表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

223/235

謎解き

 


 島に帰ってきた、と言っても全く初めての場所。

 変なものだ。


 でもここは、私の帰る場所だ。


 さて、どっちに行けばいいのか、全然わからない。

 どっちに行っても、少しは把握の役に立つ。


 どちらの方向に行こうか躊躇していたら、土偶魔王から声がかけられた。





 どっかに行って帰ってきた〜?

 呼ぶからこっちにおいでー。

 今、大丈夫ー?





 大丈夫です、お願いしまーす。





 全然、場所がわからんから。


 カーサフクダに帰りつけない可能性だってまだあるのよ。

 あれってカーサフクダと呼んでいいものか?

 もうとりあえず、私の205号室しか部屋が残ってないが。多分。


 声をかけてもらってよかった。

 安心しながら移動に身を任せる。


 向こうから呼ばれた形だから、自分はそんなに何もしなくていい。

 変に抵抗しなければいいのだ。


 要はリラックスして、マッサージを受ける体制になればいい、みたいな感じ。

 体に力が入ってると魔力がかかって、うまくいかないことがある。



 島の植生とか、そんなに変わんなかった気がするな。

 全っ然、見ても種類わかんないけど。



 つらつら考えながら、せっかく移動成功して、これから色々話そうと思ったのに。


 なぜか着いた途端。

 本当に着いた途端、周りを見ます暇もなくゾウさんが怒ったようにパォーン!と声を上げて、私に突進してきた。


 何なら相当、お怒り気味に見える。


 ていうか、本当に突進して来るから危ない!


 え?

 何?

 何?


 私は全く理由がわからず混乱していたが、土偶魔王も同じように慌てているらしい。





 ちょ、あの、後で説明するから!




 と、はじき飛ばされるような感覚で、気がついたら、私はカーサフクダの中に。

 自分の部屋の玄関にいた。



 え?


 何だったの?

 私、なんかした?

 ゾウさんに会うの、久々だけど。



 ……とりあえず、こーゆー時は貝王様とイカさん先生に相談だ!

 相談しよう、そうしよう。

 この流れは、考えるより相談すると決まっている。(サチ子の中で。早知子に怒られそう)


 今日の一日が長すぎる。

 今日はもう、絶対に頑張らない。



 と、いうことで、居間です。


 チビの貝王様とチビのイカさん先生が魔力珊瑚の前に並ぶ。

 かわいい。

 相変わらずのデフォルメ姿。

 貝王様は、デフォルメか小さいだけか、わからないけど。


 ところで。

 かわいいが、サチ子はこっちなんだけど。


 何故、並んでテレビ向いてるの?

 つけませんよ。

 物理的にリモコン触らなくても、つけることは可能そうだけど。


 まさかの島の変態?が終わっても変わらず呼び出されるという……。

 ごめんなさい。

 そこのところは、コレでも申し訳なく思ってる。



 私の命題は、本当はご飯のことだったんだけれどその時は頭になくて。

 なんせゾウさんのことがまだちょっとパニックだったから。


 ゾウさんのことをとりあえず相談したんだけれど、お二人から反応はなかった。


「それだけ言われても……」という感じだったので、そこから徐々にさかのぼって話していった。

 今日あったことを逆再生するみたいな感じに。

 気がついたらツレツレ話し続け、全部喋ってた、みたいな感じだな。


 私が話したいのか、お二人が聞きたい内容なのか、全部謎だけど。

 何が関係あるんだかわからないから。


 ところでお屋敷から追い出されたくだりで、イカさん先生が両の端の足を口元に当てているのが気になる。


 なぁに?

 その、大爆笑耐えてるみたいな感じ。


 イカって大爆笑するの?

 イカさん先生ってイカでいいの?

 いやいや。

 そこ突っ込んじゃいけない。

 永遠に謎だから。

 イカの姿で元イカ、とか言われてもツッコミが耐えられない。


 それで、どう思います?

 なんかマズイことしたかな?






 大丈夫なんじゃない?





 軽い!

 もうちょい!

 もう一声!





 まぁ様子をみてみましょう。





 え~。


 相談はあっさり終わってしまった。

 むむむ。


 このままでは帰さん。


 ぼっちマーケット、及び私の食料事情についても相談。


 貝王様としては『ある』とは断言出来ないものの、前の島と同じような気配を島の所々に感じるそうだ。

 土偶魔王の弁とも一致する。

 よかった。

 期待できそう。



 主さんのわちゃわちゃについては、私は楽しく話した。

 特にコメントはなかったが、その話でソワソワしていた。

 何故に?


 結局、たいした進歩はないまま、二人共に帰ってしまった。


 親身になって聞いてくれたというと無理があるが、上の空で全然聞いてなかった、というのも違うという、なんとも言い難い時間だった。


 なんだか、そそくさと帰ったような。


 ドラマの続きでも気になるのかな?

 何で、さぁ帰ろうという時に、二人ともテレビの方を向いてたんだ?


 あのお二人は、もう私より番組に詳しい。




 しばらくすると、土偶魔王から声をかけられた。

 放置が長いよ。


 ゾウさんが魔力をたどって来ても、途中で止められる距離だからとりあえずは大丈夫、とのこと。


 ほう。

 じゃ、大丈夫…………じゃないから!


 いつから私はゾウさんの敵になったの?!

 それ、ヤる気じゃん!

 完全にヤる気じゃん!





 ン、ンー?





 んー、じゃ、ないよ?パパ。

 どーゆーことさ。



 どうもゾウさんは、魔力にすっかり慣れてしまったそうだ。

 そりゃね。


 んで、せっかくの新天地でテンションマックスの時に、私がワタクシ魔王の魔力を帯びてやって来た。


 魔王の新しい土地に、別の魔王の気配……。


 侵略に来たと勘違いらしい。



 ……。

 …………。

 って、……それ、さ。


 ……私のこと、忘れたんじゃないの?






 いや〜、大丈夫じゃない?





 シドロモドロですな、パパ?

 魔力、乱れてんぞ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