第3話 一日の流れ
朝のSHRで担任が夏休み明けの定番な話をした後、そのまま英語の時間が始まり僕はうとうとし始め、気付くと3時間目の途中になっていた。
誰か起こせよ。と思いながら隣の席の壮大に出された宿題の範囲を聞こうと思い、小突いた。
「宿題なんか出た。」
「英語がプリント一枚出てるよ。ほらお前の分。」
「要らないよ。返品を希望する。」
「そうか。頑張れ。」
あっ授業中のこいつには何を言っても無駄だったか。
僕はプリントをファイルにはさみ、ノートを鞄から出す。そして顔を上げると黒板に『人間は何故イキルのか』と書かれているのを見た瞬間、出したノートを開かずにしまい、夢の世界に旅立つことを決心した。
昼休みになり、壮大と純希と一緒に弁当を食べる。
「あぁ〜よく寝た。」僕は背伸びしながら言う。
「お前は随分寝たな。夏休みボケか?」えらく普通なことを言う純希だなと思うと、そのうえから
「寝てこれから昼飯か、太るぞ。」の壮大の一言が被さり、絶妙なコンビネーションを醸し出す。
「大丈夫大丈夫。今から体育じゃん。原子レベルにまで消化してやるよ。」
5時間目体育
僕はサッカーのキーパーをしている。運動は好きで、しかも小学生のときサッカー部だったため、結構張り切るのだ。中学時代は体育のたびに怪我していた。
そして6時間目は体育の疲れを癒すリラックスタイム――じゃなくて担任の授業なのできちんと受けるふりをする。
俺の精神は20日後の文化祭に旅立っていた。