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ゆる会議

 

 今日は疲れたな。

 特に用事をこなしたわけじゃないんだけど。

 すぐ起きたってことは、白服より魔力は消費してないと思うんだけど。

 新幹線乗ってただけで、疲れたりお腹へったりするみたいな感じかな?



 ウチに帰ったら島はもう暗かった。

 でも空はまだ赤く、というか濃いピンクでキレイだ。

 海にも色がうつっている。


 海側、寝室の窓を開けても、今のところまだ虫はこない。

 蚊とかってどれくらいでエサがどこにあるか、学習するんだろう?


 今はまだ、網戸を開けても平和だ。

 今日は比較的風も弱い。

 キレイだな〜。

 でもちょっと寒い。

 いや、どんどん寒くなってきた。


 諦めて窓を閉める。

 そろそろ行かなきゃな、と居間に向かう。


 途中、スマ子の声がする。


「私は離れ小島に一人〜、置いていかれる〜」


 それ何の歌?


 あのアホは、玄関じゃなく靴を履いたまま台所に移動したので、定位置の充電器じゃなく冷蔵庫の上に置いた。

 かまっちゃダメだ。



「貝王様、イカさん先生」


 ウチだけど、一応声をかけてふすまを開ける。

 いや、ただの引き戸かな?

 ふすまと引き戸の違いとか区別って、どこでするの?

 誰にも重要なことでもないけど。


 開きづらいな。

 はじめからここだけ、戸がつっかえる。

 後で携帯で検索して、何か対策しようと思ってたのに、ずっと何もしてない。

 異世界来る前も、来てからも、ぼっちマーケット出来てからも。


 後からとデキるサチコは見たことがない。





 お疲れ様でした。




 小さいイカさん先生と貝王様が、コタツテーブルの上に浮いて、待っていてくれた。

 あら。

 お待たせしてすみません。


 イカさん先生は、足フリフリつき。

 ありがとうございます。


 この安心感。

 あの浮かれポンチの土偶魔王には明日、文句を言おう。

 寝たの私だけど。



 緊急に、ってほどでもないが、頼ったので報告。

 あれ以上詳しく知らないけど。


 お二人によると、確かに水の上に立つ、というのは難しい魔法でもないから、あっちの魔王も助けてくれる気だっただろう、ということだ。

 私がその時力尽きたのは、緊張してたからじゃないか、と。

 うん、多分。


 貝王様が、白服のことも魔力珊瑚から様子を見ておくから、と仰る。

 向こうで魔力を吸わないように、こちらから魔力珊瑚に魔力を流すから大丈夫、と。

 その間、ピッピッと端の足でテレビをさすイカさん先生。

 テレビつけて、なのか。

 テレビを中継して魔力珊瑚に魔力を流すから大丈夫ですよ~、なのか。


 ……多分、コレ使います、の方なんだろう。


 映像を出す、見るために、魔力の通りがよく、既に繋がっている物。そのための機能がある物。

 だからテレビ見てるからね、また来るね、と。


 はい。

 わかりました。



 あいつは魔力で移動できるようになったらしいんですけども、この島に勝手に来たりしないんでしょうか?とか。

 なんかもうご飯を食べながら、雑談みたいな感じになった。

 そこまで重要じゃないけどね。


 その場合でも、移動で壁に弾かれたりするんだそうだ。

 ほうほう。

 そういえば、小舟の上で吹っ飛んでたね。

 そうなったらどうなるんですか?

 と言ったら、本人が危険だと思って引き返そうと意識すると、結局移動が中断されて、元の場所にいることもあるし、単純に島に入れなくて 弾かれて海に漂う羽目になるかも、だそうだ。


 それはそれで、ちょっと面白い。

 どうなるんだろう?



 そんなこんなで、特に何もしてないのに長かった一日が終わる。

 おやすみなさい。

 一回寝たから、寝付けないかと思ったけど、すぐに寝た。



 あけて翌日。

 とりあえず、あのサボテン魔王のところは水辺なので、すぐ近く岩の前まで、ということでスマ子に言ってそちらに移動する。


 主さんの屋敷には寄らない。

 白服は、貝王様とイカさん先生が見てるくらいなんだから大丈夫だろうし。

 常に監視してるわけじゃないけど。

 昨日の今日ですぐ行くのも、どうなんだかわかんないしね。

 問題を後々まで持ち越す人なのか、どうなのかわかんないけどさ。


 そういうわけで、あの大岩の前に到着したのだが。

 前は砂漠の中に、この岩だけ突如出現したように見えたが、他にも一応ゴツゴツと大岩があるようだった。

 岩と砂漠地帯か。


 風からは逃げられないって言ってたけど、この大岩で風が強まったり弱まったりするんだろうか?ビル風的な。

 ま、いいかと切れ目から入っていく。


  こっちはまだ水がないんだな。

 でもパッと拓けた途端に、突然鬱蒼と緑と水に覆われている。

 全部地面が水になってるわけじゃないんだけどね。

 ここから、壁か何かで水を押しとどめてるみたいな感じだ。

 きっかけは私が雨を降らせたことだったかもしれないけど、魔王にとっては自分の水の領域だから、保ちたいのかもしれない。

 このくらいだったら壁に囲まれてるんだし、生態系はどうってことには変わらないんだろうけども。

 いや、どうなんだろう?

 この辺でも鳥が飛んでくるんだったら、どんどん変わってくんだろうか?

 ここから生き物が出てったら別でもね。

 こないだっていうかもう、立つ練習をしてたのは昨日なんだけれど。


 記憶が遠くなってきた。


 何やら足元でこう、花がね。

 人食い花みたいに意思を持ってるように見えたんだけどね。

 気のせいかな?

 気のせいだといいな。

 ここに来るの怖いな。 

 あれ本当に、私が植えた可愛い花かな?

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