表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生しそこなったけど、スキルは貰えたので現実世界で楽に生きたい  作者: ぐわじん
はじまりの章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/82

11 考察3

 さあバ〇サンを片付けてっと、倉庫に戻ってゴミを片付けていると、清子さんがモップや雑巾等を出してきた。


「えっと?」


「家でバ〇サンをしたら?」


「掃除します」


「倉庫でバ〇サンをしたら?」


「…掃除します」


「そうよねー掃除よねー。バ〇サンと掃除はセットよねー。じゃあ三時間ほど出かけてくるから、しっかりよろしくね」

 ちゃっかりしてるわー、まあお世話になっているしこれ位はね。


 モップで床を掃除し、棚は雑巾で拭く。少し大きめな荷物が棚にあったので、どかしてから拭く。ん! かっ軽い! え? え? じゃあ、あの荷物は? ん! かっ軽い! じゃあじゃあ、あの樽は? ん! 重い! 流石に樽は重かった。


 これって勇者の能力だよね? LVUPして攻撃力が増えてるのって、筋力も増えているんじゃない? どんどんLVUPしたらもっと重いものまで持てるかも。そしたら引っ越し屋のお兄さんになれるかも知れない、いやならないけど。でも楽しみが増えたなー。


    :

    :

 

 テテテテッテッテッテー。今は乗り物でも経験値が入るのか検証中だ。夜行バスで博多から横浜に帰る最中で歩いてはいない、つまり車での移動も有効という事だろう。移動距離から考えると前回電車での移動も経験値取得に繋がったと思う。乗り物移動でも経験値が入る、うひひひ。


「ごほん、ごほん」

 しまった夜行バスの中だった。静かにしないと、嬉しさのあまり声が漏れていたようだ。効率良く経験値を稼ぐには移動距離に応じて経験値取得スキルの(ランク)を上げるのが良いかも知れない。


「18ポイントを消費し、移動距離に応じて経験値取得スキルのランクを上げますか? “はい”、“いいえ”」

 どうやらスキルを覚えた時のポイントの三倍でRが上がるらしい。痛み耐性を上げようとしたら3ポイントだったし、HP自動回復は6ポイント、鑑定は9ポイントだと言われたからね。


 18ポイントは正直大きすぎるけど、最初に取得しておくと便利なスキルは早く取っておいた方が後々楽になるはず、ゲームとかでもセオリーな気がするし。あーあー攻略サイトとか書いている人居ないかな? 居るわけねーよな。


 移動距離に応じて経験値取得スキルをR2に上げた。R3には54必要との事なので、3倍説は正しそうだな。流石に54は多すぎだろ、54消費してR3にするのがトータルで見たら正解な気がするけど、27LV分のスキル習得ポイントが必要って事だよな悩むわー。


 今回は一往復でLVが上がったけど、次のLVに必要な経験値が倍に増えるとしたら二往復。その次が四往復、八、十六、三十二……27LV分上げようと思ったら、最終的には一億三千四百二十一万七千七百二十八往復って無理でしょ!


 いや落ち着け、Rが上がれば移動で入る経験値が倍になる可能性だってあるじゃん。それにLVUPに必要な経験値が倍とは限らないじゃないか。それに博多とか遠隔地に移動するにもお金が掛かるからな、そんなに頻繁に移動出来ないし、しばらくは日常の中で経験値を稼ぐしかないか。


 うん、そろそろ復職しよう。経験値の稼ぎ方は分かったんだし無理する必要は無いさ。ただ、その前に…。


    :

    :


「イチロー!」

 部屋に入るとベットから飛び降りて、抱きついて来た。シャルの頭を撫でてからベットの横の椅子に座る。仕事に戻るのでシャルとのラインも回数を減らすことになる。なので今日は時間を取って話に来た。


 と言っても、日常会話を続けられるほどの会話力なんて無いから、知っている日本のお話をしよう。“浦島だろう?”が良いかな、それとも“ガチムチ山”が良いかな、“一寸ボーシット”も捨てがたいし…。



「あらイチローいらっしゃい。シャル良かったわね」

 エマさんが病室に入って来たので、挨拶を返す。相変わらずムフフなムフフだな、何がとは言わないけど。


「うん。凄いのよイチローの話、凄いんだから!」

 シャルは興奮気味に語っている。“竹取物凄いガッカリ”が気に入ったようだ。


「あらあら、それは良かったわね」


「王様の耳はロバの脚を超えたわ!」


「本当? あの話よりも面白いの? それは楽しみね」


「うん、物凄いガッカリするわ」


「どっちなのよ」


 エマとシャルに復職する旨を伝えたら、エマは喜んでくれたけど、シャルは少しだけぐずってた。まあ仕方ないよね。代わりにおんぶして庭を散歩させられた、いや逆にご褒美ですけど。途中中村さんと視線があったけど、遠かったので軽くお互い会釈しただけだった、まあそんなもんだよね。


   :

   :


 今日は東海道線に乗って新橋に向かっている、お客様先で朝から打ち合わせするためだ。今までだったら横須賀線なんだけど、ラッシュ時の東海道の殺人的な混み具合でも全然疲れない、いやー本当に助かるわ。東海道なんて乗った日には疲れちゃって仕事どころじゃなかったからな。


 ん? たかが通勤なのに大袈裟だって? いやいや横浜から東海道乗るってとんでもない事なんだよ? 電車に乗るためには最低一本、場合によっては二本待たないと乗れないくらい大混雑なんだから。本当に辛いんだって。


 でもそんな通勤が楽しい。だってこの瞬間にも経験値が入っているなんて考えたら、もう笑いが止まりません。ただ気を付けなければならない事が有る。そう、それは女性のすぐそばでニヤニヤしないという事、勘違いされちゃうからね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] シャルと話していて、シャルは何の病気で入院しているのだろうと、全く気にならないのが、とても不自然に感じます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