2-21 ノースの地球侵略4
2-19 決意2 から公開しています。
2019年2月23日、公開分、三話目
■一月頃の話 ノースの地球侵略3の真ん中あたり
ノース視点
「助けて欲しいか? じゃあ色々と教えて貰おうかな、そこの早い乗り物は何だ?」
勝つためには情報収集は必須、こちらの知識を覚えて対策を取る、さぁ反撃開始だ!
「パトカーです」
「ふむ。ではパトカーはどうやって動いているんだ?」
「操作(運転)して動かしています」
「そうじゃない。動力は何だと聞いている」
「エンジンです。え? エンジンはガソリンを燃やして回転して、それが車輪に伝わって動きます。ガソリンは石油から出来ます。え? 石油はえーと、動物や植物の死骸から出来ます。どれくらい? いや専門家では無いので分からないですけど、多分大量にだと思います」
ほほーこちらの人間は随分と残酷だな、動物を大量に殺して乗り物の動力に使うとか。まぁ何事にも対価が必要だから、あれほどの物を動かすとなると命が大量に必要になるのだな。
「あれを直せるか?」
パトカーを指して尋ねる。
「私には無理です。専門的な知識と道具が無いと直せません」
なるほど、やはり相当特殊な物のようだな。
「よし、今度は銃について教えろ」
「はい。この筒状の物体が弾といって火薬が入っています。弾の底を叩くと、中に入っている火薬が爆発して、先端のこの部分が物凄い速度で銃から出ます。威力ですか? この弾では離れた場所から金属鎧を貫通させる事は難しいかも知れません。
私が持っていたこの銃はこのベレッタです。引き金を引くと自動で弾が発射されて次の弾が装填されるので、弾が尽きるまで連続して撃つことが出来ます。弾は十五発入ります。
物凄い速度で連続して攻撃してきた? それはフルオートのライフルだと思われます。フルオートのライフルの場合引き金を引いているだけで三十発程度の弾は連続して撃てると思います。
弾が雨のように降り注いだ? 多分ショットガンです。あーえーと、これです。基本的には他の銃と同じで弾に火薬が入っていますが、弾が筒状になっていまして、ここに金属の弾が複数入っています。近距離だと拡散しませんがある一定の距離を離れると弾が拡散して当たりやすくなります。代わりに攻撃力が落ちます…」
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なるほど、とりあえず直近で知りたい事は理解出来たな。とりあえずこいつらの仲間が来るかも知れないから、まずは戦利品を回収するか。落ちている銃や弾、死体も空間収納に入れる。壊れたパトカーも何かに役立つかも知れないから空間収納に入れる。
「神様!(オー ディオス ミオ)、お母さん(ママ)」
物を拾っている俺を見て人間が怯えている。どこに恐怖を感じるのか理解しがたい。
「神様やお母さんは助けてくれんぞ。諦めろ」
「え? スペイン語分かるんですか?(スペイン語で話している)」
「は? 人間等と会話するなら言語理解を持つだろう普通」
この場所に待機していてまた大量の敵に囲まれると厄介だ。まずは場所を移動して迎撃出来る場所を見つけないと。パトカーはこの道路というものを走るようなので道路から離れた場所に移動しよう。
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「貧弱、脆弱過ぎるだろ、どうしてこの位で歩けなくなるんだ。重い荷物もなく、こんなゆっくりした速度なのに、だ」
人質の歩く速度が物凄く遅い、たかだか二十キロくらいしか歩いていないのに。仕方が無いので肩に担いだら痛い痛いと嘆くし、結局椅子のような物を用意し背負って移動している。
まだ確認すべき事は色々とある、とにかく相手の情報を得ないと戦略の立てようがない。なので背負って運びながら質問をする。
「この国の人口は何人だ? だから! 何度も伝えているが全部を正確に知っているとは思っていない。推測でも良いから答えろ」
「三億人位だと思います」
「はあ!? 三億だと!」
こいつは頭がおかしいのか? やっぱり支配層ではないと人口など分かる訳がないか。だいたいどうやって三億とか数えられるんだよ。それにそんなに住む場所や食料が確保できるとは思えんしな。
「ちなみに、この世界の人口はどれくらいだ?」
「えーと六十、いや、七十億くらいだったと思います」
「はっ七十億ね。殺しつくすのは百年位掛かりそうだな」
駄目だなコイツ。この世界に何か国あるのか分からんが、全ての国の人口なんてどうやって知る事が出来るんだ。とにかく答える事で命が助かると思っているからか? まあ今後も人質を取ったら確認しよう。こいつからはもう少し低次元な事を聞くのが良さそうだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「人質になっていた警官を連れて来ました」
テレビ会議の画面の先に、先ほどまで人質になっていた警官が映っている。
「わたしはアメリカ北方軍司令官グレイスよ。いくつか質問が有るわ、あの殺人鬼とどのような会話をしたか話して貰えるかしら」
「はい…かくかくしかじかです」
「なるほど。ちょっと待って」
「どう思われます? エフビーはどう?」
一旦TV会議の音声をカットし、対策本部内で確認を行う。
「先進技術を持っている宇宙人なら銃や車の事は知っているはず、人口だってわかるだろう、おかしいですね。
それと七十億の人間をあのような攻撃方法で殺しつくすとか正気の沙汰とは思えませんので、冗談か何かですかね?」
「シーアイは?」
「知らないのを装ったのは偽装工作じゃないですか? 車や死体を消してしまったのですよね? つまり別の空間にワープさせた、どう考えても宇宙人でしょ。
もし本当に地球上の人口七十五億かな? の人間を殺すなら大量破壊兵器を使うでしょうね。で殺せなかった人間をひたすら殺すために世界中をワープしながら直接殺すっていうなら、百年位でいけるかも知れませんが」
「トニーは?」
「ポイントが幾つかあります。まず人間等という発言、これは素直に考えると、自分は人間じゃ無くて、人間とコミュニケーションをとるなら言語を理解する必要があると感じました。
しかもスペイン語を理解していたようなので複数の言語を理解出来る、頭が良いか、自動で翻訳してくれるような機器を持っている? 内臓しているかな?
