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忘れる為の物語 三枚目 異形の者 中編

 次の日の昼近くだった。ユビ村唯一の宿「花の咲く場所」に身を寄せているエルフ(ルーチェ)の元に栗毛の少女ウィルが訪ねてきた。ルーチェが寄宿する部屋は宿の中でも比較的広い部屋なのだが、派手に散乱する衣服や食べ散らかした跡、本や探索道具など、とにかく汚い部屋に、申し訳程度に隠すべきところを隠し切れていない下着姿で寝ている少女に、しばらくあっけにとられていた。


 ウィル自身、自分の部屋も自慢じゃ無いほど汚いつもりだが、この煩雑ぶりはむしろ清々しい程だった。このエルフは長く生きながら、片付けるということは覚えられなかったらしい。じゃ、ヒトの自分がそれを出来ないのも無理はない、と。


 見事にボサボサの髪で、眠たそうに目をこする金髪のエルフがあまりにも愛らしく、思わず抱きついてしまいたいが、ウィルはその衝動をぐっと我慢した。

「眠れなかったんですか?」

「…寝たよ…、そりゃあもうぐっすりと」

「良かった」

「あ、触らないで。その本、まだ動いてるから」

「えっ」

 ウィルは開いていた本を閉じようとして、思わず手を引っ込めた。見ると術式が小さく動いている。本のページに極めて小さい古代文字が新たに書き出されていて、無地のページを埋めていく。

「これっ、これなんですか!」

「え? ちょっと術式を堕読してるんだよ」

「え? え?」

 子供のように本を覗き込むウィル。

「昼までには終わると思ったんだけど…、この村はなんか堕読速度が遅いんだよね…。水晶の鉱脈のせいかなぁ…」

「だ、堕読ってなんですか?」

「昔の彼が見つけた方法でね。大気と地脈を利用して、遠く離れた場所にある書物や術式を転送する魔法なんだ。めったに使わない魔法はそうやってしまってあるんだ」

「へ…へー…?」

「わかんないよね。うん。わからないと思う。今堕読してるのは炎系の魔法だよ。一応、対ゴブリン用にね。森を焼かないように『燃え移らない火』の魔法」


 気になったのはそこではなかった。ルーチェはさらっと「昔の彼が見つけた」と言ったのだ。その口から「昔」という言葉、さらに「彼」という言葉が出るとは思わなかった。


 ルーチェは魔法使いだ。魔法使いにとって魔法とは財産だ。魔法は呪文を発音さえすれば誰でも発動できるものではない。魔力を持った者でも、呪文をただ読み上げただけでは魔法として発動しないし、術式を描けたとしてもそれだけで使えるものでも無い。魔法使い以外の者にはその辺りの部分が不可解なのだ。ウィルの知識では、魔法にはそれぞれの属性に神がいて、その神に認められた者のみが使えると言う。が、ウィル自身、【仮病呪い】の魔法は神との契約など全くしていない。きっと隠された真実があるのだろうということは薄々分かっている。

 ウィルにとっては、ルーチェの口から過去に「彼」の存在があった事が確かめられたことの方が重要な情報だった。しかもその彼もどうやら魔法に長けていたらしい。

「沢山の魔法を覚えておくのって大変ですもんね」

「基本のものを覚えておけばあとは応用なんだけどね。『燃え移らない火』は、幻覚版と有熱版があって、全然構造が違うんだ。有熱版はピンポイントでの座標指定とか…、格段に構造が複雑だし、使う機会が無いから、預けてあったんだ」

「…実は凄い魔法使いなのでは」

「そりゃ、長生きしてればそれなりにね」

 この乱れた部屋で、ボサボサの金髪を梳かしながらニカっと笑うエルフは、実は凄いエルフなのでは?

「そういえば、随分早いね。午後に…、と聞いてたけど」

「そうです、ルーチェさん、カークが出発を急ぎたいと言ってまして」

「なんで?」

「実は、今教会が大変なことになっていまして」


 教会がの前には大勢の村人が来ていた。村長を含めた数人の『村の重要人物』と思われる者達が何やら深刻な顔で押し黙っている。その中にカークの姿もあった。駆けつけたウィルとルーチェを見た村長は情けない顔で立ち上がった。

「おぉ、ルーチェさん…」

「何があったの?」

「…、すみません……」

「…?」

「いや、今はそんな事を言っている場合ではありませんでしたな。実は昨日夜から、家に帰らない娘がおりましてな」


 娘の名はリーノ。年老いた祖母と二人で暮らしている。歳は二十四。昨日、朝葡萄畑のカタツムリ駆除の仕事を貰い、造酒場を出たのは夕方。真面目な娘で、既に亡い親が決めた婚約者もいる。普段は真っ直ぐに帰宅するはずだが、牛肉を買いに店を訪れた、と肉屋の奥さんが証言している。祖母の誕生日が近いので奮発するのだ、と言っていたらしい。そのあとの行動は誰も見ていないが、その時間帯はそれほど暗くも無い。村を出て行ったのを見た者もいない為、何かの事件に巻き込まれたと見ていい。

