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「その錯乱ぶりの話を聞いて、誰が欲しいと言うと思うんだ?」


 ええ、そうね。

 おっしゃる通りです。



 時刻は夕方。

 なかなか待たされたが、どうも『急がなくていいぞ~』っていうのから、かなりの時間を空ける必要がある、と準備してくれたようだ。

 何故『急がなくていい』と言ったから、時間を『ちょっと』じゃなくて『たっぷり』とるのか、わからん。


 待たされた後、休憩中なのかな~と思っていたんだが、休憩とお茶と夕飯みたいなのが全部一緒くたになった。


 部屋を用意してもらって、ご飯を用意してもらったようだった。


 わざわざこんなにしてくれなくても、と思ったが、出されてついつい疑問を押しやってご飯を食べてしまった私。


 なんか、ごめんね。


 おやつだと思っていたら、なかなかお腹いっぱいになったよ。

 結構食べたよ?

 あれ?まだくるの?けっこう食べたよ?と不思議に思いながら、美味しいのでついつい食べてしまって。

 

 今は食後のお茶を飲んでいるところだ。


 戻ったと言うべきか。

 はじめはお茶だった。

 そこから始まり、軽食や甘いものなどを盛ったお盆がどんどん来た。

 ほうほう。

 アフタヌーンティーみたいな感じなのかなと思っていたんだ。


 わー!とテンション上がった。

 お茶を飲んでお菓子食べて。

 食べ物の種類がいっぱいあるから。

 そーゆー形式のお茶なのかと思っていた。

 そしたら肉料理みたいなのもきて。

 こっちは何て言うか、ステーキみたいな感じじゃなく、もっと繊細そうな料理だった。

 早い話が、盛り付けも美しかった。

 それだけでなく、その後スープなんかも後で熱々が来た。

 わーい。


 お茶の温度があまり下がらないから、そこまで甘いもの食べ続けてもお腹冷えないけど、温かく塩気のあるものはやっぱり嬉しい。

 甘い、しょっぱいのスパイラル。


 ちなみにお茶も2種類ある。

 すごいな。

 熱いのと、ちょっとぬるいやつ。

 味も違うけど、どちらもおいしいし飲みやすい。


 ホントに楽しかったが、相手は残念ながら白服である。

 そこはしょうがない。

 白服だから、多分こんな豪華なご飯が食べれるんだ。


 主さんに用事があるって、今日ほ言ってないからね。

 主さんの客じゃないもんな。


 そういえば、それなのにこんな客間に通されていいのかな?


 なぜ?

 こんなにしてくれなくても良かったのに、みたいなのをうまく言えずになんとか口にしてみたが、どうもちゃんと意味が伝わったらしい。



「どうせ大したようじゃない、という風に、こっちは待っても構わないとお前が言う時は、だいたい長くなる。」


 ほうほう。

 そういう理解なんですか。

 

 っていうか、そうなんですか?

 そうかもな。


 大した用じゃないからっていうのに来てるのって、私の愚痴が入ってんだもんな。

 多分合ってるよ。

 ごめんよ。


 結局、土偶魔王の言い分なども含めて、私は今日のことを愚痴りに愚痴った。


 こんなんだったんだよ~。

 大変だったんだよー!という風に、微に入り細を穿ち言う。

 途中、もしかしたら盛ってるかもしれない。



 私はどっちかって言うと、前はイカさん先生のことなど高位魔力持ちのことについて、あんまり言わなかった気がする。

 難しいが、なんとか避けて話していた。多分。

 話せてなかったかもだけど。

 心情の上では、避けてた。


 レベルが高い魔力持ちのことが知れてしまうと、もしかしたら弱点とかが私には気づかないうちに向こうはわかってるかもしれないからね。

 ここは港町のようなので、船は大事だ。


 イカさん先生みたいな海洋生物の魔力持ちに襲われると大変だから、もしかしたら何十年前のことだって、万が一倒した時の弱点について、言い伝えられたりしているだろう。

 どれだけ話が歪曲されているかはともかくとして。



 だから黙っていたんだが、最近愚痴りに来たりしているので、もう全部そういうのがごちゃまぜになってしまった。

 まあ、そもそもイカさん先生は、完全にこの人たちの前には姿を現してはいるけどね。


 今更だけど、船を揺らしにに遊びに行ったの、カコドの船じゃないよね?

 沈没させたりしてないよね?

 聞いてきた方が良かっただろうか?

 いや、知らないままがいい。

 念のためにもね。



 ほぼ、そういうわけして一人で永遠しゃべり続けてた。

 白服は全然口を挟まずにじっと聞いていた。


 喋りつくして、ようやくついでのように「そういうわけであの野菜、魔力持ちが食べないと危ないみたいなんだけどいる?」と言ってみたのだ。


 こういっちゃなんだが、新鮮な野菜ばっかり並んでいるスーパーを見慣れている私から見ても、柔らかく 青々と美味しそうな野菜たちだ。

 初めて見た時から全く変わらないけども。

 新鮮って、なんだろう?


 ビタミンC摂取するのは大変なんじゃないの?

 こういう乾燥した街だと。


 偏見か?

 偏見だよな。

 何がなるのか全然わかんないもんな。

 あの果物とかも、結構あったもんな。

 給食会みたいな時に。

 あの給食スタイル、まだやってんのかな。

 怖くて聞けないな。



 一応、欲しいって言うかわからないけど言ってみたが。

 ズバッと。

 もう『お前頭おかしいんじゃないか?』くらいの当たり前さで、断られた。


 錯乱っぷり、って。

 錯乱ってそんな……錯乱か。


 錯乱したのはどっちかって言うと、食べてない土偶魔王なんだけどね。

 食べんのか?あれ。

 いや、食べないよね。

 食品供えてみて、栄養吸収できるかとかって何かやって遊んでたもんね。

 あん時はダメだった。


 いや、待てよ?

 あの魔力野菜だったらいけるんじゃないの?


 今言ったって、まだ「要るか!」って怒りそうだね。


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