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異世界転生しそこなったけど、スキルは貰えたので現実世界で楽に生きたい  作者: ぐわじん
芸能人、歌手を目指す

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2-23 バズった

2019年3月7日、公開分、ここから。


2-23 バズった から公開しています。

 今まで上げた動画の方も順調に再生数が伸びており、LVが2つ上がって39になった。でももっとLVUPしないと光魔法のRが上げられない。

 古い音楽を勉強し実際に撮ってみた。古い曲を好きなファンがどれだけいるか分からないけど、今はこれしかないから仕方がない。インパクトが少し薄いと思い、合唱曲を全て一人で歌う事にした。


 幸いにも声域を分けて歌う事が出来るのでそれぞれの声域で録画して、それを全て同時に再生する事で一人合唱を成立させた。なので公開する動画は面映を四分割して、それぞれ私が映っており一画面毎に担当する声域が異なる。また無編集の動画もメイキングとして公開し、コメント欄に各声域毎に歌い始める時間も書いておく。


 そして合唱動画がバズった。まあヨンミュージックのタレントさん達が協力して拡散してくれた部分も大きい。百万超えのフォローワーを持つアカウントで拡散すると、とんでもない起爆力があった。再生数がみるみる上がって行く。フォローワーが少ないタレントさんも拡散してくれて、どんどん再生数が増えた。


 TVやインターネットでも注目されて再生数が増え続ける。初めてインタービューを受けて凄く緊張したけど、動画再生数のために頑張った。歌唱スキルR4になってから上げた動画再生数も引きずられるように再生数が上がって行く。どんな些細な出演依頼でも良いから受けるようにして動画を宣伝していく。


 LVが上がり、光魔法のスキルRを上げれるポイントが溜まったら、直ぐにスキルRを上げる。

「6ポイントを消費し、光魔法スキルのランクを上げますか? “はい”、“いいえ”」

「ディトクを覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です。ディパラを覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です。聖なる矢を覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です」


「18ポイントを消費し、光魔法スキルのランクを上げますか? “はい”、“いいえ”」

「ディサイを覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です。ディブラを覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です。悪霊退散を覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です」


「54ポイントを消費し、光魔法スキルのランクを上げますか? “はい”、“いいえ”」

「ヒール【中】を覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です。ディストを覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です。聖なる光線を覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です」


 R4にしても病気を治せるような技が手に入らない。ディトクは毒を解除するスキルだった。食べたら駄目と書いてある物を食べたら毒状態になったのでディトクを使ったら解除された。


 目に入れたら危険と書いてある物を目に入れるのは怖いので、シャンプーをゴシゴシと目にすり込んだら盲目状態になったので、ディブラを使ったら解除された。つまり、ディなんたらは状態異常を直すものだと思われる。


 多分ディストは石化解除、ディパラは麻痺解除、ディサイは沈黙解除だと思われる多分だけど。自分自身に使っても状態異常じゃなければ効果は出ないみたい。一応虫とネズミを買って来て実験台に使ってみたけど特に異常は発生しなかったので安全だとは思う。


 シャルの容態を確認してから約一カ月、現在LV114でポイントは101、光魔法をR5に上げるには162ポイント必要、つまりLVを31上げる必要がある。まだ足りない。一番多い動画の再生数は七百五十万回だし、全体の動画再生数は千九百七十万回だ。再生数は日々増え続けており、毎日LVが上がっているけどもっともっと早くLVを上げたい。


「CMのBGM三本オファー来ているけど」

「全部受けます!」

「音楽番組から四本オファー」

「全部受けます!」

 業務委託方式での契約は変わらなかったけど、契約や金額の調整も全て事務所任せだ。自分の取り分、金額が安くても構わないので露出と歌を歌う機会、動画再生が増えるのを何よりも優先してもらった。歌う曲は事務所が使用許諾契約を得た他人の曲ばかりだがそんなのはどうでもいい。


