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れいんぼう でいず  作者: 雪月風霞
プロローグ
3/6

きたく

 めんどくせぇ始業式も終わりあとはとっとと帰るだけという状況。つか校長の話が長すぎんだよ、なんだあの老害。午前帰りだから許してやらんこともないが。


「おい優、これからメシ食いに行かねーか?」


 おっと、莫迦な幼馴染みからのお誘いだ。


「全額お前の奢りなら吝かではないかもしれない可能性が億に一つくらいはあるかもしれない」

「それどう足掻いても来ないってことだよな⁉︎」


 流石我が幼馴染み、オレのことをよく分かっていらっしゃる。


「今日は出来る限り全力で直帰しろってお姫様から命令されててよ、すまんが今日はパスだ」

「なんだ、ただのリア充か」

「少なくともお前にだけは言われたかねぇ言葉だな」


 こいつらを超える超リア充ラブラブクソバカップルを、オレは見たことがない。通学路だろうが学校内だろうが周りの視線を無視していちゃつきやがって。


「それじゃまた明日な」

「あぁ、識ちゃんによろしくなー」


 校門を出てすぐにオレ達は別れた。




 部活で鍛えた安心と信頼の超全力疾走により僅か五分足らずで帰宅出来た。いやぁ、徒歩通学できるくらいの近さってありがたいなぁ。

 あ、そうそう。家の近くの公園では朝見かけたサラリーマンが桜の木の下で弁当を食っていた。多分愛妻弁当ってやつなのだろう。あのおっさんの奥さんも可哀想だな、一生懸命働いてることを信じて早起きしてまで弁当を作って持たせた旦那がこんなところで花見しながらその弁当を食ってるだなんてよ。


「ただいま」

「おかえり優。お昼ご飯、出来てるわよ」


 母さんの声が聞こえてきた。まぁ、当たり前なんだが。


「ん…、今日の昼飯はラーメンか」


 しかもオレの好きな味噌ラーメンだ。やったぜ。


「自分の分は自分で持って行ってね。識の分は私が持って行ってあげるから」

「あぁ、ありがとう母さん」


 オレの母さんはどこまでもお人好しだ。識に対しても実の娘を相手にしているかのような態度で接している。なんだこいつ、聖母か。全く、これだからオレはマザコンをやめられない。まぁ、大嘘だが。

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