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04.ルートの三日目

村から町への新たな橋を架けました。

 そして異世界に転移して三日目の夜が明けた。


 二泊三日は地球時間だと思うけれど、もしかしたらこの世界に居

られるのも二泊三日なのかもしれない。

 僕は何となく異世界観光に来たけれど、壊れた橋を見ながら悲し

そうな顔をしていたリュイナが父親に会える様にしてあげたい。


 朝ご飯を食べ終わって、リュイナとリュオンに橋を作る話をした。


 そして僕たち3人はケサナの木がある竹林へ向かった。

 僕が考えた手順はナイフでケサナの木を伐った瞬間に異次元ボッ

クスに入れるというものだ、本番前に竹を使って切った瞬間に異次

元ボックスに入れる練習をした。

 大きなケサナの木をナイフで伐って異次元ボックスに入れた、問

題無い。もう一本切り倒して異次元ボックスに入れた。


 村に戻ると大きなケサナの木が、消えるのが見えたのだろう村の

入り口付近に村人が集まっていた。村長にケサナの木を伐って来た

と言うと、歓声が上がった。


 早速、昨日話し合った手順で用意をして貰った。

 村の入り口の外側に高さ1メートル位の土台を二つ用意して、そ

の上に二本の大きなケサナの木を並べて橋を作る。

 手すり用の支柱は数字の4を上下逆さにした形状にした。


(手すりがあれば僕でも怖がらずに渡れそうだ)


 丸木橋は昼過ぎに完成した。僕は丸木橋を異次元ボックスに収納

して村人達と元の橋があった場所へ向かった。村人は半数が一緒に

行く事になった、村長を含めて10人プラスリュイナとリュオンも

一緒に出掛けた。


 元の橋があった場所に丸木橋を設置して、皆で順番に渡ってみた。


(3人は魔物を警戒して村側に残って、後で交代して全員が橋を往

 復した)


 町へ行くには時間が遅い為、今日は村へ戻る事になった。

 

 村に着いてリュイナの家へ3人で帰った。

 僕は異世界転移について二人にどう話すか迷った末に話す事にし

た。


「二人に話したい事がある、僕はもうすぐいなくなる」

「橋が完成したので村から出て行くのですか」

「難しい話かも知れないけれど、説明するね、実は僕は異世界から

来た」

「異世界って何ですか」

「とても遠い国だと思って良いよ、僕がそこから来た時は一瞬だっ

た、だから帰る時も一瞬だと思う」

「遠い国から一瞬で来たり行ったり出来るのですか」

「出来る、自分では自由に制御出来ないけれどね、それで問題は僕

 が元の世界に帰る時に、突然消えるかもしれないって事だ」

「消えるのですか?」

「嫌です」


 僕はこれからすぐ、この場所から消えるかも知れないので出来る

事は何だってしてあげたい。


「そうだ最後にサンドイッチを食べようか」


 僕はメニューを開いた。




名前:ルート

年齢:25歳

レベル:1


所持品:【スマホ】




 あれ、いつもと違う。スマホ?、ポケットから取り出すと着メロ

が響いた。メールが届いた様だ。

 ビックリしている二人に、ちょと待ってと言ってメールを開くと



  件名:地球への帰還予定について


  千里拓道様


  観光モニターお疲れ様でした

  現地での二泊三日の異世界観光はいかがでしたか

  実は地球時間二泊三日は現地では約二十日間に相当します

  今回は特別に現地での二泊三日に合わせた途中帰還も可能です

  途中帰還を希望する場合の手順は・・・・・・



 そこまで読んで、ふと顔を上げると二人が深刻な表情で僕を見つ

めている。

 さあ、早く二人を安心させなきゃ


「えーと、全て解決した、先程の話は無かった事に」

「意味が分かりません、それと手に持っているのは何ですか」

「スマホと言う物です」


 それから、スマホの説明と異世界の説明を試みたけれど二人に伝

わったのか微妙だ、説明の途中でサンドイッチを取り出したら二人

の意識の大半がサンドイッチに向いていたから。


 ハムレタスサンドを取り出して3人で一個づつ食べる。

 卵サンドとツナサンドを取り出してテーブルに並べる、リュイナ

が迷わず卵サンドを手に取り、僕がツナサンドを手に取る、リュオ

ンは少し迷ってツナサンドを手に取った。

 テーブルの上には卵サンドが2個とツナサンドが1個残った。


 そこはかとない緊迫感が漂う中、僕は2個目のツナサンドを手に

取った。


「美味しいね」

「美味しいです」

「美味しいです」


 今の時点で帰るのは中途半端な気がして、このまま異世界観光を

続けようと思うけれど、残りの日数が多過ぎて持て余しそうだ。


 明日は一緒に町へ行こうかと二人を誘った。ランスさん達が町へ

行ったリュイナとリュオンのお父さん達三人に橋の事を伝えに行く

事になっているのでついて行こうと思っている。



(三日目終了)






 二泊三日は地球時間です異世界では時間の流れが十倍速くなっています。

 二泊三日は時間にすると48時間や60時間だったりと曖昧なので48時間の方が分かり易いです。


 主人公の思考がぶれまくっています、目立たない様にしたいのに派手な事をしてしまうし、

 異世界やチートスキルの事を隠そうとしていました、何だか吹っ切れた様です。


【参考】手すり用の支柱の構造、素人考えなので実際の強度は不明です。


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