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遥か先に視る想い  作者: 埋木花咲
第2章 後に続く者
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Aldebaran

読み方:アルデバラン

意味:後に続く者

 しばらくして『セントリーズ』に乗組員全員が集まる。皆が皆、神妙な面もちで朝を迎えた。初めてこの飛行船に乗ったときから8人が部屋には欠けていた。初めに欠けた2人。キャシー、パトリック、アイリーンにレオ。

 そしてハルとミヤビがいなかった。

「……あとどれだけ、この中からいなくなるんだろう」

 チハルの呟きに空気が重量感を増した。アキラが妹を抱きしめ、大丈夫と言う。ここまで信憑性の無い「大丈夫」がどこにあるだろうか。次は自分かもしれない。そんな思いが部屋に渦巻いていた。もう誰が犯人かも考えていない。考えは皆同じ方向に向かっていた。

 どうやって自分が生き残り、どうやって人殺しを消すか。

「そういえば、ヨシキ」

 ルークが呟いた。

「お前、今まで消えた人……特にキャシーには対抗意識持ってたよな」

「……ルーク、君は何を」

「単刀直入に言おう。君が殺したのか」

「ちが」

 言いかけて周りからの視線に気づく。刃物のように突き刺さる視線が彼の平常心に突き刺さった。

「みんなみんな、アホなんですか? 僕が殺すなら自分の手は汚さない! 誰かの心を煽り、他人に手を下させる!」

「だから、ヒカルちゃんは……」

「あいつは違うわ! 利用のかけらもないゲス野郎だ!」

「お前……いくら何でも言って良いことと悪いことが」

「嘘じゃないだろ?! だってこいつは」

「ヨシキ」

 沈黙を貫いていたヒカルが開口一番言った。

「私が彼女を殴ったのは、私の大事な人を侮辱したからだ」

 ついでに、と言って周りを見渡す。

「私にこの船に乗る前の記憶はない」

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