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Aldebaran
読み方:アルデバラン
意味:後に続く者
憔悴していた。ヒカルもミキトも。
何故こんなことになってしまったのだろう。考え込むヒカルの肩をミキトがそっと抱き寄せる。それに抗う力も、今のヒカルには無かった。最初はみんな一致団結していて。こんなことになるなんて。その思いが渦巻くように彼女を包む。新しい星なんて見つからず、このまま死んでしまいたかった。
「君が死んだら、僕はとても悲しいよ」
彼女の心の叫びを感じ取ったかのようにミキトが呟く。わたしなんて、と呟いた。
「あの日の事覚えているかい?」
唐突に彼は言った。ヒカルは思い返すが、ミキトの言う『あの日』がいつを指しているのかわからず首を振る。
「あの日は雨が降っていたんだ」
その言葉から2人の思い出が走馬灯のように甦ってきた。