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一
灯台までの散歩道を歩いているといつも見るおじさんがいる。
時々ぶらぶらしていたり座ったりしている。
「おじさん何してるの?」
「ん?いつもここら歩いてる子供か。今日はまたどしたんだ」
「夏休みはこうやって散歩してるのが好きなの。おじさんいつもいるから」
「そうだなぁ。おじさんは小説家(の卵)をしとるんだ。うんうん」
「へぇー」
ぺたりと横に座った。
「・・・・」
「小説家って何?」
「あー、本を書いてる」
「シャーロックホームズ?」
「とかあとは・・・んー」
(児童書って何があったかな)
「・・まぁそんな感じだ。絵本より少し難しい本を書いてる」
「おじさんの本見せて!」
「まだ売ってないんだ」
「へー」
「じゃあ、今日はもう行くね」
「おう」
少年は手を振って帰って行った