図書館の住人
この『図書館の住人たち』
一体どこまでAIが絡んでいるのかわからないのだが、とにかく本に関することのみ。
取り分け自分の趣味に関することのみ、と言っても過言ではない。
ごく稀に、ドラマ版の感想欄があると「え?何、管理人の趣味?」とかサイトみたいな事突っ込んでしまう。
始めのうちはちょっとめんどくさい。
やはり自分の好みに合致するものを見つけるために、自分の好きな本を選び、その感想について入力する。
嫌いな方を入力してもいいのだが、それをやる人は少ないと思う。
私は苦手を避けるためにやってるんだけどね。
なかなか、嫌なことをわざわざやる人間は少ないと思うんだ。
実際たまたま掲示板、というか某何々チャンネルみたいなやつで見つけた掲示板にもそうあった。
本当に、この『図書館の住人たち』の中の人なのかは分からないけれども、やっぱり嫌いな本は書き込んでいないという意見が複数書いてあった。
まあ、そうだよね。
私もやらなかったもん。
そして私には嬉しい、このアプリの良いところ。
『図書館の住人』達との交流は、ない!
あー、いい。
友達をいっぱい作ろう!探そう、みたいの無理。
住人情報で公開されるのは、本のアバターと村、それのみ。
おすすめだろうが何だろうが、どれだけ書き込んでもその人の功績だとは傍目にはわからない。
それを知っているのは図書館の神様だけだ。
アプリ管理会社だと思うけどね。
管理会社なのか制作会社なのか、私よくわかんないんだけどさ。
アプリとかってどういうシステムなんだろう?
まあいいや。
村、いうのはこれも一番初めに選ぶ。
後になると移動出来ない。
本の表紙の色を選んでるのと一緒だ。
でも結構これは意味がないんだ。
私は本当はミステリーが気になってこのアプリをダウンロードしたんだけれども、ミステリー村ってなるとね。
ちょっと、いや、すごく推理小説に詳しい頭の良い人みたいじゃない?
何て言うかそれはちょっと無理があると思って。
江戸川乱歩とかむしろ苦手だしね。
なんか、ビビってしまって笑いの村にしたんだ。
お笑い芸人を目指してんじゃないんだけどね。
入ってから、笑いの村の文字を見て、笑いの本って何なんだろう?って思った。
まぁ笑える方がいいけどさ。
疲れたりしたとき、ストレス溜まった時。
だいたい笑えるものばっかり求めるんだもんね。
でもそういう本って何なんだろう?
具体的に思いつかない。
私が買って読むとしたら、エッセイ漫画くらいかな。
だいたい現実が出てくるから、ちょっと物悲しくなったりもするんだけどね。
まあとにかく、住人の情報はわからないとしても、だいたい村の名前と中身が一致していないことはわかる。
大雑把に言ってしまえば、村っていうのは本棚のことなんだけれども、一応ね「この村を訪問します」っていうのはあるんだよ。
訪問したって別に情報が何も出てはいないんだけどね、大体は。
ただ、ある時からたまにおすすめが出てくるようになった。
それでこの村、選んだ村の情報を書き込まなきゃいけないという決まりが一切ない。
だから全然関係ないのだ。
ミステリーの村に行ったって別にミステリーが多いというわけではない。と思う、……いや、やっぱりかなり多かった。
ミステリ村だけは、別。
個人の情報は、プロフィールというのかな、そういうのは全然開示されないんだけれども、一応は村に尋ねていくと、村の前に案内板のようなものがあるんだ。
何々の村、何々の情報多し、みたいな。
まぁ、基本好みの本を探すのは司書カウンターだから「そうですか」で終わりなんだけど、なんか、気構えてたのが解けて安心した。
ちなみに私が登録した時は、なかったような気がするんだけども、後で海の村っていうのに気がついた。
どうしても本って言われたらね、紙のイメージしかないから。
このアプリもちろん電子アプリなんだけどね。
海って何だよ、って思った。
まあ、あるとしたら例えば白鯨とかみたいな海洋文学?みたいな?
そういう感じなのかなと思ったんだ。
ガリガリの、船乗り史、みたいな。
そんな感じね。
ところが入ってみたら、この村の情報は児童文学が多かった。
海っていうイメージだけで選んだみたいで、本当に意味はなかったみたいだ。
結局、何々村の人口が少なくても(アバター上はコーナーの本棚の本が少なくても)アプリ内の何々の情報量は多い、という珍現象が起こる。
この村選択、何の為にあるんだい?ってしばらく1人でツッコミが止まらなかったよ。
このアプリ、前にも言ったが私は有料で登録した。
私が有料アプリを自らダウンロードして使うなんて珍しい。
一歩踏み出すまでが、とてつもなく長いサチコです。
読んで嫌な思いした本、物語って何故か忘れない。
ホントに。
良かったのは忘れても、嫌なのは忘れられない。嫌なのに。
でも本読みたい。
リスクをとにかく避けたかったのだ。
それからしばらく経って、ほんの一時期だけ無料アプリとしてダウンロード可能になったんだ。
ところがすぐにそれも締め切られた。
というかもうそれ以上アプリがダウンロード出来なくなった。
そういうことってあるんだな。
で、無料のうちにダウンロードした人達っていうのが、どうもそういう自動文学系をの情報を求める人が多かったと思う。
というのも、実はこれ元々有料アプリなのだが、さらに有料のコンテンツがありまして、図書館の中に鐘がなるのだ。
私はアプリでも何でも、だいたいはサイレントモードだからね。
普通に通知が来るだけだったけどね。
その通知はとにかくアプリ内全員に届く。
それで「誰か教えてください」という形になるわけだ。
課金をした人はそうして、図書館の中に掲示板を掲げることが出来る。
一応掲示板みたいなスペースはあるんだけどね。
普段は「図書館では静かにしましょう」しか書いてない。
わざわざ鐘を鳴らし、全員に通知を行き渡らせるためにお金を払うと言っても過言ではない。
何てったってその掲示板料金、月額料より高いんだから。
それが、無料期間に住人が増えてから、以前はほっとんど鳴らなかった鐘がよく鳴ったのだ。




