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9話:戦いの日々

ジュエラー六人が集まったあの日から数日後、フウヤは画材を買いに商店街に来ていた。


袋を片手に歩いていると、見知った顔を見つけた。


「よお」


「・・・・・」


アキラはフウヤの顔を見た瞬間、顔をしかめた。

元から仲良く出来るとは考えていないため、アキラの態度にどうこう言うつもりは無い。


「どう思う?キラのこと」


アキラはフウヤに尋ねた。


「協力する気はさらさら無いが・・・やっぱり中々面白い奴だな」


「そうだな」


アキラとフウヤは別の通りを眺めた。そこで、ある人物を見つけた。

相手もアキラ達を見つけた。



「じゃあねハニー達。僕は用事が出来ちゃったよ!」


ビューティーは連れていた女生徒達と別れ、アキラ達の元へやって来た。


「やぁ君達、久しぶりだね」


「サードニクスか」


フウヤが声と口ぶりから正体を察する。


ビューティーはスラリと伸びた背に整った顔、確かに女の子達をはべらせていてもおかしくなかった。



「しかし、あの女の子は一体何なんだい?変な事を言っていたけど」


ビューティーがキラのことを尋ねた。

アキラはどう答えるべきか迷ったが、質問に答えた。



「ジュエラーとしてならあいつは失格かもしれない。だが、あいつの決意は固い」


「なるほどね・・・・・でも、今いない子のこと話し合っても仕方ないね」


そう言ってケースを取り出した。


アキラとフウヤもケースを取り出す。



ビューティーがゲートに向かってケースを突き出すとバックルが現れる。

ビューティーは左手で前髪を掻き上げ、フッと笑う。


「変身!」


ケースをバックルに差し込み、その姿をサードニクスへと変える。


ビューティーは右手の人差し指と中指をおでこに当て、前にサッと出した。

そしてキラッとした顔でウインクする。


アキラとフウヤも変身し、三人はゲートに入った。






キラは丁度学校が終わり、校門を友達と出た。


「じゃあ、またねー」


「バイバイ!」


キラはマリコと別れ、自分の家路につく。

その間、モンスターに警戒することも忘れない。



暫く歩き続け、ふと見るとテルの姿が見えた。

テルもキラの姿を見たのか、こちらへやって来た。


「何か、用かしら」


「そうじゃないんだけど・・・」


キラは少し喜んでいた。

最初は合う度に言い争っていたのに、今ではこうやって話が出来る。


キラにとってそれは何より大きなことだった。



「ハン、いい年して仲良しこよしか?」


二人に向かって挑発めいた声が聞こえた。

見ると、トモヒコがこちらに歩いて来ていた。


「呑気なもんだなぁ。お互い殺し合う仲だってのに」


テルは前に出てトモヒコと話す。


「御託はいいわ。それより・・・」


テルがケースを取り出すと、トモヒコもケースを取り出す。

それを見て、キラは止めようとする。



「テル、そんなのダ・・・」


テルがキラの腹を殴り、キラはテルにもたれてひざまづく。


「なん・・・で?」


「言ったでしょう。私は・・・・・勝たなきゃいけないの」


テルはキラを置いていくとトモヒコとゲートの前に立つ。



【変身!】


テルとトモヒコは変身すると互いの顔を見合う。

そして、ゲートを潜った。




「く・・・ぁ」


キラは腹を抱えてなんとか立ち上がる。

しかし、フラフラとよろめき壁に寄り添う。


「っ、テル・・・・・」


キラはテルの心配をした。

ああは言っていたが、やはりテルが人を殺せるとはキラは考えられなかった。



「大丈夫かい?」


パサランがキラの頭上にやって来る。


「やれやれ、戦う前からそれじゃ駄目じゃないか」


キラはパサランに聞き返した。


「今度は何の用?」


「君が面白いから様子を見に来ているだけさ・・・・・それにしても、どうして君はそんなに二宮テルを気にするんだい?」


パサランの問いにキラは答えた。


「よく分からない・・・勘、かな。私はやっぱりテルが人を殺せるとは思えない」



「人間の、特に君の考えることは分からないね。いいよ、君はジュエラーなんだから、自分の願いを叶える権利がある」


「私は、自分の願いなんて分からないよ」


キラはそう答えた。

未だに自分の願いが分からない。金も名誉も、他のことにも人を殺して叶えるべき物と思えなかったし、自分には人殺しなど出来ないだろう。


だから、キラは自分が他のジュエラーと違うことに気付いていた。



「でも、君はジュエラーだ。君がダイヤモンドになれたということは、叶えたい願いが見付かるはずだ」


「どういうこと?」


「もしくは、既に決めている願いに君自身が気付いていないだけかもね」


そう言って、パサランは何処かに飛び去ってしまった。



キラは暫く壁にもたれたままだったが、やがて壁から離れてケースを取り出した。







ジュエルワールドでは、テルとトモヒコが対峙していた。


テルが剣を構えてトモヒコに尋ねた。


「お前の願いは一体なんだ?」


「復讐さ!!・・・これ以上は、言う必要ないな?」


「ええ」


テルとトモヒコは、同時にデッキからカードを引いた。





「折角だから、僕の願いを教えてあげるよ!」


ビューティーがアキラとフウヤに呼び掛ける。

アキラとフウヤは黙って静聴した。


「僕の願い・・・・・それは、世界中の物を全て美しくすることだ!」


「どういうことだ?」


アキラが聞き返す。

ビューティーは話を続けた。



「僕ほどの美しさに釣り合うものが世界にないのが不満だったのさ。そこで、僕はジュエラーになったのさ!」


「心はそこまで綺麗じゃなさそうだな」


フウヤの発言にビューティーはピクッと反応した。


「ああそうか。僕の美しさに嫉妬しているんだね!」


が、すぐに自分のペースに戻る。


話していても仕方ないと察したアキラとフウヤは構えた。


ビューティーもカードを手に取り、戦闘の準備をする。




それぞれの戦いが、始まろうとしていた。

五階堂フウヤ CV.宮野真守



エメラルド

デッキ構成


ディフェンスキラー×1

チェインキラー×2

エレメントキラー

オフェンスキラー×3

ビルドキラー

ドリルキラー×1

サモンキラー×1

ファイナルキラー×1

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