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遥か先に視る想い  作者: 埋木花咲
第1章 先立つ者
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Procyon

読み方:プロキオン

意味:先立つ者

「ハルとミヤビが帰ってきたら、皆に大事な話がある」

 不意にパトリックが告げた。その顔は険しく、声は聞いたことがないほど低く震えていた。どうやら、チハルが喜んでいたほど、良いニュースではないらしい。

「……良いニュースなんでしょ?」

 案の定、チハルが恐る恐る言う。彼女も空気が読めない子供ではない。あえて希望を持とうと努力しての質問だったのだろう。まだ大人になりたてなのによく気の回る子だ、と母親の様にヒカルは思った。

「もちろん、良いニュースもある。特にアンリにとってね」

 突然自分の名前を呼ばれて、アンリの顔が跳ね上がった。どことなく血色の悪い彼女の顔を見て不安感が増す。

「お星、見つけた、でしょ?」

 レオがにこにこと父親へと尋ねた。彼は俯き首を横に振り、少年に「ごめんよ」とだけ言った。周りも深く項垂れている。

 ミキトだけが前を見据えていた。空を睨み付け、眼光を研ぎ澄ますように。それは刀のように鋭かった。その視線の先にはアンリがいた。俯いてはいるものの、その顔は険しい。彼も彼女もパトリックが何を言おうとしているのか少なからず知っているようだった。

 リン・シャオのことが頭を過る。

 それは今から2年前の出来事だった。

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