夜昼
みなさん、こんばんは。
図書館の笑いの村の青の賢人こと伊藤祥子でございます。
皆さん、楽しい読書ライフを送っていますか?
私はウキウキです。
今月の無料ページをまだ残ってたよ、やったね!
無料ページというのは、図書館の中で本を選べて試しに開くページのことだ。
月額料で、何ページまで試しに読んでみて、開いてみて、などページ数が決まっている。
これでね、普通の電子書籍だと(私がやり方知らないだけかもしれないけれども)初めからしか延々読めない。
ページをめくっていくのがね、タップしてくのがすっっごいめんどくさいんだよ。
これをさぁ、始め何ページか、中を何ページか、最後何ページかとかだけ読んだりできるのがすごい楽なんだよね。
指を動かしていなくていいのが楽。
そういうの選べるのはいいんだよね。
紙の本の良さってやっぱりそっちなんだよな。
そういう自由度とか。
何かあった時、電子ってもう読めないとか、めんどくさい。
買う時も、よっぽどじゃないと電子書籍買わないし。
でもさ、リアル図書館が近くにいないのよ。
無料の方が私だっていいんだけどね。
でもまぁそうやって、手当たり次第じゃなくおすすめの本から見ていけるのがいいよね。
普通の図書館より便利な点かな?
色々試せるのはさ、これが楽しいんだな。
それからね、本を借りるのはまた別なんだ。
それもそれでいいよね。
あと電子だからさ。
勝手にレンタルしたの強制的に返されるんだよね。
「日にちオーバーしています」 「期限内に返してくださいね」とか言われないしさ。
え?何が言いたいかって?
ずーっと本読んでまーす!
ウキウキハッピーでーす!
もう(ちょーっと嫌なこともあったけれども)美味しい海鮮食べて、ゴロゴロ本読んで最高だね。
そういえば、いつの間にか賢人に昇格してたもんね。忘れてた!
アバターの本の装飾が増えてるはずだから、後で見てみよう。
好き勝手に感想書いてただけなのに、図書館の神様はちゃんと読書に迷える子羊の役にたててくれたらしい。
良い事した気分だなー!
“祥子お前いい加減にしろよ”
サチオーー!お前生きてたのか!
“生きてたのかじゃねえよ!
お前なんだから死なねえよ。
つか心の声だよ。
いい加減にしろよ、お前の内部の声だよ!
何っも散歩してねえじゃねえか!
何、貝王様にあんな大仕事させといてゴロ寝してんだよ!
どんだけ自堕落に生活してんだよ、いい加減にしろよ”
サチオ、お前な、真夜中にちょーっと寝る前に読書するくらい、一体何だって言うんだよ。
でもこれ電子書籍だけどな。
本当はスマホいじんない方がいいんだけどな。
夜中のな、読者はな、リラックスした睡眠を誘うんだぞ。
これ携帯で見てるけどな。
残念ながら。
ブルーライトカットってどうやるんだっけ?
目に悪いのはブルーライトって言うんだっけ?
画面は白いよ、別に。ブルーじゃないよ。
海上生活で、誰でも会話をしないためか脳内で一人で会話をしていたが、スマ子が喋り出すようになってしまってから、口に出してリアル会話するようになった。
そのせいかナリを潜めていた私の頭の中の声がとうとうシャウトし出した。
ただ単に私の脳内、あんまり多方面からツッコミをする余裕がなかったんだろう。
けれども会話しながら別の事とか無理。
どうせ私、単細胞です。
単純仕様です。
そんな複雑なことはできません。
1個やると別の、やりかけていたことを全部忘れちゃいます。
そういう人間です。
仕事でも昔先輩に怒られたな。
手を止めんなよ!って。
じゃあ話しかけんなよ、って思うけどな。
そんぐらい話しながらやれよ!って言われたってさ、その会話は今、必要?
つかお前の彼氏のことなんかどうでもいいしよ、っていう感じだったしね。
もうちょっとね、色々パパッとできるようになりたいね。
“ちゃんとしたいなら、やらなきゃ出来ねえよ!”
なんかサチオが第二のサチ子みたいになっている。
早知子だ。
おかんから飛んできている早知子だ。
サチオと早知子が融合してる!
私の脳内だけど。
“だいたいお前今、何時だと思ってんだよ”
何時?
何時って、……とりあえず、夜。
だって夕方に帰ってきて、とりあえずゴロンとして……今は深夜2時ぐらい?
スマホをいじっているのに、本を読んでる感覚だから全然時間見てなかった。
どうだっけ?と思って初めて、ゴロゴロしてたのを起き上がってカーテンの方を見てみた。
遮光カーテンだから昼でも割と暗いんだけど。
夜だから暗いのは当たり前だし。
ん?
なんか、色が。
カーテンの色が薄くて。
え?
まさか?
普通にカーテン開いたら晴れの昼だった。
まだ、昼?
いやいやいや、これ……
夜通し読んでたね。
認めたくないが、認めざるを得ない。
そうか、時間をスマホで見ないで起き上がったのは、ゴロゴロし疲れたのか。
ごろ寝し疲れ、って私以外に感じる人いるんだろうか?
人間、同じ姿勢をし続けるのは疲れるとはいうけれど。
海に来てからは時間見れなかったから、スマホの時間を見なくなった慣れもあるんだろうけど。
ため息つきそうになった時、コンコン、と聞こえた。
ん?
いつでも寝起きでどうもならない格好のサチ子です。
待たせるよりは、ね。
顔ぐらいは洗いたいのだか。
「はーい」
もう宅配かなんかの対応に、玄関にいくぐらい慣れた。
何故だ。
窓は明るいが、外に気味子さんもいるかもしれないので、少々覚悟する。
窓を開けると、外にはやはりリアル海洋神みたいなイカさん先生がいた。




