第5話 文化祭実行委員長
カタカタカタカタ………シフト表を作りはじめて20分が経って5時近くになってヘッドフォン外すと、いつも通りがやがやとうるさくなっていた。
っていうか人増えてるし……
少し日焼けした高一の女子4人組が向こうでがやがや話し、こちらでは高一、高二が世間話をするといういつもの光景だ。
僕も会話に参加しようとしたら放送室のドアが開き、柳川 奈美――文化祭実行委員長が入ってきた。
「ねぇ、MD再生して音出せるやつ貸してよ。」
「何に使うの。」
「ダンスの練習。」
「へーお前ダンスもやってたんや。じゃあここにサインしてや。」
僕は機材貸出許可書を出して、いつも通りに仕事をこなした。
「ありがとう。んでどうやって使うの?」
ガクッ……頼むよ。
「分かった。僕がライン繋ぐよ。場所どこなん?」
「えっ本当?じゃあ、剣道場で待ってるね。」
バタバタバタバタ………………
機材少しは運べよ。僕は心の中でつぶやきながら剣道場まで運んでいった。
「ほら、ここにこの端子を挿して、ここの電源いれたら音出るようになるよ。」
僕は毎日剣道場まで行って配線はしたくなかったので、柳川さんに説明しているのである。
「え〜 ここがここで…………?」
どうやら理解能力が少し足りないらしい。おそらく明日も来ることになるだろう……
「じゃあ6時になったら返しにいくね。」
「時間厳守でよろしく。」
僕は放送室に帰り、Excelを使っていたら瞬く間に6時になった。放送室には浩樹と二人きりだ。
「疲れた〜 今日も何にもしてね〜」
「あいつら遅いね。」
「機材か。」
6時5分くらいにようやく柳川が返しにきた。
「遅いよ〜」
「えっ、ちゃんと6時に剣道場出たよ。」
「そういうことか。明日から放送室に着くのを6時にしてくれ。」
「はーい。じゃあバイバイ。」
「「お疲れ様でした。」」
ふーこれでやっと帰れる。
「あぁ、俺の時計探してくれぃ」
………まだ帰れないみたいだ。




