第17話 コンビニ戦争
とにかく僕は朝食を掻き込み、制服に着替えて自転車に乗った。
今は急いでるので、普段つけてるイヤホンはつけない。
「どこのコンビニで買うかな〜」
家から学校まではコンビニに3つある。今は時間短縮をせねば。とりあえず信号で決めたら速いかな。
「あいつら人使い荒いよな…… っていうかお菓子&ジュースって必要経費として予算で落ちないかな」
「無理ですよ」
「うわぁ、びっくりした なんで那州がいるんだよ!!っていうかいつからいた」
「最初からいましたよ?」
「お巡りさーん。不法侵入でーす」
「ここ交番ありませんよ?」
読者の大半はきっと覚えていないであろう。15話で名前だけ出てきた人物である。
「環境に優しく生きよう。ストップ・ザ・温暖化、那州 明人です。」
「誰にアピールしてんだよ。選挙にでも出るのかよ」
こいつ、面白いやつだが、ノルとすさまじく壊れる。去年の打ち上げの焼肉で箸焼いてたからな。勘とノリと雰囲気で人生を乗り切ってる奴だ。……羨ましい。
「お前も遅刻?」
「やだなぁ。違いますよ〜 寝坊です。」
「そっか。馬鹿なんだな。」
「休日登校自体を忘れるよりはマシですけどね〜」
「うっ………」
「言葉につまったら負けですよ〜」
「くっそ、後で覚えてろよ」
「はいはい、どうせ忘れてしまいますよ。あっコンビニ通り過ぎましたよ?」
「踏み切りのところにする。いいから黙ってろよ……」
「いらっしゃいませ」
とにかくコンビニ到着。
「スポーツドリンクと、スナック菓子でいいか。お前は何か………なんだそれ。」
「花火です!!」
「しまえ」
「嫌です。学校で花火します」
「停学になるぞ」
「大丈夫です。監督責任でなるのは先輩だけですよ」
「なるほど、つまり僕は阻止しないといけない訳か」
「そうなのです」
こうして、第一次コンビニ戦争は火ぶたをきって落とされた。
別名、不毛な争いとも言う。