったら駄目っすからね。(そっそれに俺は…)」
「分かってるって。馬場だから別に良いかと思ってな」
馬場の最後の方の発言は声が小さかったけど、ちゃんと聞こえた。でも聞こえない事にしておく。おっいいタイミングで佐々木アミュバーバラ澄子さんが来た。少し小走りしてこちらに向かってくるが、そのたびにぼよんぼよんとアレが揺れる。胸元大きめに開いた服にミニスカ、ちょっと強烈過ぎるな。
「お疲れ様です。鈴木さん、馬場さん。待たせてしまったようで申し訳ありません。ちょっと駐車場が空いて無くて」
頭を下げるから思わず胸元に視線が行ってしまったけど直ぐに反らした、やべーよ。馬場が居て良かった一人ならもう少し見ていたと思う、あと何気にサングラスが良い仕事をしてくれたと信じたい。
ちなみに澄子さんは通常の業務以外に私の秘書を担当しており、スケジュール管理や仕事の調整とかメッチャ助かっています、はい。ただ何というか、必要以上に触れて来るんですよね。それと食事とか誘ってくるし、嫌じゃ無いんですけどただちょっとね、ね、社会人なんだしね。もうちょっと距離を置こうよ。
馬場と佐々木さんの二台の車でお酒の安い店に移動し、必要な物を買い物カートに入れていく。ビールケースや重い箱でも今のステータスなら全然ヘッチャラ余裕で持ち運べる。その力強い姿を見て澄子さんが凄い凄いと喜んで、偶にムニュって当たったりする。止めて下さい馬場が見ているんで、馬場に悪いから。
二台の車に分散して荷物を積み込むと車体が少し下がった気がする。そりゃそうかビールだけでも十ケース買ってるからな。お茶やコーラ、ジュースなども種類を分けて十ケース、焼酎や日本酒も可成り買った。
「いやー凄いっすね。五百人も集まるとか、びっくりっす」
「それもこれも鈴木さんのお陰ですよね。あっ週明けの月曜日は、いつもの入社社員への講話よろしくお願いしますね」
歌手の私が所属している事で会社への発注も多くなったし、入社希望の新卒や中途採用者が増え社員も短期間に百人位増えて社員数は四百人を超えているはず。世の中には意外とミーハーな人が居るんだね。
来週は社員や協力会社社員、またその家族、入社予定の方、取引先の関係者など五百人を超える人が地引網に来る予定になっている。食材は地引網業者が手配してくれるが飲み物は高くなってしまうので持ち込みにしている。
「では予定通り来週開催という事で、食材が大量なので明日の正午には食品業者に手配します、それ以降のキャンセルは食材のキャンセル料が発生するので注意して下さい。
しかし五百人とは凄いですね久しぶりの規模ですよ。人数が少なかったら曳くのに機械を用意するんですけど不要ですね」
「もし当日綱を引く人が少なかったら、片側は私だけで引いちゃいますよ」
「またまた、すっごい筋肉だけど流石にね。はははは」
冗談だと思われたようだな、多分ダンプカーと綱引きしても良い線いける気がしないでもない。地引網を取り扱っている業者の方と最終打ち合わせのために藤沢の方までやって来た。
それと会社の方で近所に住んでいる方がいたので飲み物を預かってもらう。荷物の引き渡しも終わったし、折角だからと三人で海岸まで来ていた。
「先に海岸の方に行っているね」
二人はコンビニでトイレを借りるとの事なので、先に一人で海岸まで向かう事にした。海水浴の客もまだチラホラ見えるけど流石に海に入っている人は殆どいない。クラゲに刺されるからね。スマホを弄りながらSNSをチェックしながら二人を待つ。
あれ? 雲行きが急激に悪くなった、と思った瞬間に物凄い大雨。まるでバケツをひっくり返したような状態になり、ドドドゴーンゴーーン! 近くに雷が落ちた。こんなに近くに雷が落ちた経験は無い。もしかしてこれってまさか天罰? 周囲を見渡すと高い建造物は無いから雷が来たら直撃間違いなし。避難をしたいが私が皆と同じ方向に向かったら他の人を巻き込んでしまう。
はっ金属の物を外さないと。スマホを投げ捨てダッシュで人が居ない海岸方面に走る。全速力で海岸を走る。走る都度、砂が大きく巻き上がる。あっ、ゴロゴロゴロゴロ、ズっササササーゴロンゴロン。何が起きた? 何が何だか理解出来ない。多分目の前が地面だな、砂が口に入っている、体が動かない、それでも若干だが体が動くので鑑定をする。
H P:3240/3340
状 態:麻痺
HPが100減っている。これレベル上がってなかったら即死していたんじゃない? 麻痺でも体は若干動くのか、“ディパラ”を唱えると体が阻害されるような事も無く動けるようになった。鑑定し直すと状態が正常に戻っている、やっぱりディパラは麻痺解除なんだな。どうやら雷に打たれた際に麻痺となり、走っていたから転がって倒れたという事か。
とりあえず立ち上がって体の動きを確かめる、問題無く動けるようだな。ドドドドドドドドーン! 一瞬白い何かが体を抜けた、どうやらまた雷に当たったようで、立ったまま麻痺となった。
再度“ディパラ”を唱える。周囲を見渡すと誰もいない、これなら市街地に向かって逃げてもよさそうだな。歩き出すと、ドドドドドドドドーン! また一瞬視界が白くなったが問題は無い。
“ディパラ”と“ヒール”を行い、少しずつ市街地に向かって歩き出すと晴れ間が見え始めた。どうやら天罰は終わったのかな? これ普通の人なら死んでただろ容赦ないな神様。いや今の私なら全然死なないから、容赦はしてくれたという事か。
これって警告なのだろうか? 先日鑑定の結果に誤った情報を表示させたのに、まだ力を悪用しているから今度は雷を三回も落としたと…。まさか雷が三回も同じ人に落ちるとか普通は無いよね。
しかし困った、既に仕事を入れているからスキルの使用を止める事は出来ない。どうすれば良いんだろう…。神様お願いです、私に言い訳の機会を下さい。
まだ続きが有るけど書けていない。
十月末にノースVSアメリカの話を書く予定。
ただその前にこちらの話の続きがあるのでそちらを書きたい。
これでも小ネタを減らしたんです。あと2,3個は入れられたんだけど
そうするとさらに話が冗長になってしまうのでカットしました。




