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再訪

 

 次の日、目覚ましを10時にかけた。 

 何とかそれより先に起きた。

 まあね、何もないとダラダラしちゃうからね。


 昨夜、聞いているかと思って魔力珊瑚に「帰りました」と報告はしたんだけれど。

『休んでください』と言われたので、それじゃあ、と詳しい報告はしなかった。


 何時に来るかわからないからね。


 起きてご飯食べてしばらく休んでる頃、貝王様からお知らせと、イカさん先生の訪問があった。

 見てるようにわかってるよね、やっぱり。

 魔力も垂れ流しでバイオリズムがつかみやすいのか?

 まあ、魔力持ちの寝起きがわかるって言うくらいだからね。

 覗かれてる、とは考えないようにしよう。

 私の方からは一切わからないけれど。



 イカさん先生は、イカ族はロマンチックで星を見ている、という話だったけれども、朝眠くないのかしら?

 私が寝すぎなの?

 不思議に思ったんだが、昔は遊び呆けていたけれど、そこそこの深さになってきたから体のことを考えてきちんと寝るようにした、とのことだった。

 ほうほう。


 イカさん先生から、イカさんの生態を知ることは難しい。

 まあロマンチックで星見をするっていうのは知ってるか。

 星見、するんだ。


 日本じゃ確か、イカの光を好むという習性は漁に使われてるはずだけど。

 こっちではそういうのないのかな。

 そんな夜中に、大量の光源なんか用意できないか。

 そんなの出来るくらいなら、大灯台が世界の七不思議とかよばれないよな。

 でも七不思議は古代の話か。


 イカさん先生の足がフリフリふられる。


 はい、すみません。

 脱線しました。



 わからないままだし、曖昧なことが多いので、できるだけ詳しく報告する。

 そのまま時系列を間違えないように。

 主観を交えないように。

 結構難しいな。




 何で白服の死にやすい、という話からあの砂漠になったのかというと、やはりお姉ちゃんのことのようだ。


 わかりはしないんだけれど、どうしても白服を探ろうとすると、普段そばにいないようなのにあのお姉ちゃんの存在が出てくる。

 おかしい、ということで見てきた方が早いだろう、ということになった。


 そうなんだ。

 私は魔力で白服見ても、あの子にはたどり着かなかった。

 もっと深く探れた貝王様には、死者が取り憑いてるように見えたのか。

 加護どころか、加護は見えないはずだからなお、大丈夫か?コイツ、になったわけだ。



 とりあえず、私が話すだけ話したら、やはり 星によって加護を譲られたのでは?という見解だった。

 まあ、そうだよね。

 わかんないことだらけだけど。



 とりあえずあの女の子に花をあげに行きたい、という話をした。

 この島のものも、持ってて植えても大丈夫か?と聞くと、大丈夫だろう、という話だった。

 向こうの魔王直下の土地だったら。


 一応魔王のことも説明したが、危険じゃなさそうだ、と判断したみたいだった。

 でも念のため、誰かついていけたらいいんだけど、という話だけどさすがにそれは無理だと思う。


 誰にも盗まれないなら、ということで、私が花をあげたい、という話の時、貝王様が一部財宝を分けてくれると言った。

 女の子にあげよう。

 好きそうだから、と。


 はい。

 嫌い、って子は少ないと思います。

 特別に海が嫌いじゃなければ。

 これは(だま)っとこう。


 やや遠くで忌深子(きみこ)さんが、シンクロナイズドスイミングのように、出たり沈んだり貝パールを掲げたり、遊んでいる。

 うんうん。

 大概の女子は喜ぶ、はず。



 イカさん先生も貝王様も、いっぱい用意しだした。

 死者なら生者のように、欲かくこともないからね。

 死者にあげるならトラブルおきない。

 女の子が報われて欲しいが、一番の願いである弟は、人の世界にノータッチのお二人にとっては除外。

 ここで喜びそうなものをあげたい、らしい。


 でも、これは多いな。

 人に見つかって集まってきても困る。

 墓荒らしの話をした。

 人間には、そういうよろしくない業者がいる、と。


 嫌な話にお怒りだが、減らしてくれた。

 正確には墓は知らんのだが。



 充電中で持ってきていなかったので、スマ子は状況を知らない。

 あのね、こうなって女の子のところに行こうと思うんだ、と話した。


「わかりました。」

 と、おとなしくスマ子は言った。

 最近使ってなかったから、お怒り気味である。

 いや、今日ちょっと機嫌直したかな。 手に持っているので伝わってくるのだ。 わかりやすい。

 良かった良かった。

 こいつに機嫌損ねられると、ただでさえポンコツなのに、どうなることか。


 準備してできたよ、と声をかけた途端、なんとなく薄暗い場所にいた。

「シュマト!」

 子供のような声が聞こえて、えっ?と思ったらまたすぐに景色が変わった。


 ものすごく、緑の中だ。

 何これ、どこ?

 

「危ないところでした。」


 いや、危ないところって今の子供だよね?

 何あれどこ?


「お屋敷です。

 あの子供、私のことを分解しようとするんですよ!」


 分解……それは危険だね。

 お屋敷って主さんのお屋敷?


「そうです。私は本当に昨日命の危機でした。」


 深刻そうな物言いだけど、大人気で得意の絶頂だったじゃん。

 たいしたことなさそうだな。


 んで、ここは?


「サボテン魔王のところです。」


 え?ここが?!

 主さんの屋敷の庭じゃなくて?


「はい。お屋敷の庭は、もっと開けてたじゃないですか。」


 じゃないですか、ってダンシング土偶のとこはその百倍開けてたじゃん!

 枯れ草くらいだったじゃん!






 あ、ヤッホー、ヤッホーヤッホー!

 遊びに来たのーー?!




 間違いないらしい。



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