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迷宮?

 

 白服がピタッと止まった。

 止まったまま黙った。

 どうしたんでい?


 ちょっと待っても、全然起動してくれない。


「どうした?おーい?」


 声に出してみたが、反応しない。


 止まりすぎじゃね?

 どうした?

 その話題には触れて欲しくなかったのか?

 感極まってたから、この間は大丈夫だったのか?


 こないだ、つーか一昨日(おととい)だよ、まだ。

 あれ?

 一昨日(おととい)

 一昨々日(さきおととい)


 ま、いいや。


「おーい」


 そろそろ喋ってくれー。

 ホラーか?

 実は停止ボタン押された世界なのか?

 ストーリーテイラーはグラサンか?


「おーい、どーした?姉ちゃんに会いたいのか?主さんから浮気しちゃダメだぞ~?」


「実家に帰らせていただきます。」


「今、会いに行ったらダメだぞ~」


「次にボタンを押されるのは貴方(あなた)かもしれません。」


「蝋で固めた鳥の羽で飛び立っちゃダメだぞ~」


「ここ、四階建てならギリギリ迷宮入扱いできますかね?」


「スマ子お前、合いの手下手だと思ってたけど、そういうこと言うなよ。(面白そうだから)話が脱線するじゃないか!」


ご主人(マスター)だって何度も来てるのに、全っ然、館内を把握してないじゃないですか?!」


「だって、って言ってる時点でお前もわかってないだろうが。昨日……じゃないや一昨日、何してたんだよ、館内中持ち歩かれてたのに。」


「それはー」


「うるさい、いい加減にしろ。」


 怒られた。

 ひどい。

 お前が黙ったんじゃないか。



「迷宮というのは伝説上のものかと思っていました。実在するのですか?」


 にこやかに主さん登場。

 あらあら、来ちゃった。


 昨日スマ子が寄っちゃったから、そんなつもりじゃなかったんですアピールのために来たのに、なんかただの訪問に。

 もう、白服がフリーズするから。


「こんにちは。

 私が知ってるのもただの伝説ですよ。

 元になった遺跡はありますけど。」


 あれ?

 クノッソス宮殿が元になってるんだっけ?

 伝説の舞台だと思われる、ってだけだっけ?

 はて?

 ま、いいや。

 世界渡らなきゃ真実はバレない。


 ただの話の種だったようで、主さんはそこから掘り下げなかった。

 貝王様なら、根掘り葉掘りだな。

 興味ないものもあるみたいだけど。

 日本の法と警察についても知りたがるくらいだもんな。


 ワシの巣穴をアヤツが盗ったんじゃー。

 いやアイツが巣はアッチなのに勘違いして盗ったんじゃー。

 とか日常茶飯事なんだって。

 食うか食われるかの横でそんなことが。



 応接室なのかなんなのか、移動しようと案内されるので、どうするのかと白服を見た。

 仕事中だから、使用人への用も主を通すものなのかな?

 そこんとこ、わからない。

 ホームヘルパーならともかく、お手伝いさんがいる家なんて行ったことないもん。

 まだ携帯がなかった頃なら、友達の家に電話したりもあったけど。しても出るの家族ぐらいだから、取り次いでもらうのに、同じクラスだと言って名乗るくらいで。


 私には切り抜けられないぞ、という意思を込めて白服を見る。

 あ、でも主さんにした頼みごと、コイツ知ってるのかな?


 白服が喋り出そうとして、私も動かないので、主さんも止まった。


「どうかされましたか?」


 だいたいこの人は行動が早い。

 すごいな。

 強引にならないようにやるのがすごい。

 案内してくれようとしてたし、多分急いで時間を空けたんだろうけど。

 すいませんね、こんな暇人が忙しい人に。


「あ、いいえ」


 どう言ったらいいんだろう?

 こういうのって、白服に用があって、って言ったら、わざわざ会いに来たみたいじゃん。

 いや、主さんにもちょびっと、こうなんつうの?言い訳がましくっていうかなんかこうえぇっと。


「彼のお姉さんに花をあげに行くことろだったので、何か持ってくものあるか、聞きに来ただけなんです。」


 よし、言えた。

 そう思ったが、反応は予想しないものだった。

 主さんは驚き白服を見、白服は私を睨みつけた。

 何故?


「ズバリ、お姉ちゃんの存在ごと、忘れていたのでしょう!」


 スマ子、それ、あっててもズバリしないほうが良かったんでねーか?

 白服の顔が能面のように表情が抜け落ちた。

 能面のように、って、能面はけっこう激しい表情とかあるよね?

 お雛様とあんま変わらない感じあるよね、つまり微笑んでんのか?とか思ったりしていたが。

 実際に人間がそうなると、いきなり感情が存在しなくなったように白くなり、怖い。

 底知れない感覚がある。


 主さんが、客(一応私)の前で白服に向いたりとか、あったかな?今まで。

 やっぱ、ズバリはまずかった。

 スマ子のアホは、都合が悪くなると黙る。

 この空間をどうするんだ。

 最初っから黙ってれば良かったのに。


 きまづくって、おそらく客を通さない区域であろう、うす暗いの壁を見てる。

 あ〜、クノッソス宮殿は4じゃなかった、5階建てだ、とかどうでもいいこと考える。

 遺跡ってだいたいか、土台しか残ってないか、良くて壁くらいなのになんでわかるんだろうね?

 壁の石が5階建て分あったとか?

 古代の遺跡はだいたい現地人に石を持ってく場所として認識されてるのに、残ってるのかな?

 考古学わかんないな。

 これ、考古学か?


 知らんが人間の過去は勝手に掘らないほうがいいな。

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