5話 やっぱり武器は大事だよね!
「なぁ時雨、午後はさ、買い物に行こうぜ。んで、武器とか、あと時雨が作るご飯の材料買うの。どーよ?」
「いいね、行こう。でもご飯作れるかは分かんないからね?調味料もあるか分かんないし……なにより作る場所も無いんじゃないかなぁ。」
……実はおれ、料理出来るんですよ。すごいでしょ?雪斗にもちょくちょく作ってあげてたからな。あれ?これ前にも言ったっけ?
「場所はなんかどっか借りればいいでしょ。まぁとりあえず買い物!行こーぜ!」
そんなわけでやって来ました、商店街っぽいところ。いろんなお店があってわくわくする。
「まずは武器見たい!」
と言う雪斗の希望により、武器屋から。
雪斗は剣だろうなー。おれどーしよう。
ガチャッ
「いらっしゃい!おや、知らねえ顔だな、新人かい?」
ガタイのいい、色黒なオヤジさんがカウンターにいる。店主かな。
「こんちは、今日ギルドに登録したんですよ。俺はユキト、こっちがシグレ。」
「なるほどな!俺はライン、この武器屋の店主をやっている。よろしくな。ところでお前さんたちはどんな武器がいいんだ?」
「あ、俺は剣と軽い盾がいいっす。」
「おれは……どうしようかな。ラインさん、魔法系のおすすめってありますか?」
見たところ、水晶玉とか本とか杖とか、それっぽいのがたくさん置いてある。迷うなー。やっぱり何か違いがあるのかな。
「ユキトの兄ちゃんは剣と盾な。で、シグレの姉ちゃ」
「待ってください!おれは男です!」
くっそー、この顔が悪いんだな?!
この感覚、久しぶりだぜ。
「うお、そりゃすまんな。顔が可愛いから、ちょっと男勝りな感じの女の子かと。ほんとすまん。」
「いえ、大丈夫です。昔からなので慣れてます。」
「シグレも苦労してんだな……おっと、話がそれた。武器な。魔法系で初心者なら、まず魔導書で勉強するのをおすすめするぜ。そのあとは自分に合った媒体…いわゆるそこの杖とか水晶玉なんかを選べばいい。」
「なるほど。」
媒体はなんでもいいんだ。あれか、自分のイメージにあったやつをってことか。
「で、剣はその辺に置いてあるやつは初心者向けだから、好きなの選べ。盾はそこの奥のあたりな。」
「わかりました!よっしゃー、剣〜♪」
雪斗は楽しそうに剣と盾の置いてある方に歩いていった。
「初心者向けの魔導書はあの辺だ。お前さんの適性魔法の属性はわかるか?」
「適性魔法?属性?」
「わかんねぇか。ちょっと待っててくれ。」
そう言って奥に引っ込んだラインさんは、手に大きめの水晶玉を持ってすぐに戻ってきた。
「これに手をかざしてちょっと魔力流してみろ。魔力はな、こう、身体中を血液のようにめぐってるからな。それを手に集中させるイメージだ。」
うーん、魔力、魔力……
目を閉じて感じようとすると、なんかよく分かんない力みたいなものが体の中にあるのを感じた。多分これが魔力だな。
水晶玉に手をかざして魔力を流すのをイメージする。すると、
ピロンッ
という音と共に、
〈適性魔法〉
火、水、風、土、雷、聖、闇
というウィンドウ?みたいなのがステータスのように水晶玉の上に浮かんだ。へぇ、これ、適性魔法を調べられる水晶玉なんだね。面白いなぁ。どうなってるんだろ。他にもいろんな水晶玉があるのかなぁ。
って、ラインさんがものすごくびっくりした顔をしてる。
「どうしたんですか?」
「どうもこうもねえよ、なんで全属性に適性がでるんだよ?!故障したか?!」
「え、全属性なんですか?!」
いやいやいや、それはびっくりするわ。おれもびっくり。剣を選んでた雪斗もこっちを振り向いてびっくりした顔をしてる。
「いや、故障してねぇ……ってことはシグレ、お前全属性の適性持ちかよ?!おいおい……今まで何十人、何百人と見てきたが、これは初めて見たぜ……」
「え、そんなに珍しいんですか?」
「そりゃもう珍しいなんてもんじゃねえよ、世界中探してもお前だけだろうな。」
まじか……ちょっと嬉しいかも。これがチートってやつ?
「てことは全属性の初級の魔導書がいるな……」
「そうなんですか。1冊いくらですか?」
お金足りるかな。女神さまからちょっとは貰ってるし、依頼やってお金貰ったとはいえ、そこまで持ってるわけじゃないし……
「ほんとは1冊銅貨6枚だが、すげぇ、面白えもん見せてもらったからな、三割引にしてやるよ。その代わり、この街にいる間は贔屓にしてくれよな!」
「い、いいんですか?!そんなことでいいなら、お願いします!ありがとうございます!」
「いいってことよ。頑張れよ!あぁ、魔導書でわかんない所があったら聞きに来いよ?教えてやる。」
と言って、ラインさんは豪快に笑った。いい人だなぁ。
「で、ユキトはどうだ、決まったか?」
「あ、これとこれで迷ってるんですけど…」
「なるほどな。いい目してるじゃねぇか。今のお前にはぴったりだろう。オレのおすすめはその右のヤツだな。」
「じゃあそっちにします。盾はこれでお願いします。」
「まいどあり!」
そんなわけでおれたちは装備を手に入れることに成功した。
ラインさんは、雪斗に皮の胸当てと、剣を腰に装備出来るように専用のベルトをおまけしてくれた。
雪斗はすっごくにこにこして嬉しそうだった。
めっちゃ不定期更新……笑
読んでくださる方がいたら嬉しいなぁ
ぶっちゃけ私のストレス発散で書き始めてるから、いないならそれはそれでって感じだけど……いたほうが、やっぱり嬉しい。
あ、そうだ、投稿時間統一しよう。朝の6時!今決めた!←