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Aldebaran
読み方:アルデバラン
意味:後に続く者
暫くするとアキラが目を覚まして来た。何故お前がここにいるんだ、と言いたげな目でヒカルを見る。
「2人を迎えに来たんだ。驚かせてすまない」
ヒカルが言うと「そういうことなら良いんだ」と答えた。
「お兄ちゃんね、何気にヒカルちゃんのこと頼りにしてるんだよ」
アキラが余計なことを言うな、とチハルを目で制する。それを確認すると「だってねー」と彼女は面白がって口にする。
「寝る前にねーヒカルがいるから平気だよって」
「……! やめろよ! チハル」
「ミキトも頼れるけどヒカルも案外って」
「チハルってば」
アキラの顔が茹で蛸のように赤くなっていた。その光景は2日前までと変わらなくて。少し悲しくなった。それに気づいてか、チハルが手を握ってくる。アキラも心配そうにこちらを見ていた。
「……大丈夫だよ。心配ない。私とミキトがいるんだ。君たち2人は命に変えても守るよ」
そう呟くと「やっぱりチハル、ヒカルちゃん大好き!」と言って抱きついてくる。その身体を優しく抱き締め返し、ミキトの元へと二人を促した。