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お暇伺い先触れ

 

 カコドメンズの来襲も退け、島に平和が訪れた。


 ふぅ、昨日は疲れたよ。


ご主人(マスター)は何もしてません。」


 あぁ、平和だけど、心は今日からギザギザかもしれない。


 昨日は静かだったのに~。


「空気ぐらい読みます」

「嘘つけ」


 心は読むが、望みは無視するスマ子。

 あぁ、スマホでよかったのに。


「私をさんざん利用しておいてポイ捨てですか!」

「赤の他人でも振り返りそうな聞き捨てならない言い方しないでくれる!?」


 他に誰もいないけど。


 付喪神(つくもがみ)の絵がかわいい妖怪本をずっと欲しかったんだけど、リアル()()()、かわいくない。

 戻ったままで、……戻ったまま()よかった。


「私は付喪神ではありません。私はこの世界で唯一の――」

「ハーイハイはい」


 おバカだしうるさいし、もー。


 何?マナ貯まったの?それでまた変化したの?

 島が出来た時にスマホに戻ったから、島があるままならこのままかな~?と思ったのに。



 もー、家電とかに変化されると困るんだけど。


 その時、ようやく思い出した

 姉ちゃんの物はそのまま置かれているということに。

 スマホはないだろうけど、そういえばパソコンとかタブレットとかがあった気がする。

 スマ子に聞いても、こいつは自分以外の高性能電化機器の話を許さない傾向があるので、自分一人で探した。


 その間スマ子は「今日は晴れです」とか、見ればわかることを何か言っている。

 役に立つようで立たないんだよな、こいつ。

 立つんだけどさ。

 高度な事色々出来るはずなのに、話す内容のセレクトおかしくない?アピール下手過ぎない?コミ障か。……それは私か。

 世の中ままならない。


 そうやって探していると、ノートパソコンとタブレットが出てきた。

 私は使い方がわかんないけど。

 充電どれでやるんだろう?


 今まで触らなかった、姉ちゃんの物が詰まっている押し入れをガサゴソ探す。

 と、結構すぐに、スマホに触った。

 画面真っ暗だけど、これはスマホですね?

 置いてなかなか出ないよね?

 ホント異世界転移、摩訶不思議。


 ノートパソコンとタブレットは、使い方とか充電がどれを使うかわからないので、スマホを充電する。


 変なことして壊すよりは、とりあえずこのまま。

 スマ子もうるさいので、マットレスの上に置いたまま、部屋を出る。


 テレビつけて見よう。

 昨日は楽しめる精神状態ではなかった。

 魔力珊瑚を持って。

 これ大事。


 貝王様はテレビが気になるみたいだからね。

 イカさん先生はどうだろう?

 貝王様は、壁を隔ててもテレビが見れるみたいだが、なんとなく私の精神的安定のために。

 直接見て欲しい。

 なんか、こう……永遠私を見張ってなくても多分大丈夫ですよ、みたいな。

 魔力珊瑚の近辺が見えちゃう、ならいいんだけど。

 なんか全て見られるのも、ちょっと。


 魔力珊瑚をこたつ机の上に……こたつテーブルか?テーブルの方が正しいのか?わからないが、上に置く。

 ここがテレビの前でよく見えると思うので。

 ここに設置するのに、ちゃんとガタガタしないように片付けておいた。

  それで、この間っていうか昨日決めておいた魔力の合図を貝王様にする。


 暇ですか?

 どうですか?

 みたいなやつだ。

 

 突然、ヤッホー!っていくのもねちょっとね。


 受け手には、すごく忙しい時には感じ取れず、暇な時には『今大丈夫ですか?』みたいなのがわかる感じらしい。

 私は試しにその魔力をおくってもらったんだけれども、元々魔力の感覚がわかんなくて緊張していたせいか、全然わからなかった。


 受け手にしてみると、そちらの方が負担が少ないものだそうだ。

 暇だったら返事するし、忙しかったら感じ取れないし、みたいな。

 すごいね。

 とにかく、初めにそうやって方が、相手に失礼がない、ということだった。


 それを是非覚えたい、と言ったのだ。

 だって船が来るたびに、貝王様を呼び出していいのかわかんないもんね。


 その感覚をつかむ練習を、昨日やって、もうそれで1日が終わった感じだ。

 ずっと貝王様とイカさん先生には付き合ってもらっちゃったな。


 ネックレスをあげたから、じゃないけど、それとも人間に想定より島の重要性があると考えたからか、かなり熱心に教えてもらえた。

 ありがたい。


 ちなみに忌見子(きみこ)さんも出来ないらしいが、飽きてどっかに行ってしまった。

 あんなにイカさん先生が、私の迎えに来た時はキシャー、としてたのに。

 今や、黒い貝パールのネックレスを汚髪に通し、滑らせて遊ぶのに夢中である。

 汚髪を高く上げ、そこから自分に向かってツーっと降りてくるネックレスをあらゆる角度から見て楽しみ、くるんくるんと回りながら、気づいたらいなくなってた。



 ふー。

 連絡する先触れ、みたいな軽いものかもしれないけど、間違ってダブルクリックしておんなじメールを何回かおくってた、みたいな事しでかしそうで、先にイメトレしてから挑む。


 イメージだけってわかんないな。

 なんか練習モードとかないのかな?

 実際には送信されません、みたいの。

 魔力って結構電気みたいな感じだし?ありそうじゃない?

 それを使えるようになるまでに、練習がとてつもない時間が必要だったら意味ないけど。


 ピアノとか昔のまだちーさい頃、習ってたんだけど、練習曲を弾くための指ならしの音階練習曲とかあって、練習のための練習って何?とか、意味不明だったよ。

 そうやってツッコミいれてるから上達しなかったのかな?

 素直に受け入れられないから?

 でも、練習してるうちに慣れるとか疑問に思わなくなるって、疲れて考えられなくなってるだけじゃね?とか思っちゃうんだなー、これが。


 要はすぐ手が止まるわけなんだけどね、今脳内で脱線してるみたいに。

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