2話 女神さまのお話
※変更入れました(17/6/24)
「というわけで、ご説明します。」
と言って、アリスが語ってくれた内容をまとめると、
曰く、閻魔様の不備で死んでしまったので、お詫びとして特別に、新しいほかの世界での人生を授ける、ということで許して欲しい。
曰く、自分は、AliceWorldと呼ばれる世界の女神である。またこの世界は剣と魔法の世界である。この世界には人の他にも妖精やエルフ、ドワーフ、獣人など様々な人種がいる。
曰く、今この世界では魔王率いる魔物たちが大量発生していて、世界中が混乱、世界が魔王に乗っ取られる危機にある。
曰く、冒険者はいるが、対処しきれていない。よって、魔王を倒して、どうかこの世界を救ってほしい。
とのことだった。ぶっちゃけ、異世界転生とか、物語や小説とかだけの話だと思ってたから、ちょっとわくわくしてる。いや、これは男子ならしょうがないと思う。誰だって1度くらいは憧れるもんだよな?
現に、雪斗の目もキラキラと輝いている。あれはわくわくしている証拠だ。
おれと雪斗は一瞬目を合わせ、頷きあい、
「ねぇ、アリスさん、それ、やってもいいよ」
と雪斗が言う。
「ほ、ほんとですか!」
と、嬉しそうにアリスさん。やっぱり自分の管理する世界の危機には心を痛めてたのだろう。きっと直接手を出せない(そういうルールがあるとさっき言っていた)ことも、とても悔しかったに違いない。
「あぁ、でも、一つ条件があるんだけど」
「何でしょう?」
と、雪斗の言葉にアリスが首を傾げる。
「いや、大したことじゃない。ただ、俺らに、こう、スペシャルスキル?みたいなやつをつけて欲しいんだ。なにせ魔王を倒しに行くんだからな」
「もちろんですよ。そうですね、それは、普通は一つでも持ってたらそこそこに珍しいほうなのですが、今回、貴方達には三つ、差し上げるということでどうですか?そしてさらに、ステータスの補正もかけましょう」
うーん、これはかなりいい条件じゃないだろうか。これならいいと思う。
「うん、いいんじゃないかな。ゆきとも、それでいいよね?」
「ん、細かいのは時雨に任せるよ。」
「りょーかい。とゆーわけで、その条件でお願いします。スキルを選ばせてほしいんだけど、選べます?」
「ええ、もちろんです。本当にありがとうございます。…これがあの世界におけるスペシャルスキルの一覧です。どうぞお好きなものをお選びください。終わったら声をかけてくださいね。」
おれと雪斗はアリスさんから貰った紙を覗き込んだ。ざっと20個くらいだろうか。結構少ない……と思う。
悩みに悩んだ末、
おれ→『クリエイト』『鑑定』『マジックボックス』
雪斗→『サーチ』『ブースト』『マジックボックス』
にした。それをアリスさんに伝えると、
「わかりました。それでは次に、アリスワールドに適した髪の色にしましょう。あの世界では真っ黒はとても珍しいので目立ちますから」
ということで、こちらもまた選ぶことしばし。
結果、
おれ→水色の髪
雪斗→白銀の髪
にした。
「これでよろしいですね?それでは、人間族の治める国、ラメル国の、とある田舎町の近くに転送します。あの辺は周りは出現する魔物も弱いですから、丁度いいかと思います。あちらについたら、その町に向かってください。では、転送しますので目を瞑ってください。」
おれと雪斗が目を瞑ると、
「それでは、ご武運をお祈りします。いってらっしゃい。どうか、よろしくお願いします……」
そんな声が遠ざかりながら聞こえてきて、おれらはまた意識を失った。
頑張って、少なくとも週に1回くらいは投稿して行きたいと思ってるけど、実は私、受験生になるので、できるかわからないって言う……w