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3日目

 

 はい。本日も晴天なり。

 多分。

 カーテンの隙間の光がそう言ってます。


 築40年、カーサフクダはいつも通りです(多分。寝室内見る限り)。


 イトウ家のサチコさん(年齢内緒、混乱中)は、皆々様のおかげを持ちまして二日酔いくらいまで回復しました。 パチパチ。

 エアコンこそ救世主(メシア)。人類の至宝。


 頭がズキズキします。

 が、死にそうなほどは痛くないです。

 良かった!

 どうなることかと!


 あー、熱中症でもそうだけど頭痛が激しすぎて死にそうな時あるよねー。

 頭痛は知ってるが、コレは知らないが?同じものか?みたいな。


 死の危機は去った。


 まずは水、塩分、メシ。


 腹が減っては戦(回復)は出来ぬ。

 多分。


 まずは寝室を出ましょう。

 またうっかり寝てもっと水不足になったら困ります。




 冷凍ご飯をチンして水かけてチンして、湯付けなんだか何なんだかわからないのを梅漬けで食った。

 梅漬けで殺菌してくれないかと思って。体の中を。

 効果は知らんけど。


 人心地ついた。


 田舎の親よ、あと前居にUターンの姉ちゃん。

 さちこはちゃんと生きてます。


 寝てるうちに、大海にアパートが流れ出ちゃったけど。

 それか、東京が水没してるのに熟睡してて何も気付かずに生き残ったけど。


 “何言ってるの?いい加減目覚めない”

 何か第2のサチ子出てきた。


 “このまま現実から逃げていてどうするの。後先考えないから痛い目みるんでしょう?確認が何でも大事なのよ”


 あーもーうっさい。

 こっちは完治はしてないの。頭の中でごちゃごちゃするな、辛いの。


 私は後に回せるのは後にして“今”を救うの。

 人間いつ死ぬかんかんないんだよ。

 ずっと何かやらなきゃいけない事してたら、死ぬ時

『こんな早く死ぬなら死ぬほど遊べば良かったー!』

 って後悔するでしょ?


 常に頭で考えてはいけない。感じるんだ!

 考えるな!


 鎮痛剤飲んで、はい、水飲んでー、の。


 いくぜ!


 居間(に使っているこたつテーブル置いてる部屋の、段ボールの隙間)の、

 カーテンを下ろし(カーテンつけるシャー!ってやつがなかったので、レールにただぶら下げてる)窓を開けた。

 ついでに網戸も。


 ガラッ!






 はい!

 目が合ったー!



 閉めます。

 全部閉めます。


 おかしいな。

 何で、開けたらすぐに目が合うのかな?ウチ2階だから近いと大きいものはよく見えないんだけどな?

 そこそこ遠いから、あんな巨大な目(目!)の全景(全形?)が見えるんじゃないのかな?

 海は広いな大きいからあんなピンポイントで目が合うなんて、よっぽどの関心があって試してないと出来ないんじゃないかな?

 ずうっと私(いや、きっとカーサフクダ)を見ていたのかな?


 動悸がするぜ。

 どっくどっく、するぜ。


 おかしいな!

 私が今まで触れてきた世界マンガだと

『 ずっと君を見ていた。

 “トゥンク”  顔赤くなる』

 みたいなはずなんだけど。


 顔赤いどころか、何か変な寒気するぞ?なんだか覚えがあるな。不思議だなぁ。

 ものすごく蒸し蒸しするように身体中不快感が強くて、顔にもタラリと何か垂れてるし、背中には何か冷たいものがつうぅと流れてくぞ。

 これが俗に言う脂汗?初めて知ったなぁ!

 暑いのか寒いのか自分でわからないな。

 お、おぉかしいなーー。


 背伸びして、またカーテンを引っ掻けるとか怖すぎて、カーテン放置して居間を出た。

 窓に向かって腹をぐびーんと伸ばして晒してビームとか飛んできたらどうしよう、みたいな。あの巨目から刃物飛ばせるんじゃないか、みたいな!


 とにかく怖すぎる、巨な目(仮)さん。


 とにかく居間以外のカーテンを必死に閉めて回った。


 人間、怖いと寝室に籠ってしまうのは何故だろう。


 寝室の戸を閉めてから、窓も入り口も戸締まりをもっと確認すれば良かったと思ったけど、もう遅い。

 だって怖い。戻れない。



 こうして私の海上ライフは、前々日、前日、そしてこの先も、カーテンぴっちり生活が決定したのだった。

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