第3話
真夜「まさか、最後があんな終わり方とはねえ…」
渚「いいじゃない!前回は一言もしゃべってないのよ?!」
蒼弥「いきなり、デートだもんなぁ…」
真夜「まあまあ、青春ね」
渚「…真夜ってこんなキャラだった?」
蒼弥「キャラなんて作者のさじ加減ひとつだろ」
真夜「…蒼弥、レポートの事絶対忘れないから」
蒼弥「え?…ちょっと?真夜さん?」
渚「水谷くん、女の恨みは怖いわよ」
蒼弥「雨宮さんまで?!」
真夜「休日にレポートを書きに出かけた私」
渚「真夜ちゃんが偶然見かけた私と水谷君」
蒼弥「はたして、真夜はどうするのか?」
真夜&蒼弥&渚「それではどうぞ!」
私は反対側の道にいる渚と蒼弥を見て
あとをつけることにした
もしかして、蒼弥は渚と付き合うことになったのかしら…?
反対側の道から二人を追いかけていると
二人はそのまま洋服店に入って行った
私は二人が店に入ったのを見届けると
道を渡って二人がいる店の前からショーウィンドウ越しで
見てみた
店の中には楽しそうに手をつなぐ
蒼弥と渚がいた
渚が何か言うと
蒼弥が目を細めてうれしそうな顔をする
完全に二人はお似合いのカップルだった
そうか、蒼弥は渚の思いを受け止めたんだ…
二人の邪魔をしてはいけないと思い
その日は真っすぐ家に帰った
☆★☆★
次の週の月曜日
今日から夏休みに入る
私は全校集会のあと
廊下で渚に話しかけられた
「おはよう、真夜ちゃん♪」
渚はいつにもまして元気な様子だった
「おはよう、渚。なんだか今日は元気ね?」
それとなく私は蒼弥の事を聞こうとした
「だって、今日から夏休みよ?」
確かに、今日から夏休みだけど…
「…そう言えば真夜ちゃん、水谷君に手紙渡してくれたんだね」
渚が私に聞いてきた
「…そうよ」
「真夜ちゃんのおかげで私、水谷君と付き合うことになったの」
「そう…良かったわね」
「えへへ…ありがと」
なぜだろう
私は親友の恋が成就したことはうれしい
なのに胸がちくちくと痛む
息をするのが辛い
「じゃあ先帰るね、水谷君が待っているから」
「……ええ」
渚はくるりと背を向け
昇降口のほうに歩いて行った
私も帰ろう…
そう思った時
誰かが肩を掴んできた
「真夜、今帰るところか?」
振り向くと、蒼弥がいた
「…そうだけど?」
「一緒に帰らないか?」
「……え?」
蒼弥は渚と帰るんじゃ…?
「いや~雨宮さんと帰ることになったんだけど
『水谷君にいっぱい話したいことあるんだ♪』
って言われたんだけど
なにを話して良いか分かんなくて…
女子同士なら話せるだろ?」
あぁ…そういうことね
「…それはたぶん、
渚は蒼弥と話したいのよ
私とではないわ」
そう私が言うと
蒼弥は
「そうなのか?」
と聞いてきた
…蒼弥がこんなに女の子の気持ちに
鈍いとは思ってなかったわ…
「でも、いいじゃん!
三人で帰ったほうが楽しいだろ?」
「え?あっ…」
そう言って蒼弥は私の手を引いて
昇降口まで降りて行った
帰り道
いつもは人通りの多い商店街も
午前中はそこまで人はいない
いつもより静かな商店街を歩く私たちは
長い沈黙が続いていた
蒼弥は私を頼りにしていたのか
時々私の方をちらりと見ては
必死な様子で『助けてくれ!』
と口を動かしている
渚はずっと黙っているが
蒼弥と手をつなぎとても幸せな顔をしている
誰かが『初恋は甘酸っぱいの』と言っていた
私は恋をしたことがないから
分からないけど
渚は恋を楽しんでいるということは
分かった
「じゃあ、私こっちだから…♪」
私が気づくと
T字路の別れ道で渚が手を振って帰って行った
渚を見送ったあと蒼弥が大きく息を吐いた
そして私のほうを向き
「あそこまで沈黙するとは思ってなかったぞ…」
と疲れきった顔で言った
「…ごめんなさいね」
私がそう言って
ふと気付いた
「そういえば、私とは普通にしゃべるのね」
蒼弥はきょとんとしている
「え?だって幼馴染だし」
その言葉は
なぜか急に私の心に突き刺さった
どのような意味で蒼弥が言ったのかは想像できる
それは蒼弥が渚に抱く感情とは別であることもわかる
渚とのデートの時に見せたあの表情が
私に見せたことのないような笑顔が
私の心をえぐっていく
「そう、ね」
自分でもわかるくらい声が震えている
「私、ちょっと用事を思い出したわ」
「それじゃ…」
私はその場にとどまることができなくなり走って家にかえった
家に帰って着替えもせず自分の部屋に真っすぐ向かった
そして、私は泣いた
本当に自分がわからなかった
この涙の意味も
そして私はひとつの答えに行きつく
私は、水谷蒼弥が好きだ
こんにちわ、なおとっとデス
最近忙しくてなかなか投稿できずにいました
本当にすいません
今後は結構間をあけて投稿することになると思います
学生の身なのでよろしくおねがいします