あなたにとってはゴミだとしても
破れてボロボロになったハンカチを見てある人は言う。
「このハンカチは、ゴミじゃないか。新しいのを買えばいい。」
あなたにとってはそうだとしても
それが、誰かの大切なものじゃないかって考えたことある?
そのハンカチは、亡くなった母の形見なの。
小さい頃、よく泣いていた私にいつも母が差し出してくれた。
破れてボロボロになったって、私にとってはゴミじゃない。
壊れたカメラを見てある人は言う。
「このカメラは、ゴミじゃないか。写らないなら意味ないじゃないか。」
あなたにとってはそうだとしても
それが、誰かの大切なものじゃないかって考えたことある?
そのカメラは、世界に数個しか存在しない、珍しいカメラなの。
そのカメラと今まで本当にいろんなところを一緒に旅してきた。
例え写らなくなったって、私にとってはゴミじゃない。
ある紙を見てある人は言う。
「この紙は、ゴミじゃないか。誰かが下手くそな落書きでもしたのだろう。」
あなたにとってはそうだとしても
それが、誰かの大切なものじゃないかって考えたことある?
その絵は、私の子どもが初めて描いてくれた絵なの。
下手くそでしょう?でも、一生懸命描いてくれたのよ。
どんなに下手でも、私にとってはゴミじゃない。
この世界で暮らしているのは、あなた1人だけじゃないの。
あなたにとってはゴミだとしても、他の人にはゴミじゃないかもしれないの。
あなたはそれがゴミだって、どういう基準で決めてるの?
自分に要らないものだからって、それがゴミとは言えないよ。
自分のダメなところを見てある人は言う。
「私なんて、この世のゴミじゃないか。いっそ死んでしまえばいい。」
あなたにとってはそうだとしても
あなたが、誰かの大切な人じゃないかって考えたことある?