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オーガンは傭兵都市アーカムに住む傭兵見習いだ。

今日は日雇いの仕事で郊外に来ている。


作業内容は加工された材木の積み込み。

彼は同じ傭兵のデレクと共に材木を運び続けていた。


指示を出すのはやはり傭兵のジモルド。性格の悪い中年だ。

今日も口煩いだけで力仕事は避けており、作業に寄与していない。


彼らは傭兵団「銀のウサギ」に所属する傭兵である。

ジモルドはそれなりの立場で嫌われ者だ。ジモルドの部下がデレクとオーガン。

デレクは立派な傭兵でガタイもよく腕力は人一倍ある。

オーガンはまだ見習いの立場であり正式な傭兵ではない。


四六時中戦争があるわけではなく、戦争がなくても傭兵は生きていく必要があるため、日雇いの仕事に従事することになる。


「おら、休んでないでさっさと働け」

疲れてきて動きが悪くなってきたオーガンに対してジモルドから罵声が飛ぶ。

オーガンは体に鞭打って懸命に働いた。頭の中はジモルドへの悪態でいっぱいだったが。


夕刻の鐘が鳴る頃には仕事が終わる。

デレクとともに荷馬車の御者台に乗って街へと戻る。

ジモルドは荷台でお昼寝中だ。


街の入り口でオーガン達を待つ人影がいた。

同じ傭兵団のガラードとアンジュだ。

ガラードは傭兵団の重鎮で他団員からの人望も厚く団長も頭が上がらない。

そんな彼がこんな場所まで出てくるのはにアンジュがいるからだ。


アンジュは団長と副長の娘で傭兵団の姫だ。

みんなから愛されていて街の中でさえ独り歩きは許されない。必ず誰かしらが警護についていた。


そんな彼女がここまで来たのは理由がある。


「お帰りオーガン。さあ行こう!」

日雇いの仕事には作業後に報告の義務がある。

アンジュはオーガンを連れて傭兵組合に行くのが最近のお気に入りだった。


ジモルドが言う。

「待てよ。小僧は荷馬車の返却の仕事があんだよ。」

彼の言葉はオーガンへの嫌がらせで満ちている。アンジュがオーガンを構うのが面白くないらしい。


「お前が行け。」

ガラードが言った。ジモルドはガラードに逆らえない。

文句を言いたげだったが結局、デレクとともに渋々と荷馬車に乗って行った。


「今度こそ行こう!」

アンジュは上機嫌だ。

オーガンはアンジュ、ガラードと共に傭兵組合に向かった。



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