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真珠の首飾り

 


 イカさん先生は、白がいいな~と言って白い真珠のネックレス選んだ。

 さすが純白を愛する男。

  残ったから貝王様は、色々な色のマルチカラーという真珠の方だ。

  マルチといっても、ピンクや白や灰色っぽい、というより穏やかな銀色?などの淡い色で統一されている。



 しまった。

 首(があるのか、ないのか知らないが)にかけられないじゃん?

 でもバラすと大変。ま、いっか。


 貝王様は選べなかったけど、いいのかな?




 成分が分析できたら面白いですね。




 学者モード入ってた。

 本物だといいんですが、曖昧ですみません。


 真珠はともかく金具などは珍しいみたいで、お二人とも面白がっている。


 でもさっき、ガッツリ高そうな金属の塊とかあったけどね。宝石もついてたりとか。

  そう思ったが、何というか、ああいうのはもともと教材のイメージが強いんだそうだ。


 教材?

 なぜ、教材?

 セレブの勉強?




 いえ、違います。





 違った。


 小さい頃に、ナガナガスカジラさんたちに教えられていたそうだ。

 ああいった財宝などを使って。


  どうもその海域ごとに、ある程度の期間は財宝というかそれらを保管しておくという、なんとなくの文化みたいなのがあるそうで。

 そうして魔王が育つ時などに、ナガナガスクジラさんたちが、教育用として使う。


 海の生き物たちは、それらに触っちゃいけません、立ち入り禁止、みたいな感じで、普段は近づけない。

 気にしない子も気にする子もいるので、長い長い封印を解かれたりして、そういうものが出てくると、なーんだってなる場合もあるみたい。

 小学校の開かずの部屋みたいだな。

 ボロくてただの物置だったりするやつ。

 開ける時、生徒がすっごい集まるのに、ただの掃除だったり、埃っぽすぎて大変だったりすると、みんなわーって逃げてくみたいな。

 あのがっかり感ね。

 わかる。



 人間はこれが大好き、とか。

 これは陸のもの、特に固いこれらの物で海の生き物を傷つけられてしまう、とか。


 とか、結構 重要なことを教えられたりする。 海の生き物を統べるからね、魔王は。

 それに大きな魔力持ちも、その魔王を育てる係になるかもしれない。

 そういう教えを引き継いでいくために、やはり寿命の長い生き物や、知能の高い生き物などが勉強していく必要があるようだ。

 海のセレブも大変だな。



 でも、なるほどね。

 地上産の金銀財宝なんて、海の中で価値あるのか?って思ってたけど、そういう教材なんだ。

 たまにキラキラしたのが好きな子もいるらしくって、光らせて遊んだりするみたい。

 そういう子は隠されていたキラキラ嬉しいだろうね。


 一応貝王様は、展示会みたいなのをやるみたいだ。


 展示会?と思ったら頭に浮かんだ。

 それが海底なのに、光の明るい空間。

 貝王様の城の中から見た、なぜか海底なのに、やったらに海藻や珊瑚などが生えていた、あの空間のようだ。

 一応、海底っていうのも、かなり深い場所のはずなんだけれども、海藻や珊瑚などの種類の中には、光を吸収するために、何と言うか光を溜め込んだり呼び寄せるために、発光する性質があるみたい。


 呼び寄せる?

 発光って何なんでだよ?

 って思ったが、例えば光を吸収するために珊瑚が光る性質を持ったとする。

 そうするとチョウチンアンコウみたいな(まあ私が今頭の中に浮かんでいるのは、チョウチンアンコウじゃない魚なんだが)光る性質がある生き物が、仲間と間違って呼び寄せられてきたりするみたい。

 そして光が増すので、自分の生育に良くなるという感じらしい。


 なんかニュアンスでしか伝わんないんだけど。私も。

 でももっと色んな理論が流れているみたいなんだが、私の頭では理解しきれない。

 なんとなくの流れで捉えると、そんな感じ。


  それで本来は、細々と暮らしているらしいが、同じ性質をまとめた方がいいだろうということで、暗いくらい海底の中で、1箇所に集めるようにしてるんだ。

  その方がお互いに暮らしやすいからwin-winと。

 貝王様の居場所いうのは特に決まっていないけれども、まあできるだけ、その近くにいるみたい。

 城を作ったのもあって、そうしたらだいたい海の生き物が一か所に避難できるという計画だったようだ。


 なるほどね~。


 そのきらびやかな海藻、珊瑚地帯に、キラキラ財宝を展示して、光を反射させて、というわけか。

 キンキラだと思ったけど、腐食しない金しか残んなかったのかな?


 ちなみに石といっても、海底にあるものも石、というらしい。


 けれどもそれ、混ざりませんか?

 人間の好きなヤツも石。

 普段、海底にあるのも石。


 しかし、答えは混ざらない、だった。

 普段関わりあいにならないから、と。

 あの、人間が加工したヤツは、ざらざらがなくて楽しくないんだって。

 特殊な意見だ。

 でもこの海では、それを特殊という私か特殊かもしれない。


 希少生物じゃん、私。



 その時にニョロロロッと、イカさん先生の横に黒いものが見えた。

 鬼海子(きみこ)さんが戻ってきたらしい。

 船に追いついていたら、船で今頃まだ弄んでいるだろうから、カコドメンズは逃げ切ったようだ。

 よく頑張ったね。

 魔王から逃げ切るなんて。

 考えてみたら魔王キミコって貝王様が言ってたから、魔王って知ってたんだな。

 だから頑張って反抗しなかったのかしら?

 いや、どっちにしても死亡フラグか。

 まあ……頑張ったな。

 鬼深子(きみこ)さんは残念そうだ

 逃げ切れたらしい、よかったね。


 真珠のネックレスに興味を示していたので、やっぱり海の真珠とは違う感じがするのかもしれない。 私には分からないけれども。

 なので、あと1つ残っていた、絶対真珠じゃないやつ(貝パールと書いてあって売っていたやつ)を忌見子(きみこ)さんに渡した。

 バリバリ着色してあるやつだ。


 ごめんね。

 でも残念ながら?黒く着色されているその貝パールの、ネックレスとイヤリングのセットは、きみこさんが汚黒と青で構成されているので、なかなか似合っていた。

 いや、蒼ざめている肌も含めてか。いや、目の白目かあれは。

 肌もあるけどね、今は手があるから。


 気味子(きみこ)さんは喜んでくれた。

 ありがとう、そんなに喜んでくれるなんて。


 ごめんね。

 それ、赤白黒の3色セットの2200円なんだよ。

 貝パールかどうかも、ちょっと怪しいんだよね。 ごめんね。

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