それと物を別の場所に退避させるのに特別な道具などを使用した形跡が無い、まあ警官が気がつかなかっただけかも知れませんが、見えない装置を所持している。
また物をどこかの場所に瞬時に移動させた、これも現状の地球の技術では出来る気がしません。
以上の事から、先進技術を持つが偽装工作の一環で物を知らない風を装っている可能性を疑います」
「大統領はどう思われますか?」
「まだ判断するのは早いな、視野を狭めるのは良くない。とりあえず敵はどこかに移動した事は事実だし、多くの人間が目撃しているのだから情報を隠すことも出来ない。事実を事実として公表し、宇宙人かどうかは判断しない。否定する要素も肯定する要素も無いのだから」
「分かりました。エフビー、今度殺人鬼に遭遇したら別の言語で語り掛けて貰えるように全警官に伝えて貰えないかしら? また少なくとも何語が通じるのかを把握するのは判断材料になると思うの。それと人質になった際には、無理に抵抗せず、聴かれた事には答えるようにと」
その会話にトニーが割り込む。
「回収した肉片は直ぐに宇宙連合に提出する予定だ。明日には何かしら分かると思う。まあ分からない事が分かるかも知れないが」
「とりあえず、全警官にもっと貫通力のある弾や武器が欲しい。通常のフルメタルジャケット弾では無理だ、今の武器では自己防衛も出来ないぞ。間に合うまでは押収された銃の改造と利用許可を全ての州の警察に拡げて欲しい。それとM4カービンの配備率を高めるのも必要だ。出来れば軍隊の分隊支援火器位は各警察署に配備して欲しい」
エフビーが武器の弱さを嘆く。
「携行可能な武器での戦闘ですが、M4カービンでも鎧の接合部や装甲が薄い場所であれば貫通出来ます近距離なら。M240ならもう少し遠距離からでも効果がありますので、軍が対応するならば倒すことは不可能ではないと思います。発見したら軍まで連絡をお願いしますね。
ただ盾は無理です。盾は対戦車ロケット弾か対戦車ミサイルを数発当たれば穴が開くと思われます。費用対効果で考えるなら使い捨てロケット弾を打ち込むのが安いと思います。
あと今回攻撃に利用された火の玉ですが、戦車なら耐えられる可能性があります。相手側の射程がどれ位か分かりませんが、戦車砲で遠距離から倒す、今回のように攻撃ヘリによる急速接近による攻撃は有効と考えます。市街地でなければ航空戦力で叩くのが最適かと」
「グレイスとエフビーの話は理解した。銃の規制は各州毎に異なるので確約は出来んが最優先で調整しよう。あと予備役も招集を掛けれるようにしておいてくれ。それと全米に現状について中継をする、無駄に命を失う事は避けたいので至急原稿の準備を頼む」
「了解しました大統領」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
■一月末
おかしい、死んでLVが4下がったが、LV上がり続けて今はLV150だ。何が何だか理解出来ないが、人間どもと戦った後しばらくするとLVが上がるのだろうか? まあそれよりも飛び道具耐性のRを2に上げよう、よし。
あとLVが2つ上がればR3に出来る。しかし、死んでレベルが下がり過ぎるとスキルのRが下がったり、無くなったりするから飛び道具耐性スキルのRが下がると致命的だな。スキルを幅広く覚えれば、飛び道具耐性のRが下がる確率が減るかも?
とりあえず何かスキルを覚えておくのも悪く無いかも知れない。空間収納からランダムスキル習得の巻物を一つ取り出し使ってみる。…占いか、戦闘に関係ないスキルなら、まだ調理が良かった。あと九個残っているので四個位まで使ってもいいか、それで飛び道具耐性のRが下がらない可能性もあるのだしな。
薬学、おっこの世界では当たりだな、回復アイテムは必須だ。釣り、微妙だ、ゆっくりと釣りなどをしている余裕などないだろうし。縫製、思いっきり外れだ服など要らん、まだ鎧の在庫は多数あるからな。調理、これは外れだけど当たりだな、不味い物より美味い物を食いたい。よし早速飯を食ったら移動して人を殺しに行くぞ。
銃は詳しくないので、まあ適当な雰囲気程度で。
武器にこだわりが無いというか、WIKIで見てアメリカで使われている銃ってなんだろう、
これなら警官や軍人が利用しても問題無さそうなものを選んだまでです。
もしかしたら見当違いなものかも知れないですけど、その場合はフィクションだからと
笑って流してくれれば、笑いが増えてちょっとお得。あれ?
M4カービン。カービンって小型のライフルって意味らしい。
アメリカのパトカーにも装備されていたりするらしい。
M16って結構有名だと思う銃、映画とかでアメリカ軍の一般の兵隊が使っているような銃、あれを少し小型にした感じらしい。
M240機関銃。戦車とか装甲車、ヘリコプターとかに付いている結構標準的な機関銃らしい。
それと2-6 異世界勇者の占星術は占いに変えました。




