豪華列車
手野鉄道は、北は新潟、西は岡山まで、さらに名古屋や豊岡にまで鉄道網がある、日本最大の私鉄である。
これらの鉄道網は手野高速鉄道と呼ばれる手野新幹線を除いて、本線、主要線、幹線、路線へと分かれる。
そして、手野鉄道はじめての豪華列車と呼ばれる連泊寝台列車は、岡山駅を発車し、新潟へと通じている名古屋線を除く本線で走ることとなった。
「では、出発ですっ」
女性の声が終わると、列車の汽笛が鳴り響き、そして岡山駅長、手野鉄道社長などがはじめての豪華列車の出発式を執り行った。
ここまで長い時間がかかった。
それだけに 社長の感慨はひとしおだろう。
ファーン、と汽笛が消えると、ゆっくりと列車は動き出す。
これが新しい手野鉄道の始まりだ。
とある新聞には、そう書かれた。
そして、今、豪華列車は手野鉄道の柱の一つとなっていて、予約が取れない列車として有名になった。
最高の部屋は、列車の車両の半分を使ったもので、リビング、ベッドルーム、風呂トイレ別部屋という作りになっている。
さらにオプションで部屋食をすることも可能で、この場合の値段は、5泊6日の標準コースで180万円となっている。
ちなみに一番安い部屋は、ベッドだけのまるで寝台列車のようなところで、4人一部屋の18万円だ。
これも5泊6日が標準となっている。
手野鉄道にある路線をあちこち戻っては進み、進んでは戻りというように進んで行くため、これほど時間がかかるということになっているようだ。