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異世界転生しそこなったけど、スキルは貰えたので現実世界で楽に生きたい  作者: ぐわじん
天罰? ノースVSアメリカ

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3-3 旅番組2

2019年9月28日公開分 三話目。

3-1 告白2 清子さん雅美さん2 から公開。

名無し(仮)(ななしかっこかり)さん、一番最初に重要な話があります。まずはキャラ付けです。今後名無し(仮)(ななしかっこかり)さんがバラエティーで活躍するためには何らかのキャラをつける必要があると思います」

 プロデューサーの発言に担当がうんうん頷いている。担当から何度か言われた話でもあったが、先延ばしにしていた。


「キャラとは、おバカな事を言ったり、お笑いのボケのようなツッコミのような、特殊な世界観を持っていたり幽霊が見えるとかオカルト好きとかゴリン星出身とか、あるいは好きな物、辛い物好き甘い物好き、あるいは大食い小食絶食、女性が好き男性が好きゲームが好き、筋肉押しでも良いです。

 とにかく何か歌い以外のキャラをつけてバラエティー番組に出演する事で、人気がさらに出る可能性があります。キャラを付けないなんて勿体ないです」


「はぁ、そういう物ですか。ところで名前長いのでもっと省略して良いですよ」

 名無しさんでも良いと思うんだよね。


「分かりました。では名無し()(ななしかっこ)さん」

 全然短くなってねー!


「名無しで良いですよ」


「分かりました」


「で、キャラですけどマゾはどうですか?」

 担当が余計な一言を言う、全然フォロー要員じゃなかった。


「いやだからマゾじゃ無いですって。そういう変な趣味は無いですから」


「ビジネスマゾでも良いんじゃないですか? 大体芸能界なんてビジネス的なキャラ付している人も多いですから。もちろん天然のキャラ持ちの人もいますけど」

 プロデューサーからびっくり発言、やっぱりそういうものなのか、どうしよう。


「じゃあツッコミにしますか? 名無しさんの性格だとボケとか特殊な世界観とか無理ですよね? 結構ツッコミならいけると前から思っていたんですよね。まあ今回はお試しって事でツッコミをやってみましょう」

 担当さんはツッコミを提案してきた。担当さんが言うならきっとそれなりの適性があるのかも知れないな。気が弱いキャラとかチキンキャラを売りするのも嫌だし。


「うーん。まあ試しというのでしたら、じゃあそれで」


「はい、じゃあそうしましょう。という事でツッコミの練習を兼ねて失敗しても良いですので何かあればツッコンデ下さい。

 で、旅番のロケは初めてですよね? なので名無しのホームタウン横浜をチョイスしました。この番組は土曜日の昼にスポットで一回だけの放映になります。で評判が良ければレギュラー化します。

 今回の使う路線は“横浜高速鉄道みなとみらい線”です。これを本格的に取り上げている番組は少ないと思います」

 名無しで良いといったけど、呼び捨てはどうだろうか…。


「あれ? みなとみらい線? 先日4チャンのぶらり旅で取り上げられていませんでしたっけ?」


「ああーそれね。あちらは東急東横線とセットでやってましたが、こちらはみなとみらい線だけに限定して取り扱いますので」


「そうなんですね。ちなみにみなとみらい線だと駅数というか距離というか、短いような…」


「はい。横浜から新高島、みなとみらい、馬車道、日本大通り、元町・中華街の計六駅、路線距離は約四Kmです」


「みじかっ! それで何とかなるのですか?」


「全然大丈夫ですよ安心して下さい。基本的には台本通りに行動して下さい。とは言え台本を見ながら撮影したら視聴者の方に台本通りやっていると思われてしまうので現場では台本を見ないで下さい、事前に全部覚えて下さいね。ただ街中で撮るので予定通りにはいきませんアドリブはバンバン入ります。

 先ほど台本を読んでいたようなので、冒頭のシーン、ちょっとやってみていただけますか? あっ台本は見ないでお願いします」

 いきなり? そういうものなのかな? とりあえず冒頭のシーンを説明する。


「まず横浜ブブレ前がスタート地点で、以前歌っていた場所の前で待っているとカメラがやってくる。そしてアフレコでナレーションの挨拶が入るから、それ用に「本日はよろしくお願いします」と返す。ナレーションでデビュー前の話が入るので十二秒経過後に「はい、ここで会社帰りや週末に歌い始めたのが切欠でした」さらに十四秒後に「今日はみなとみらい線に乗って気の向くまま楽しんでみたいと思います」と会話し、

 川沿いの道を五番街方面に進み、ドエスパラの店前の交差点で右折し、ちょっとだけいかがわしい雰囲気がする店が一、二店ありますがその辺はスルーして駅建物の中に入って、中華料理屋の竜王の前まで行って学生時代の思い出を少し説明した後、あーそれとここまでの歩く時間が五分位になる様に…」


「ちょっちょっと、待って下さい!」

 プロデューサーから待ったが入る。あれ間違えちゃった?


