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Aldebaran
読み方:アルデバラン
意味:後に続く者
自分の叫び声で目が覚めた。嫌な夢を見た。これなら走り回ってる夢の方が精神的には良かったと思う。ボディースーツに着替えて、隣のベッドカプセルを見るとアンリが顔をしかめながら眠っていた。あんなことがあったら皆辛いよな、と誰にともなく呟く。廊下に出て向いの部屋に向かう。ノックを1つして入った。チハルが既に着替えを済ませて座っていた。「おはよう」と声をかける。
「嫌な夢を見たの」
彼女が不安に溢れた声で言った。
「私もだよ」
そう言って隣に座る。よく見ると彼女の身体は震えていた。自分が20歳の時に同じ目に遭ったら耐えられただろうか。否。無理だろう。
無言で時を過ごす。昨日とは違い、心地よい静寂だった。ベッドカプセルの小さな機械音が時おり響く。ヒカルはチハルの肩を引き寄せ「大丈夫だからね」と言った。その言葉が彼女のリミッターか何かを壊したのだろう。左の瞳から涙が零れ落ちた。声を出さずに涙をこぼす彼女の姿を見て、ヒカルは彼女は強い、と感じた。