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偽物の体温計──ぬくぬくけいちゃん

作者: 白夜いくと

【なろうラジオ大賞2】参加作品です。


◇キーワード◇

「偽物」


 私はけいちゃん。小学1年生。趣味はお母さんの体温を測ること。


 ──ぎゅうう!


 洗濯物をたたんでる背中をコアラさんみたいにまぁるく包んであげるの。そうするとね、じわーってポカポカが伝わるんだよ。


「けいちゃん、あったかいねぇ」


「さんじゅうはちど!」


 お母さんの体温を測ったら、クスクス笑われた。ムーッと膨らんだほっぺを大きな手でぺしょってされて、けらけらわらうのだぁいすき!


 私はけいちゃん。偽物の体温計。本物の体温計よりも、じんわりが伝わりやすい凄い能力があるの!

 ついでだから、キミの体温も測ってあげるよ。えーとね、えーとねぇ……、


「ひゃくはちど!」





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― 新着の感想 ―
[良い点] 煩悩の数!
[良い点]  かわいい。 [一言]  心が温まってしまったんだ。……けして煩悩の温度を見抜かれたわけではないと信じたい……!もしくはじんわりが繋がって3人分の体温の合計と信じたい。
[良い点] 可愛い! こんな体温計なら何回でも計って欲しいです。 ほっこりしました^^
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