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遊び

 

 土偶魔王は、ゾウさんも連れてくるつもりなのだ。


 なるべくゾウさんに合わせるつもりだけど、気候がどの程度合うか合わないか、わからない。


 そこはやっぱり魔王でも、全部整えられないらしい。


 マナはどれだけあっても害にならないのに、魔力は毒にも薬にもなる。

 魔王はマナのカタマリ(固まり?塊?)なのに、マナだけで事象に干渉出来ない不思議。

 ワタクシ魔王の花の問題も、そこが原因だよね。


 前に貝王様と話した万能薬じゃないけど、世の中って都合がいいばかりのこと、ないんだな。



 ぼっちマーケットから花を持っていった時もそうだったけど、まずはゾウさんが口に出来る植物かそうでないか、慎重にならないと。


 主にそこに、土偶魔王と調整が必要だと思ってる。

 この島にあるのは、元は異世界の植物だし。

 こっちの世界のと、似てても異なるものかもしれないから。

 島に来て何でも口にしないように、安全な植物を土偶魔王が自分のすぐに管理出来る範囲に生やしておかないといけない。


 それに、いつまでも監視しておくわけにもいかないだろうし。

 今までは、基本的に土偶魔王の影響下の土地で散歩してたから、心配いらなかったんだろうけど。

 まぁ基本的に、というだけで、ワタクシ魔王の土地にまで足を伸ばしても大丈夫だったみたいだけどね。



 ホントは、ゾウさんはあっちに居るままのほうがリスクが低いと思う。


 でも土偶魔王は、そこまでバッサリ思いきれないようだし、今までかなり近くにいても、ゾウさんは魔力の影響を受けていない。

 だから移動してきて様子をみて、体調に変化が出そうなら、すぐに帰してあげられるのだ。

 試しても大丈夫だろう。


 こっちの世界には、クレームの電話をしてくる動物愛護団体もないだろうし。

 むしろスマ子にそんな電話の着信きたら、私は恐怖で二度と陸にいけなくなるかもしれない。


 でもゾウさんが、この島でも、土偶魔王のいなくなったあの砂漠でも、そのどちらでも健やかに過ごせそうにないなら、白服にお願いしようと思う。

『調停者』とか、魔王も知らない謎言葉で呼ぶくらいなんだから、大事に世話しなさい。

 男嫌いみたいだから、近寄り過ぎずに丁重に接しなさい。

 無理か。


 そこがなー。

 人類男子はイヤならしいが、海性生物魔力持ちは、どれくらい大丈夫だろうか。


 知らない島で歩き回る時、落ちたりしないか心配なんだけど。

 イカさん先生とかも、駄目近寄んないで、だったらどうしよう?

 どっかにはまっちゃったりしても、海の近くならイカさん先生が物理的に引っ張りあげたりできるんだろうけど。

 安全管理が全部、魔力頼りになるのは避けたほうがいいと思う。


 この島は魔力とマナで出来ているので、この島の生き物も、魔力に関係している可能性が高いのだ。

 魔力持ち、という程でなくても、魔力で変質している生き物の集合体、というか。

 蚊もそうだったけど、あまり普通のものじゃない、と考えておかなきゃいけない。


 そういえば、ゾウさんについては白服に話してなかったな。

『そうなるかもしれないから、念のためよろしく』と言っておきたいが、今日はまだちょっとダメだ。


 ワタクシ魔王に『はーい水辺でーす、花咲いてまーす!』と引き渡しても『なんじゃこりゃー、ワタクシ埋まるどころか沈むじゃないかコンチキショー』と揉められたら、本日はとりあえず終了なのだ。


 一応、貝王様にきいてもみたが、ワタクシ魔王に引き渡し終了して土偶魔王が帰ってくるまで待とう、ということになった。

 どうなるのか、まだ全然だからね。




 スマ子を家に置いてきたので、暇だ。


 スマ子は勝手に判断したり喋りだしたりするから、移動が失敗する確率が上がるかと考えて。



 暑くも寒くもない天気、気温なのが救いだ。

 風も穏やかで気持ちいい。

 こーゆーのを、小春日和というのだろうか。


 東京なら公園やマンションの植木もいつもきれいに整えられているし、真冬でもどこかで花を見かけていた。

 こんなに気候がよいのに、どこにも花が咲いていなくて、なんとなく不思議だ。

 自然のまま、というのは、こーゆー事かもしれない。


 カーサフクダの異世界転移すら1人の魔王の行動の余波なのに、複数の魔王が関わって爆誕させた島が、自然のままかと問われると謎だが。



 やることないな~、手持ちぶさただなー。


 ボケーと、見回すと、水中に戻ったかと思ってたイカさん先生の足が、また見えていた。

 汚黒髪と白い足が、ついて離れて、高速で動いている。


 ケンカ?

 遊び?


 あれから、ずーっとやってたんだろうか?

 両方ともピトピトと音がしそうなのに、少し離れているとはいえ、音が響いてこなくて、なんか凄い。


 なんだっけ、あれ。


 せっせっせーの、よいよいよい?


 その先が思い出せない。

 アルプス一万尺はそれに続くんだったっけ?


 まずい。


 携帯ばかりいじるようになって、字も書けなくなってきたが、小学校で習ったことも覚えてなければ、遊んだことも覚えてない。


 つまりそれ、何も記憶ないじゃん。

 ヤバいよー。


 私、もう自転車も乗れないかも。


 もう一生、乗るどころか触らないかもしれないけど。


 暇潰しの、のんびりが吹っ飛んだ。



 ここ、医者もいないのに、老化がすでに始まっている。

すいません。

5.6日が出来なかったので今行きます。

今後も遅れるかもしれませんが。


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