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Aldebaran
読み方:アルデバラン
意味:後に続く者
ヒカルは目を伏せて言った。
「パトリックの精神力なら、きっと彼女の手を握り愛を囁くこともできるさ」
そういった彼女をアキラが鼻で笑う。愛なんて語っちゃってどうしたの、とでも言いたげな顔をしている。私に愛は似合わないな、とヒカルは自嘲した。
「ヒカルの言うことも最もかもしれないな」
ミキトが笑いながら言った。その顔には少し疲れが出ている。よく寝れていないのだろうか?チハルが心配そうに見ていた。
「ミキちゃん、寝れてないの?」
ヒカルが思っていたことをチハルが代弁したかのように聞いた。ミキトは笑って、少しねと言った。少し寝られているのか、少しも寝られていないのか。どちらにしろ、ミキトの体調の悪さは明かだった。
「今日は1日しっかり休もうぜ」
アキラが立ち上がりながら言う。コップの中にはまだ並々とコーヒーが入っていた。チハルの飲まないの、と言う問いに、口の動きだけで「苦い」と告げている。
ヒカルも立ち上がり「そうするか」と言った。ミキトは座ったまま目を閉じている。それをチハルがじっと見つめていた。