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謝罪

 

 貝王様に、土偶魔王のところへ行けるか聞くと、もう大丈夫だと言われる。


 良かった。

 壁抜けたらまた具合悪くなる、ってゆーんなら近寄れないから。

 直接、抗議したいのだ。



 おうおうおうおう!

 どーしてくれるんでぃ!


 ご飯を食べて、怒りはわりとおさまっていたが、文句を言うためだけに向かった。


 土偶魔王の近くでは、ゾウさんが川に足先をつけてみたり、ビビって引いて遊んでいる。

 緊張してる風だが、多分遊びだ。

 私が来たのに気づいているかは謎だが、後で『ねーねー、こわいよねー?』という感じに話しかけてくるかもしれない。

 マイペースなのに、甘える時には躊躇ない子だ。





 おはよー!ごめーーん!





 一方、土偶魔王はさっそく、声をかけてきた。


 そんなライトな謝りかたがあるか。

 まぁ、悪気はなかったと思うから許す。


「気持ち悪かったです。」


 でも文句は出ちゃう。

 またやる時は、事前に言ってね。


 あの吐き気だと、1人で嘔吐して窒息して死んでても嫌だから。

 魔力に異変が出たら、貝王様が魔力珊瑚で感知してくれるかもだけど、忙しい方だから。

 一人暮らしに絶対安全はないの。

 眠るように死ねるのはむしろ、デ〇ノートにそう書かれた時ぐらいだからね。





 ごめ~ん。

 早くこの辺知っておこうと思ってさー。





 魔力持ちでも、人によって、具合が悪くなる相性があるんだって。

 魔力の性質の違いで魔力が、交流してしまうと制御を奪われたりとか。

 魔力はもとより、単純に、体質としかわかっていないものも。

 車酔いみたいに、あの瞬間移動が駄目な人もいれば、魔力会話が駄目、って人もいるんだそうだ。


 人って私は言ったが、土偶魔王は人の話はしていない。

 人以外の魔力持ちの事だ。


 魔力会話なんて、言語が異なっても、それこそ違う生物でコミュニケーション自体が違っても伝わるんだから、こんなに便利なものはないと思うんだけど。

 それで体調崩す魔力持ちもいるのか。


 多分、魔力持ち個人の体質と魔力の質や量が絡み合った原因なのだろうが、詳しくわからないそう。

 だから、ひっくるめて体質、と。


 魔王でも、この体質の違いで、コミュニケーション全拒否って方もいるんだって。

 問題なくても全拒否系の孤独を愛する魔王もいるようだが。

 魔王は千差万別で、縛りもないし連帯感もない。


 詳しく調べるにも、陸には魔王以外にそれなりの魔力持ちもいない、という場所もそこそこあるようで、今後もしばらくは謎だろう。


 ちなみに土偶魔王も、大きな距離の移動をしたことがなかったから、いきなり体調にガクンときたら嫌だなあ~と思ってビビってたんだって。

 そんな理由で抵抗してたのか。

 大変だったんだ、そこの野郎。

 さすがに魔王に抵抗される、圧力というか、あれはキツかった。


 ってゆーか、そもそもさ。

 こんな近くにゾウさんいて、そんなバンバン魔力浴びせて大丈夫なの?

 そこんところ、何にも考えなかったの?

 え?

 大丈夫?

 え、あ、はい。

 元気に遊んでますね。


 え?

 遠い私のほうがのぼせると思わなかった?

 のぼせなの?あれ。


 魔力持ちじゃないゾウさんのほうが、体が大きいのが関係しているのか何なのか謎だがピンピンしている。


 対する私。

 魔力持ちなのに、遠くで倒れる……。


 い、イヤな体質!

 ちっくしょう~(ほろり涙)



 本日は平和にこの辺を知ることに勤めるそうです。

 そうですか。


「ゾウさんを普段どうするか、決めました?」


 しばらくは、行き来だそうだ。

 というより、未定だったそうだ。


 ま、この土地を知らないからね。

 異世界の植物だし。

 いや、正確には異世界の物じゃなくこの世界の植物なんだけど、異世界の自然のイメージからうまれた島だから、何があるかわからないから。

 長いな。

 それってやっぱり、もともとは異世界のもの?

 でも異世界転移してきたのはカーサフクダだけだし。

 この林部分も一応転移なのかなー?

 魔王が産み出したものだと思ってたけど。


 後からまた、向こうからやってきて、グシャッ!とかされたらどうしよう?

 その辺は、海のお詫びチームも、ずーっとお詫び考え続けて世話するわけにもいかないし、多分、大丈夫たよね?

 この島はカーサフクダ含め、もうこっちの世界のものになってるけど。



「ちょっと預かってもらうかもしれないから、白服のところに行きます。」


 一応、そーゆー事もあるかも、でいいんですよね?






 見てもらう方が安全ではあるけどさ~。





 煮え切らないな。

 どっち?

 後から、ホントは……とか、やめてよ?

 私は手間が増えるだけなんだから、行かなくても全然いいんだから。

 はっきりして。


 ということで『もしかしたら預かってもらうかもよ?』と言いに行くことにした。

  念のため。


 今日は土偶魔王のところに行ってから、予定を決めるつもりだった。

 カーサフクダの自分の部屋に戻って、ちょっと休んでからにする。


 え?違うよ。

 おやつが食べたかったからじゃないよ。

 また倒れても困るからね。

 ちゃんと休まないと。


 あと具合が悪くなった事にやっぱり怒ってたので、何にも出かける準備をしてこなかったんだ。


 あ~。

 まずは水分補給。

 お茶いれて~。

 寒いからね。

 パーカーで外を歩けるくらいだけど。

 カコドの気温が高いけど、ここももしかしたら憧れの南の島か?

 南の島の冬って、こんな感じ?

 サンタがサーフィンで現れるんじゃないんだね。

 南がどっち方向かもわかんないけど。


 あ、ちょっとクッキー食べちゃおう。

 どうせまた待つからね~。

 そろそろお昼だし~。

 朝ごはん遅かったから、我慢できる。


 お昼ご飯は後でね。

 だから、ちょっとだけ。


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