第五話 緑色の津波 後編
第五話です。
前回の話の数日後の話です。
あれから数日が経った。
今日はクリスマスイブ。
子供は待ちに待った日かもしれないが、この家の大人はみんな暗い顔をしていた。
唯一、シュトラは俺と遊んでいたのだが、それを見て、周りの大人たちは表情が和らいでいた。少なくとも、本人は全く気づいていないだろう。
だんだんと太陽が沈んでいき、そろそろ夜になるころ、
「ダン、ダン、、バンッ!」
扉が壊れそうな音の後に勢いよく開く音がして、
「今帰ったぞ!」
おじいさんの大声で家じゅうの大人達の顔が笑顔、ほっとした顔になっていた。シュトラが俺を置いて、おじいさんに抱きついていった。おじいさん、満更でもなさそうな顔をしていた。
ついでに俺とシュトラを一緒に抱っこしてくれた。
後ろには俺の父親やシュトラのお父さんも一緒だ。おばさんもいた。あの人、一緒に戦場に行ってたんだな、知らなかった、、、
ちなみに俺の父親が壊れたドアを持たされていた。やっぱりこのおじいさん、ドア破壊してたな。
おかげで家の中が寒くなりました。(物理的に)
おばさんや、俺とシュトラのお母さんにバシバシ叩かれて、魔法で石製の重いドアが作られていました。
ともかく、クリスマスイブに家族全員がそろうことができた。
クリスマスパーティーが始まると、俺とシュトラはソファーでくつろいでいた。
俺はまだ離乳を始めて、三か月も経っていないので離乳食だ。メイドに食べさせてもらっている。
シュトラも食べさせてもらっている。
こちらは普通の料理だ。
俺だってそっちの料理が食べたいのだが、、、
ちなみに大人達はダイニングで立って食事をしている。いわゆる立食形式というやつだろうか。おじいさんや俺の父親、おじさんの部下や上司のような人十数人も参加しているので、とても賑やかだった。
この人数の料理は想定していなかったようで、奥で料理人がずっと料理を作っていた。大変だっただろうなぁ。
一応俺とシュトラも他の人達とあいさつをしたのだが、戦場から帰ってきたばかりだからなのか、抱っこされたとき、汗臭かったのを覚えている。
時には戦場の話が聞こえて、
「前線が崩壊しそうなときに魔法師たちのおかげでなんとか持ちこたえれたわぁ、」
「周りをゴブリンたちに囲まれた時は死ぬかと思ったわ。」
など、たのしく戦闘の話をしているときもあれば、
「あの時、俺の攻撃が早ければ、、、」
「あと一歩早ければ、、」
など、涙を流して思い出を語っているときもあった。きっと仲間を失ったんだろう、、
確かこのあたりは軍の他に民兵に参加している人たちもいたはずだから、、、
俺の家は運がよかったのだろう、、、
パーティーも終わり、片付けをメイド達がしている頃、久しぶりに家族だんらんの時間ができた。
人の暖かみがどれほど大事かわかった気がする。
その日は、いつもよりぐっすり眠れた、、、、、、
やっと5話目まで出来ました〜
疲れますねえ。
この話を書いた時、実際に家族と生き別れになる人も多いのだろうなと思いながら書きました。
自分の家族、大事にしないと。
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