4話 いざ、冒険者ギルドへ!
街に入ってしばらく歩く。町の印象としては、中世、かな。
来ている服もそうだし、建物もそんな感じ。そういえば、俺達が着てる服もそんな感じになってる。女神さま(アリス)がやってくれたのかな?
……右側の前の方に大きな建物が見えてきた。あれがきっと門番さんが言ってた「冒険者ギルド」だな。
「こんにちはー」
雪斗ってば、歩くの早いよ……そのまま正面にあったカウンターまで歩いていく。ギルド内は明るい酒場って感じだ。奥の方のテーブルがある辺りでは冒険者だろう人達が賑やかにお酒らしき飲み物を飲んで談笑している。
「いらっしゃい……って、あら?見ない顔ね?新人さん?」
受付のお姉さんが聞いてくる。そこそこの美人だ。異世界の冒険者ギルドの受付は美人というのは本当だったのか。
「はい、はじめまして、俺は雪斗、こっちは時雨です。ところで俺たち、冒険者の登録をしたいんですけど」
「えぇ、はじめまして。ユキトさんにシグレさんね。ギルドへの登録には1人につき銀貨1枚かかりますがよろしいですか?」
「はい、大丈夫です」
意外と高いなぁ、登録料。そんなもんかね。
「それでは登録しますので、この用紙に必要事項をお書きください。……ギルド、および冒険者に関しての説明を聞きますか?」
「「お願いします。」」
「わかりました。えっとですね……」
そうしておれ達が用紙を埋めている間に受付のお姉さんが話してくれたことをまとめると、
冒険者はランク制度がとられていて、低い方からE、D、C、B、A、Sとなっている。
E、Dランクは銅色の、C、Bランクは銀色の、A、Sランクは金色の身分証明用のタグプレートがもらえる。それを使えば大体の国、街には無料で入れる。これは便利。
でも、Eランクは月に3回、Dランクは月に1回、Cランクは2ヶ月に1回、Bランクは4ヶ月に1回、Aランクは半年に1回、依頼を受けないでいるとこれを剥奪されるので注意が必要である。Sランクはほぼいないので状況やギルドマスターなどの意向に応じる。
また、タグ失くしたら再発行にまた銀貨1枚かかる。
依頼ってやつは各ギルドにある「依頼ボード」に紙が貼ってあって、そこから選んで受付に持っていくと受けられる。
また受けれる依頼の種類は自分のランク以下が推奨になっているものしか受けれない。
他にも依頼中の怪我、また事故や死に関してギルドは一切責任を負わないとかなんかいろいろ注意をされた。
まぁそんな難しいことは言ってなかったかな。そうこうしているうちに用紙も書き終わった。ちなみに、異世界の文字は、書きたいと思った文字を手が勝手に動いて書いてくれた。変な感じだ。
そして、しばらく待つと、タグが出来上がった。
「これで登録は完了になります。こちらがユキトさんとシグレさんのタグになります。くれぐれもなくさないでください。依頼ボードはそこにあるので、好きなのを選んで持ってきてくださいね。」
「「ありがとうございました!」」
「最近、新しく入ってくれる人が全然いなくて困ってたんです。来てくれてほんとに嬉しいわ。これから頑張ってね!」
と、励まされた。最近は入る人がいなかったのか……なんでだろ。やっぱ女神さまが言ってたことと何か関係があるのかな?
とりあえず雪斗と共に依頼ボードを見に行く。
……やっぱり予想してたけど、Eランクだと薬草採取とかの依頼が殆どだね。討伐系は一つもない。
「ゆきとー、どれがいい?」
「どれでもいいけど……ってかまとめて受ければいいんじゃね?どうせ薬草とか同じ場所で採れるでしょ?」
「確かに。でも、出来るのかな?」
「んー、じゃあさ、とりあえず1個受けといて、ほかの依頼のやつも一緒に採ってくればいいんじゃない?んで、帰ってきてから順番に依頼受けて最終的にまとめて達成〜みたいな。」
「ん、じゃあそれで行こう。」
そんなわけで適当に依頼受けて最初にいた平原に来た。受付のお姉さんにそこで採れるって教えてもらった。
「どれが薬草なんだろ。ぱっと見同じじゃん…」
「いや、時雨、そういう時の鑑定じゃねーの?」
「あ、そっか。『鑑定』」
ピロンッ
⚪︎毒消し草【良】
軽い毒を消してくれる。
おぉー、出た。毒消し草、依頼にあったから持ってこ。やっぱり品質ってあるんだね。良ってきっとそういうことでしょ?
でおれはその後、鑑定を使いまくってたくさんのいろんな草を採った。品質は良以上にしようとしたから、ちょっと時間かかった。
雪斗は鑑定持ってないから暇そうだった。 どれも似てるし、見分けつかないって言って採集は諦めてた。てか途中から寝てたし。
なんか受付のお姉さん曰くここはモンスターは出ないから安全らしい。森に行くと出るけど。
その後ギルドに戻ってたくさん依頼クリアした。あんまりたくさん品質のそこそこいい草持ってったから驚かれた。(ギルドには専門の鑑定する人がいた。)
みんな見た目同じだしね。鑑定なかったらこんなに見つけれなかったもん。ちなみに品質【良】は普通~ちょっと良いくらいっぽい。
あと、スキルについてはばらさない方がいいと思ったから、適当に誤魔化した。
その後はお腹空いたからギルドの奥にあった食堂みたいな所で食べた。
固めのパンとコンソメスープっぽいやつ食べたんだけど、……日本の食事がいかに美味しいかがよくわかった。これで味は察してほしい。
雪斗が、今度もっと美味しいやつなんか作ってとかおれに言ってきた。
確かに昔からご飯とかは作ったりしてるから、出来ないこともないとは思うけど……。後でスーパー…はないだろうから、市場、かな?に行ってから考えよう。
午後は何しよう。
がんばる。
訂正 17/6/24