「追加で十曲ほど利用許諾契約してきたよ。公開するのは事務所のアカウントになるけど」

「全然構いません。全部やります。とにかくスピード、公開までの時間を急いでください」


 海外からも注目され、海外からのインタビューにも答える、更に動画再生数は増えていく。累計動画再生数は六千七百万回を超えてLV145に到達した。


「162ポイントを消費し、光魔法スキルのランクを上げますか? “はい”、“いいえ”」

「対魔法障壁を覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です。連続詠唱を覚えました。パッシブ技なので常時発動します。パーティヒール【中】を覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です。ディオールを覚えました。アクティブ技なので任意の発動が必要です」


 ディオール? 毒状態にして回復、盲目状態にして回復、つまり状態異常を回復する魔法だろう。一応動物実験をして害が無い事を確認してから急いで病院に向かう。シャルはベットで寝ており、室内には私とシャルだけだ。鑑定をして状態を確認する


名 前:シャルロッテ・ランゲ

H P(ヒットポイント):6/7【30】

状 態:難病


 前回よりもHPの最大値が減っている、意を決めてディオールを唱える。そして再度シャルを鑑定する。そっそんな…。


名 前:シャルロッテ・ランゲ

H P(ヒットポイント):6/7【30】

状 態:難病


 床に膝をつきそのまま座り込んだ。駄目なのか…まだ、まだ届かないのか…どうすれば良いんだ…。光魔法ではなく薬学を選択すべきだったのか。それとも魔道具か? 錬金術か? いや落ち込んでいる場合じゃない、光魔法のR6にするためには486ポイントが必要だ。

 今のところLV1上がる毎に貰えるポイントは2。これはLV100を超えても変わってない。つまり243のLVを上げる必要がある。いつかはたどり着けるとは思う、でもシャルが生きている間にたどり着けるだろうか、そんな自信はこれっぽちもない。シャルごめん、ごめんよ。涙が止まらず、その場で泣き続けた。


 どれ位泣いていただろうか、泣いていても仕方がない。とにかく頑張るしか無いんだ、シャルにヒールを唱えてHPを回復しておく。何の意味も無い行為だけど自分の気持ちだけは少し軽くなった気がする。


    :

    :


「イチロー、一度病院来れるかしら。シャルはそろそろ…」

 世界が一瞬止まったような、自分の中の何かが欠けたような、そんな気持ちになった。しばらく繰り返されたエマの問いかけによって現実の時間の流れに戻った。


「直ぐに行きます」

 清子さんにも連絡して一緒に病室に向かう。あれからも懸命に活動した、活動したけどまだ必要なLVには到達していない。ただLV200に到達してからは貰えるポイントが3に増えたので必要なLVは少なくなっている。

 今はLV222、ポイントは177、R6に必要なポイントは486、残り309ポイント、LVにしたら103上げる必要がある。とても数日で何とかなる状況じゃない。


 病室に入ってエマとハグしてから、シャルの寝ているベットの側で立つ。シャルは私を見て力なく頷いた。シャルの頭を撫で、歌手になれた事を伝える。


「歌手になれたよ。自分の歌も出来た、まだ販売はしていないけどね。でも私の歌は世界中で聞いて貰っている。約束通りに歌手に…なれた…」

 言語理解なんてスキルがあるのに、言いたい事話したい事が言葉として出てこない、なんで気持ちや思いが伝えられないんだ。呼吸が出来ない。ただ涙だけがあふれ出てそれ以上続けられない。


「…歌聴いたよ、凄かった。  頑張ったねイチロー。  私ももう少しだけ頑張るね」

「うん」

 途切れ途切れだけど力を振り絞ってシャルは語った。でも何をどうしていいか分からなかった。ただシャルを見つめて手を握るのが精いっぱいだった。シャルはまだ諦めてない、今の自分に一体何が出来るんだろう。

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