邂逅
扉に振れた途端に、扉が開く。
部屋の中には、様々な目を引くような機械から発せられる光が明滅する中で、一際大きな存在感を発する一台のカプセルが納められていた。
吸い寄せられる様に、そのカプセルへと足を運ぶ。
中をのぞき込むと、そこには思わず息をのむような美少女が、眠るように入っていた。
悪いと思いつつもカプセルを開こうと、手を触れる。
すると室内の機会の明滅がやみ、スッポットライトに照らされるようにカプセルの周りが光に照らされた。
空気を排出するような音と共にカプセルが開く。
大きな引力を感じる様に、自分の唇を少女の唇に重ねる・・・
事など出来るはずもなく、普通に声をかけて起こすことにした。
「おーい、起きてくれー。此処何処だー家帰りたいんだけどー」
起きない。
「おーい起きろー」
まだ起きない。」
「起きろってー」
まだ起きない、揺さぶってみることにした。
「おーきー「キッスして起こせって書いてただろが!!!!!」あ、起きた」
少女に似つかわしくない、乱暴な言葉遣いでの起床であった。
「お、お前・・・」
「なんだよ」
「イケメンじゃねえじゃねぇか!!!なんなら太ったおっさんじゃねぇか!!」
「いやだから・・・」
「だからも何もねぇよ!!こちとらイケメン王子様待ってたのに中年オヤジがきた美少女の気持ちを考えろッてんだい!!」
少なくとも美少女がする言葉遣いではないような気がしつつ、自覚はあったが他からはっきりと言われると少し落ち込む。
「はぁ・・・お前名前は?」
「名前?国民管理番号なら96,032,123だが」
「いや、名前を教えろよ」
「そんな前時代的な物持ってる奴の方が少数派だと思うぞ?」
少し驚いた様な顔した後、真剣な顔になり少女が口を開く。
「待て・・・今西暦何年だ?」
「何言ってんだよ西暦なんて歴史の教科書にしか載ってない暦をつかってる訳ないじゃないか。今はED(エデン歴)356年だぞ」
その言葉を聞いた途端に、少女は顔を覆うように手を置いた後、、苦悶の表情を浮かべた。
少しずつ闇が出てきます。