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名と役割のはざまで~覇道総裁中華財閥ロマンス~  作者: Furi0804
第1章 出会い

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第1章(19)春節の朝

### 菲菲視点/独白


―― 門が開く音を、私は一歩遅れて聞いた。

爆竹の残り香。

朝餉の湯気。

使用人たちの声が、きちんと整えられた順で流れてくる。

例年と同じはずなのに、屋敷の呼吸が違う。

中心が――静かに、定まっている。


屋敷のあるじは、使用人たちから新年の挨拶を受けていた。

その横で、にこやかに紅包を渡すのは、赤い旗袍の夫人。

人の視線が、自然に彼女へ向かう。

今までのような重苦しい空気はない。 それだけで、十分だった。

私は秘書だ。 龍騰グループの側に立ち、儀礼の内側には踏み込まない。

新年の挨拶として、あるじに必要な言葉だけを差し出す。

それが私の仕事で、それ以上でも以下でもない。 ――そう、ずっと信じてきた。


彼女の地位が上がることは、昊天さまが救われること。


その向きに、心があると、わかってしまった。

恋は、音もなく終わる。 春節の朝に、整然と。

私は背を正し、いつもの場所に立つ。

あるじは、もう迷っていない。 そして私も――迷わない。

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