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小説技術論エッセイ

【創作論】説明ではなく、物語の中で設定を出す方法

作者: はまさん
掲載日:2026/07/05

 ファンタジーの世界設定って、何でも考えれば良いと思ってる人がいるかもしれないけど。実は設定にも上手い下手があるのよね。

 例えば、貨幣制度。下水道の仕組み。椅子の素材。そんな、どうでもいい解説が延々と続いて、物語が進まない。

 その設定の出し方も「実は私は○○王国の姫で、王国はこんなことがあって」というように、セリフか地の文かの説明だけ。その間は物語が止まって進まない。


 という

①物語の本筋に関係ない設定を出す。

②物語の中でアクションとして設定を出せない。

 の二つの下手さがある。


 これ、どうしたら良いのか考えた。

 まずファンタジーの設定は大抵がどれも「既存の土台+アレンジ」の形になっている。

 これが歴史考証ガチガチの作品なら「現代+歴史というアレンジ」ということになるだろう。

 違う、自分の作品に「既存の土台」などない。全て未知だという作品は、恐らくメルヘンファンタジーと呼ばれることになる。


 で問題はこの「アレンジ」をどう出すか。これを仮にA級、B級、C級とランク付けしてみよう。

 A級の設定は最重要。物語で真っ先に出さないといけないもの。

 B級はそれなり大切。ただし後から出しても問題はない。

 そしてC級はあってもなくても物語が通用するもの。


 当然、A級の設定は詳しく書かないといけないし。C級とかは、さっと流せば良い。

 問題はこのランク付けをどうやってやるか。設定が下手な人は、このランク付けが下手なわけだ。


 答えは簡単。主人公と関連性の高い設定ほど重要になる。

 となると、主人公のどうでもいい細部ばかり深掘りしてしまう人がいるのだけど。


 主人公とは、物語の中心だから主人公。では物語の中心とは何か。

 物語とは、主人公のアクションのこと。そして主人公は動機があるから、アクションを起こす。つまり主人公の動機と、世界設定を結びつけたら良いわけだ。


 で動機とは、大抵が「欠落」か「過剰」から成る。

 欠落とは、主人公に欠けたもの。だから欲しくなる。魔法の力がないから魔法使いになりたいとか

 過剰とは、余計で要らないもの。だから捨てたい。主人公の身にかかった呪いを解きたいとか。


 そして世界設定の「アレンジ」も、大抵は「欠落か過剰」の形を取る。平和がないとか。魔法の力がある、というように。

 だったら主人公の動機と、世界のアレンジ、「欠落か過剰」を同じにしてしまえば良い。


 主人公は欠落を埋めようと、もしくは過剰をなくそうとアクションを起こす。

 だがその行動は阻害される。誰にか世界にだ。主人公の動機は、世界の障害によって満たされない。

 それでも立ち向かう。すると葛藤が生じる。こうすれば世界設定を解説しなくても、アクションで理解させられるんじゃなかろうか。


 例えば主人公は魔法使いになりたい。ならば、魔法の設定を沢山書かないといけないだろう。そこに下水道の仕組みとか、本当に要るか? という話だ。

 だけど自分はどうしても異世界の貨幣制度について書きたい。だったら主人公は金持ちになりたい奴にする。そうすれば、自然と貨幣制度を描ける。


 やたら設定に凝りすぎてしまう人が忘れがちなんだけど。読者の読む時間も有限だからね。物語と関係ない話が続いたら、本筋を忘れてしまう。全て暗記しろと言われても無理よ。

 そして物語と関係ない情報が延々と続くということは、読者にしたら虚無の情報。つまり、面白くないということになる。


 読者の求める情報を、必要なだけ、物語世界に没入しやすい形で提供する。

 そこまで考慮してこその、世界設定だと思うよ。

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― 新着の感想 ―
うーん 私はあんまり気にしないというか 関係ないように見えて後から実は関係あった、しかも重要事項だった、なんてのはよくある話なので とりあえず最後まで拝見しますけどね ちなみに『それ本筋に関係ない…
こんにちは。 >物語が止まって進まない うっ! わかる。 でも、どうしても説明すると止まってしまう。 それが原因で読むのを止めてしまうのは、私だって同じなのに。 それでも、いざ書くと、物語が止まって…
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