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生活

 

 土偶魔王はワタクシ魔王に、あの岩場を引き渡して こっちに来たらしい。


  もともと、あんまり土地の境目というのは厳密じゃないみたいだから、こういうの、引っ越しとかも大丈夫みたい。魔王談。


 ってゆーか、私が言うのもなんだが、引っ越し感覚でいいんだね。

 なんか、その土地のマナが減るからタブーみたいな、そんなイメージでいた。


 貝王様は、意識して駄目だと自分を律してるけど。

 知識大好きだから、ホントは色々世界中回りたいんだろう。

 あの人現代日本人でゆーと、遊びも仕事もスケジュールきつきつで、移動中とかも絶対本読むタイプだろうな。


 駄目だとして、何か、天変地異とか起きるのかな?


 まぁ、魔王同士が近かったくらいだから、今回については問題ないんだろうな、と私も思う。


 どちらにせよ、魔王を裁くような上位の生物はいないけど。

 ふざけ半分で『アナタは~神を~信じますか~』と貝王様に聞いたら、なんか高度なことを言われてお茶を濁された。

 むしろ気になる。

 私の予想では、大概何と答えられても(難しい事わからないから)そーなんだー、で済むと思ってたから。



 土偶魔王が、ずっと愚痴る。


 移動する前に、散々に昨日の私のことを蒸し返されてグチグチ言われたそうだ。

 それに時間がかかったって。

 でも移動した後、岩場のこと自体は、特に何とも言ってなかったようだ。


 良かった、良かった。





 良くないよ!





 はーい、ごめんなさーい。





 行かなくて良かった。


 あの、花園というには奇っ怪な場所で本当にいいんだ。

 ワタクシ様の乙女心は理解できん。



 じゃあ帰れるかな~。

 白服のとこに、念のため言いに行こうかと思ってたけど、待ち時間で疲れちゃった。


 どっちから帰るんだ?と見回したら、イカさん先生と忌深子(きみこ)さんが水上に体を見せてこちらを向いていた。

 おとなしい毅身子(きみこ)さんとか、レア。

 最近は貝パール効果でわりとおとなしかったけど。

 今日もある?

 黒いやつだったから、汚黒髪で見えない。


 イカさん先生の目が、相変わらずキョロンとまん丸。


 どうしました?





 遊び?が出来なくて、怒り出したから。

 そんなにアレがやりたかったの?





 と、イカさん先生。


「え?違いますよ?」


 あんなのを、イカさん先生でも毅見子(きみこ)さんとでもやったら、一方的過ぎる相撲にしかならない。


「違います。」


 ちょっと格差について、嘆いていただけです。



 正直に話したものの、イカさん先生の納得は得られなかった。

 何故だ。




 挨拶して、もう帰ることにした。


 歩き出してから、そういえば今日は結局、ゾウさんに会ってないことに気付く。

 あら?

 土偶魔王が迎えにいくのかな?


 なんか、幼稚園のお迎えみたい。

 そーゆー生活にする?

 寝るのに適した場所だけなら、多分すぐ用意出来るんじゃない?

 散歩兼ご飯は、準備が整うまで、向こうでいいかも。


 なんだ。

 焦らなくても道はあったのか。


 あー、まずは少し安心。



 カーサフクダに帰ろうと思い浮かべて歩くと、頭の中でマップが出てきて、青い線が伸びている。

 歩くたびに、少しずつ線が縮む。

 ルートらしい。

 ほうほう。

 適当に歩き出したのに。

 こっちでいいようだ。


 あと、視界の右上辺りに、なんか矢印を感じる。

 目では見ていない。

 青い矢印だ。


 変なの。

 見えてはいないのに。


 ルートの線と同じもの。

 なんとなく自分でそうわかっているから、矢印だと認識してしまうのかな?

 マップでルートが表示されると、矢印が出てくるものだ、という私の認識で、こういう表示になってるんだと思う。


 感覚だけなので、魔力ってホントにわからない。

 陸にホントに、まっとうな魔法使いっているの?

 ちゃんと系統立てて魔法の教育が受けられるんだろうか。


 なんだっけ?

 猿でもできる昇給魔法?

 だっけ?


 もしそんな本が実在するなら、ちゃんとマンガや小説みたいな魔法使いがいるのかも。

 近寄る気がないから、永遠の謎かもしれないけど。


 近寄ると、魔力持ちってわかっちゃうからな。


 今後は土偶魔王に、聞きやすくなるな。


 貝王様をいちいち呼び出すの、申し訳ないんだよな。


 美味しいくて、ぼっちマーケットで食べられないような肉料理を持ってくるなら、カコドの野良魔力持ちも講義に参加することを許す。

 でも、いちいち船で来るなよ。

 お前、瞬間移動できるだろ?

 私は陸から試さないけどな。

 海にドボンやだ。



 カーサフクダまでのルート上に、ぼっちマーケットがあった。

 お腹すいたな~と感じるので、結局よってご飯を持って帰る。


 家について時間を見ると、昼からちょっと過ぎてるかもしれないけど正午じゃないというだけで、十分に昼ご飯の時間だ。

 ほうほう。

 まともな人のご飯の時間だな。


 テレビの録画のヒーリングミュージックを見ながら、ご飯を食べる。


 東京にいた頃だったら、結構そういう合間でも携帯をいじったりしていたんだけれど、スマ子はいつ話し出したり自己主張するかわからないので、あんまりいじらなくなった。


 寝起きにスマ子になんやかんや言われると、かなり目覚めが悪い。


 そういうわけで、私は仕事など何の規制もなくなったら、どんどん生活リズムが崩れる人間だと思っていたが、意外にも朝ちゃんと起きるようになっていた。


 起きて布団の中で、枕元の携帯いじり始めたって、

スマ子といちいちイライラするような時間を過ごすだけだから。

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