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パリーン!という不吉な音が聞こえて、そこに顔を向けると、熊族が小さなティーカップを落としたようだった。


「すまん、落とした。弁償する」


そう言って割れたティーカップを拾おうとしたところを俺は止めた。


「お客様、危ないので素手で拾うのはやめてください」


俺はそう言うと、ほうきとちりとりを持ってはき始めた。


俺の行動を申し訳なさそうに見ている熊族に、何でもないように装って言った。


「弁償は結構ですよ。怪我はありませんでしたか?」


熊族は大きく横に頭を振った。


「怪我がなくて良かったです。これからもどうかご贔屓に」


笑顔でそう言うと、熊族は大きく何度も頷いたのだった。


去り際に他のティーカップを買った熊族がボソリと言った。


「こんな自分に丁寧な接客をありがとう」


「いえ。また、お待ちしております」


俺はデカい図体をした熊族に一礼をして、見送った。











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