テレビ
今度の今度こそ!とテレビをとつけ録画リストを見る。
一応、第1シーズンの第1話を選んでみた。
イカさん先生は見えづらいかな、と思ったんだけど、窓とか網戸とかまだ外した事がない。
戻せなかった場合は部屋の中が大変なことになるから、イカさん先生には申し訳ないが、それで我慢してもらう。
窓も網戸ももちろん開けているけど、枠って結構邪魔よね。
窓はこれでも大きい方だが、先生の両目には小さい。
やろうと思えば、魔力で大きい画面を出して、テレビを投影すること出来るんだろうけどね。
イカさん先生も貝王様も、大人しくじーっとテレビを見ている。
そして、ドはまりした。
私は試しに第一話だけのつもりだったんだけれど、どんどんどんどん連続して見ていく。
すごい。
ドラマにはまった主婦みたいだ。
いや主婦をディスるつもりじゃないんだけれど何て言うかこう、自分で時間を調整できる仕事の人みたいな。
いや、主婦は……主婦こそ家族の時間に翻弄されるか。
でもとにかく、仕事は後からでも出来る!って人みたいな感じだ。(どんな仕事だろう?あるのかな?パソコン使えないから、それこそファンタジーの世界)
ずっとドラマを見ている。
貝王様は、本体がこっちにあるわけじゃないから、向こうで働いてもいるんだろうけれども。
並行して見てるので、すごい集中力だ。
イカさん先生も、お肌がカピカピになっちゃうから魔力で薄く海水をまとっている、という話ではあったが、魔力で常に海水を吸い上げて体の周りを循環させるのは、かなり制御の難しい事らしく。
一定の海水を持ち上げて、それを体の周囲にまとわせているだけ、なんだそう。
それって何が違うの、と思ったが、一定量の海水だけをずっと魔力にさらし続けていると、変質してしまうそうだ。
普通の海水じゃなくなる。
ただでさえ海水は、たくさんマナを含んでいるんだからいいんじゃないの?と思うが、良くないんだって。
生き物に大きな影響を与えるんだそうだ。
だから本当は、海に流れているように、海水の流れをちょっと変えて体の周りを通ってもらうような形にする方がいいみたいだけど、それが難しい。
すぐ魔力で持ち上げるのと同じくなってしまって、制御しずらいから、他の事は出来ないんだって。
波を押し流しちゃうのは簡単なのに、不思議だね。
まあとにかくそれをやるんだと、ちょっと持ち上げて循環し続けて、と水をちょっとずつ入れ替えなきゃいけないらしい。
時々、乾燥するからって海の中に潜って『ちょっと止めて』と言って、急いで戻ってくる。
乾燥するんだ?海水身に纏っていても?
海から出てるストレスかな?
足は浸かってるけど。
ドライアイになっちゃいそう。
いやもう、先生は全身で海水に使ってるんだけども。
……イカさん先生じゃなくて、私がドライアイになりそう。
もう5話くらいか。
連続でテレビ見てると、頭がぐわんぐわんしてくる。
でも勝手に見てて、ってわけにもいかないしなー。
見てて疑問に思った事とか、私がいなくても引き寄せられるんだろうか。
向こうの技術で出来上がった、壁とかテレビ本体とかが情報の固まりだから、無機物だけでオッケー?
海で情報が入りやすいのもそうか?
いや、海は生き物いっぱいだから。
動物以外全てにマナがあるから。
今、強烈に大量の知識が入りまくりなのか?
それでハマっちゃうの?
楽しみ方が高度過ぎるな。
6話までで、続きがテレビに録画されていなかった。
外付けハードディスクの方を探さなきゃいけないので「すいません、今日はこれで」と打ち止めになった。
なんか、ぼーっとしている。お二方とも。
貝王様の方は、魔力珊瑚は動かないからわかんないんだけれども。
なんとなく気配に、映画見た後の興奮状態で、逆に口数少ない人、みたいな。人じゃないけど。
映画を見た時の、お二方の反応を知らないけど。
情報過多で疲れないのかな?
これからそうなるんだろうか?
ちょっと危険なものを教えてしまった。
それでも翌日、テレビが見たいと言われた。
やっぱり続きを探せなかったから、また別のものをおすすめする。
そうして何日か経つと、お二方とも「こっちの続きが見たい!」と軽~く口喧嘩をするようになった。
戦いごっこするか、ゲームするかで争う子供みたい。
いやいや、失礼だよね。
考えが垂れ流しの私は、当然即座にそんなことをバレた。
先生に怒られる。
真剣なんだよーー!
はい、申し訳ございません。
申し訳ない、って本当は、申し訳ないっていう一つの慣用句だから、申し訳ございませんって言ったら謝ってることにならないんだよね。 申し訳ないことでございます、って言わなきゃいけないらしい。
でもなんかちょっと、それって日本語的に違和感があるんだよな。
日常の中で、あんまり言わない言葉って、言いづらい。
謝る時とか、逆に怒られるんじゃないか?って思うんだけども。
こう、……なんて言うの?変に丁寧なへりくだった言葉を使って、侮辱してると思われたらどうしよう?みたいな。
余計な気を回してね。
申し訳ございません、って言っちゃうんだよね。困ったね。
こっちの争いも困ったね。
私はどっちでもいいんだ。
キノコとタケノコくらい、どっちでもかまわないんだ。
そしてどっちにも味方出来ないんだ……。




