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ある日、売った覚えのない品物が消えていることに気づいた。


これは・・・、もしかして、万引きかもしれない。


俺は来る客を注意深く観察していると、1人の猿族が怪しい動きをしていた。


バッグに何か入れた後、そそくさと店を出たので追いかけて呼び止めた。


「お待ちください、お客様。いきなりですみませんが、そのバッグを見せてください」


猿族は一瞬ビクりと震えたが、振り返った顔は無表情だった。


「どうしてバッグを見せなきゃいけないの?」


「そのバッグにまだ支払いを済ませていない当店の商品が入っているかもしれないからです」


「入れてないってば。勘違いじゃないの。私、急いでいるから、もう行くわ」


「お待ちください、お客様!」


走り去ろうとする猿族の腕を掴もうとしたときだった。常連の竜族が猿族の首根っこを持ち上げて訊いた。


「お前が慌てるとは珍しいな。こいつが何かしたのか?」


竜族に持ち上げられた猿族はジタバタと暴れていた。その時、バッグから自分の所の商品が転がり落ちてきた。


「お客様、これからは支払いを済ませてから、バッグに商品をしまって下さい」


俺はそう言うと、竜族に猿族を離すように言った。


自由になった猿族は一目散に走って逃げて行った。


俺は竜族にお礼を言ったら、大したことはしてないと謙遜された。


店に戻ると、竜族にまたモンスターの肉を渡された。


だから、俺は動物の肉がいいんだってば!



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