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また次の日も竜族はモンスターの肉を持ってきたので、我慢できなくなった俺は竜族に動物の肉の方がいいと言ってみた。
「動物の肉より、モンスターの肉の方が美味しいのに、お前は変わっているな。まあ、いいか。どんな動物の肉が欲しいんだ?」
「牛とか、かな」
「牛か。わかった。これからは牛の肉をお前に送ろう」
「いえ、別に送らなくても結構なんですが」
「そう言うな。お前はまだ若い。食べ盛りの子を放っとくことは出来ない。沢山肉を食べて大きくなるんだぞ」
「いえ、もう大きく成長しているので、肉は結構です」
「まだ私の腰の辺りしか背が届いてないではないか。子供は大人しく肉を受け取っておけばいい。我々竜族は個体が少ないのだから、助け合わなければな」
「・・・ありがとうございます」
これ以上ゴネると、喧嘩になりそうだったから、不満ではあるが一旦引いておこう。自分が竜族だという嘘がこんな面倒くさいことになるとは思わなかった。




