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遥か先に視る想い  作者: 埋木花咲
第2章 後に続く者
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Aldebaran

読み方:アルデバラン

意味:後に続く者

「私は無理ね」とチハルが言った。

「もしアキラの胸に包丁が刺さってたりしたら、わたしたぶんその場にいられないよ」

「俺も無理かな……できれば見ていたくないし、現実逃避に走るよ」

 アキラも答える。ヒカルはその質問が何を意味するか判ってしまい、答えることができなかった。

「そう。普通だったら凝視することも近づくことも阻まれるだろ。

 だけど……だけど、パトは違った。手を握っていたんだよ。血にまみれた自分の妻を凝視しながら。そして言っただろ?「これがあの『合衆国の太陽の宝石』と呼ばれた女の姿か」って。あまりにも……あまりにも他人行儀な気がしたんだ」

 そう声を震わせるミキト。受け止めたくない現実を目の前に突きつけられて憔悴しているようだった。アキラが「……それだけじゃ、犯人って言えないだろ」と言うと「もちろんだ。そんなの信じたくない」と返した。

「だけど、受け止めたくない現実が、時に真実だったりするんだよ」

 そう言ってヒカルはココアを啜る。それはほんの少しだけ苦味を持っているような気がした。

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