「いや全部合ってますけど、台本先ほど読まれたばかりですよね? もしかして全部覚えちゃったりしてます?」


「はい。全部覚えました」

 台本なら一発で全部覚えられます。演劇R2スキルのせいか、基本ステータスのせいか分かりませんが全然覚えられますよ、知力も千超えているし(普通の人の三十倍以上あるから)。なんかプロデューサーとADと担当が驚いているんですけどやり過ぎたかな? でも芸能人ってこれ位出来るイメージがあったんだけど。


「あのつかぬ事をお伺いするのですが、これバッタリ会った人の会話や、お店の人の会話も色々と書いてあったんですけど、ぶらり旅って気の向くままに旅する感じじゃないんですか?」


「他所の局は分かりませんが、うちの局では事前の根回をしています。許可を得ずに撮影しません。いきなりTV局が撮影に来たから撮影させてくださいなんて横暴ですよ横暴、言われた方は断り難いじゃないですか。

 出会った人全てに放映許可を得るとか凄く大変なので全部承諾を得ていますし、相手の都合をちゃんと聞いて、大丈夫なようなスケジュールを組んでます」


「それってやらせっぽく…」


「違いますよ! 演出です演出!!」

 プロデューサーに発言を遮られてしまった。まあ、そういう物なのかな。


「名無しさん、今のところは“やらせかよ!”って言わないと。ツッコミなんですから。普段からツッコミしないと咄嗟に出て来ませんよ」

 担当からの駄目だしにプロデューサーもうんうん頷いている。


「いや失礼かなと」


「いや、私達も割り切りますので気にせず言って下さい。例え罵倒されても根に持ったりしませんから全然気にしないで下さい、私は一生覚えてますけど」


「根に持ってんじゃん!」


「そう! それです。その調子で行きましょう」

 なんじゃそりゃ。そして打ち合わせを一通り行ったところでノックが聞こえた。どうぞとプロデューサーが応えると男性が入ってくる。


「羽口さんが入ります」

 男性が話すと私以外が全員席を立ち、直立不動の姿勢を取る。男性は戸を開けたままにするため入り口で立っている。私も合わせるために席を立って同じ姿勢で待つ。羽口さんて誰ですかね?


「女優の羽口美智子さんですよ、知ってますよね? 天然キャラで結構話題になっているし、アカデミー賞女優でも有りますし」

 プロデューサーから言われて、ああーと思い当たる。とてもお美しい女優さんで天然的な発言をしているのをTVで見たことがある。で、その方が部屋に入るのを待つために皆さん席を立って待っていると。でも一分位経過したけどまだ入ってこないな。


「何で羽口さんが打ち合わせに来るんですか?」


「あー羽口さんはシークレットゲストなんですよ。ん? 視聴者ではなく名無しに対してシークレット扱いです」


「バラしちゃったじゃん! シークレットになってないじゃん!」


「いや、そこは良い感じでお願いします。そろそろ来ると思うんで、続きは後でお願いします」

 なんだよ良い感じって、TVってこんな感じなんだろうか? そして羽口さんが入ってくると。


「「「おはようございます」」」

 全員が頭を九十度に下げて挨拶をした。私も慌てて頭を下げる。五秒程下げて体を上げたら皆まだ下げたままだ、慌てて再度頭を下げる。更に十秒程頭を下げて横目でチラチラ様子を窺っていたら、頭を上げたような気配がしたので頭を上げる。

 すると今度は全員四十五度位の角度で頭を下げ続けてる。なんでやねん! 心の中でツッコムが、頭を下げるタイミングを逸して、どうしようかと迷っていると。


「はい、おはよう」

 羽口さんが挨拶を返すと皆姿勢を上げて直立した状態になった。羽口さんが席に着くと周りの皆も席に着いたので私も席に着く。羽口さん室内なのに帽子をかぶってサングラスを付けたままだ。三分袖に長い日焼け防止用の手袋をしており、まさにセレブあるいは女優というのにふさわしい恰好をしている。


「初めましてから? よろしく羽口です。で、早速で悪いんだけどプロデューサーさん、台本で確認したい事があるんですけど」

 キセルのような煙草に火をつけながらダメ出しを始め、プロデューサーがかなり緊張した様子で受け答えをしている。話を聞いていると私の台本には書いてない事が掛かれているようで、シークレットゲスト用の台本なんだなと思えた。


 テキパキと話す姿を見て普段のTVとのギャップにショックを受ける。芸能界ってこういうもんなんだな。


「えーと貴方。そう貴方。名無し? 変わった名前ね。まあ良いわ。この台本の内容どう思います? たい焼きを見て「この大判焼き美味しそうですね」といってボケるって、たい焼きと大判焼きを間違えます? 間違えないわよね。そうよねー。

 天然キャラをどれだけこなして、演じていると思っているの? こんなの私がいう訳無いじゃない。言っとくけど全部アドリブよアドリブ、こんな事前にきっちりボケを書いていたら面白くないし、ワザとらしいわよ。だから全部アドリブで行くから良いわね? じゃあお邪魔しました」

 羽口さんが席を立つと全員席を立って、また深くお辞儀をするので合わせてお辞儀をしておく。そして出て行った後、皆席に着いて息を抜く。


「羽口さんってあんな感じですか? てっきり本当の天然キャラだと思っていたんですけど」


「彼女はビジネス天然なんですよ。なので今回ボケる人がいるのでツッコミというかボケを拾ってくれる人が必要なんです。なのでツッコミをして欲しいという思いもあります」

 しかし、ボケを拾いながら旅番組を進行するのか、厳しい番組になりそうだ。という事で旅番組初心者の私のために事前に現地で簡単な説明や練習を行うために移動する。

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