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邪魔

 

 解決するどころか、色々と斜めの方向に行ってしまった。


 これは困ったもんだ。

 どうしよう。

 問題が大きすぎである。

 


 今からでも、マナが少ないあの砂漠に戻した方がいいんだろうか?


 逆に完全に問題が大きくなってしまったから、もう手に負えない。


 大人しく、日中は保育園に送り出すのが如く砂漠に戻しといた方が良かったかもしれない。

 どうしたもんか。

 いや『どうしたもんか』 って、もうなかった事にはならないだろうけど。


 でもあの水辺に戻すと、水があるのはいいんだけれども、ぼっちマーケットから持ってって変化してしまった怪しい植物を、ゾウさんは食べずにいられるのか?

 ワタクシ魔王はそんなゾウさんを監視し、止めてくれるか?

 そこを考えると、彼女にはそんな義理も義務もない。



 もしかしたら、どっちでも変わらなかったかもしれない。

 それは放り投げすぎた言い方か。

 でもね、そうは思うじゃない?


 それは私が部屋に戻ってきて落ち着いたから、ようやく考えないとこだ。


 結局あの状況はどうにもならなかったので、

「ちょっと体調が悪くなってきたのでー、私は帰りますね!」と言って帰ってきた。

 早い話が逃げてきた。



 しかし逃げては来たものの、(くだん)の畑はこの下だ

 105だ。

 私の部屋は205だ。

 あの、真上。

 落ち着かない。



 こんなに空室ばっかりなのに、私は何してるんだ?

 でも、元々は他の人の部屋だった部屋に入り込むのも結構度胸がいるんだ。

 もっと早くから、広々と使っていたら話が別だったかもしれないけど。

 気分的にね。

 どうしよう。

 落ち着かない~。

 そわそわする。



 どうしようかと思って、魔力珊瑚に向かう。


 貝王様にさっきの件の報告を一応しようかと思う。


 お暇伺いしたらOKが出たので話しかけてみたが、

『それはもう彼から聞いています。

 というか、見ています。

 今日はお客様は関わらなくて大丈夫ですよ。

 どんな風に変化するか、今はまだ分かりませんから』

 と言われた。



 ……。

 うん。

 やることがなくなった。

 やることがあると思わないけど。


 やることがあるとしたら

「それ本当に大丈夫なのー!?」って今度こそ突っ込むところだけれども。

 いや、土偶魔王にも突っ込んだけど。

 今度は声に張りを入れて頑張ろう。

 疑問系のように言ったらいけなかったんだ。

 多分。



 あんまりにも落ち着かないので、というよりもこの部屋にいるのがなんとなく嫌なので、お屋敷に尋ねることにした。


 そういえば白服にも言わないとだねー。


 あの野菜、白服に持ってってみようかな?

 食べるかな。

 もうすでに魔力待ちだったら大丈夫なんじゃない?

 魔力持ちに変化する必要がないんだから。

 

 それは貝王様に相談しないとだめだろうか?

 あれ?さっきの『何もしなくて良い』的なお言葉はゾウさんに対して行動を起こな、の話だよね?

 黙ってろみたいな感じのことを言われたよね?

 でもそれはゾウさんに関わるな、ってことだよね。

 多分。

 いや、わかんないか。

 どうしよう。

 ホントに、そこまで『即刻あの畑を消し去りたい』ってほどでもないが。

 思い付いたら試しに聞きたい。

 善は急げ。



 まあとにかく、こっちで解決しようと思ったらできなかったからどうしよう?っていう話だけでもしとこうか。

 いや、愚痴に行きたいのか、よくわかんないけど。


 とにかくこの部屋は嫌だ。



 島の探索でもしたら気が紛れるのかもしれないけれど、ぼっちマーケットより向こうは忌海子(きみこ)さんが島を2つに分けてしまったせいで、どうしてもあの土偶魔王の場所を通らなくてはならないのだ。


 絶賛、問題中。


 これはやはり退却のままで。

 うん。



 お屋敷に行こう。

 手慰みに、手で持てるサイズの小さなぬいぐるみも持ってって気を落ち着かせる。

 丸っこくてちっちゃいものは可愛い。


 スマ子はなんとなく不満そうな波動を出したが、お前可愛らしい分類な存在じゃないしな。

 手でいっぱい触ってるけど。

 むしろ手離せないけど、持ってると疲れる。

 いろんな意味で。


 子猫の動画とか見ている時に「私の方が可愛い~」とか突然コメントが出てくるの、やめてほしい。

 はじめのうち、何のことかわかんなかったよ。

 こいつの自己主張の激しさよ。

「アンタだって落ち着かずに落とされたくないだろう?」と言ったら一発で黙った。

 黙ったというか声に出してなかったけど、わずらわしい感情の訴え方はピタリと止まった。



 勝手知ったルじゃないが、お屋敷に移動しお暇伺いをして、動画で音楽をかけながら椅子に座り持ってきた本を開く。

 読書したりぬいぐるみを握ったりして、白服を持つ。


 私が今日、落ち着きがないから長く感じるのかわからないが、そこそこ待った。


『無理はするな』と、付け加えたせいかもしれない。


 だって今日は別にね、恩を売れるような話じゃない、っていうか私の愚痴っていうだけだからね。

 要は仕事中ダベリに来てるだけだからね。


 ちょっとは下手に出てみましたよ。


 どっちにしろ白服にとっては、問題ばっかりだろうけどね。

 ごめんよ。

 


 もしかしたら魔力珊瑚を通して、電話できるのかな~って思ったんだけれど。

 でも、それでいつでも利用されるようになったら、嫌だなと思って試していない。

 それを話してもいない。

 向こうも試してこない。


 あれはね、貝王様だからできるんですよ、みたいなスタンスでいる。


 私の頭の中を、向こうがどれだけ読んでいるのかわからないけれど。


 でもあんまりツーカーの仲だと思われるのも、白服だって嫌だろう。

 いろんな意味で。


 人間側で生きていくんだから 。こいつは。


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