 ゴブリン騒ぎは、村長の公的な発言では無かったにせよ、殆どの老人達は知っている。娘が行方不明。これはどう考えてもゴブリンの仕業に違い無い、と祖母が朝から喚き散らしたのだ。

「既に隣町の衛兵士団には連絡をしに行かせたのですが…、ゴブリンは残忍でしてな…、娘の安否が…」

「なして誰も助けにいかんのか!」

 リーノの祖母らしき老婆が声を張り上げた。その場にいる老人達は顔を見合わせたが、俯くだけだった。

「武器がないんだよ」

「鍬があるじゃろ!」

「鍬でゴブリンと戦えるか」

「なんでじゃ、何が村長じゃ、娘っ子一人守れんがじゃこの村は!」

「…」

「もういい!ワシが一人で行くわい!」

「いかん、ダメだ!衛兵が来るのを待つんだ!」

「いいや、待てん、この役立たずめ!」


 老人達の口論の中、すっとその間に割って入る者がいた。ルーチェだ。興奮する老婆に無言で近付いた。するとふいっと力無く崩れた。ルーチェはその体を支えた。

「な、何を?」

「大丈夫、落ち着かせただけ。スターナ、休ませておいて」

「は、はい」

 すぐ側にいたスターナは、項垂れる老婆を優しく支えた。泣きながらリーノの名前を小さく呟いていた。

「…どうするの?」

 村長が奇妙に身体を震わせた。


「ワシらに何が出来る……?」

 村長は小さく呟く。誰に言うでもなく、自問自答。

「戦うの…か?」

「衛兵を待て」

「衛兵はちゃんと守ってくれるのか?」

「金は出してるんだ」


 村の老人たちの反応。

「コレはひどい……」

「でしょう?」

 ルーチェの言葉に即座に反応したのはウィルだった。

「大事な村人が居なくなった。探すのは当然でしょう!?」

「より多くの者が犠牲になったらどうする?」

「そんなこと…」

「言うのは簡単なのだ。だがその決断が感情的ではないと言い切れるか?」

「ヒトとして、それでいいの?」


 ルーチェの言葉に、村長は音がするほどビクリと体が揺れた。軽く首を振る。

「私は村長だ。犠牲を最小限にせねばならん。無論、今後は最大限警戒しよう。だが、軽率に森に入る事は許さん。もし行くなら、救けは要らないと宣言してから行け」

「…」

 村長は険しい顔をしていた。険しく、そして悲しい顔だ。


「落ち着けウィル。我らは天敵に襲われているのだ。その天敵は我等が戦ったとして、勝てるかどうかもわからん相手だ。今我らにできる事は、できる限り犠牲を出さない事だ。犠牲となった仲間を救う事ではない」

「…」

「私が若い頃、当時村人はこの判断を見誤ったのだ。仲間を救おうとし、全員が犠牲となった。リーノの母親はどうなる? 救おうとした者達の家族全てに恨まれるのだぞ。お前の娘さえ攫われなければ、あの娘さえいなければ、と永劫に罵られるのだぞ。村を追われ、惨めな放浪の末野垂れ死ぬのだぞ。勝てると、救えると確証がない限り、村人を森に入れる事はできんのだ」


 ウィルは言葉を失った。聞いていた話とまるで違う。自警団は『隣町に買われた』と聞いている。しかし村長が言った話は真逆とも言える大惨事だ。いずれが真実なのか、それとも、どちらも真実で時期が異なるのか、判断がつかない。

 単純な感情ではない。余りにも複雑な想いを整理出来ないでいた。ただ、村長のこの決意が間違っている、とは言い切れない自分がいる事には驚きだった。


「訓練された者達を待とう……、幸い今時期は麦の時期とも重ならぬ」


「おーい、村長ー、来てくれ! はやく!!」


 村長がその場の大勢を諭したまさにその時、村の門番が走ってやって来た。

「どうした?」

「あの、昨日担ぎ込まれたヤツの仲間が…」


 村の入り口で騎士風の男と魔術士の女が立っていた。よく見るとしっかりとした装備だ。村長が駆けつけると、男が深々と頭を下げた。

「村長、仲間の介抱、感謝します。我らは今朝森に入り、ゴブリンの行方を探しておりました」

「なんと!?」

「昨日は油断しましたが、私どもは冒険者。少数のゴブリンの撃退は二人でも出来ると思っております。仲間の手厚い介抱の礼として、どうか我らにゴブリン撃退をお任せ頂きたい」

「おぉお」


 その場の村人達から歓声が上がった。

「村の娘が一人、昨夜から行方がわかりませんでな…」

「何ですと?」

 冒険者二人は顔を見合わせた。

「すると、もしやこの靴はその娘の?」

 魔術士の女は腰袋から、青い靴を出した。それを見たとある村人が「あ!」と声をあげた。

「そうですか、それは先程、森の奥で見つけたものです。事は一刻を争いますな。急ぎ森に戻りまする。差し支えなければ夜間の食料などを頂戴したい」

「す、スターナ、急ぎ準備を」

「はいっ」


 ーおかしい。

 ー何もかもがおかしい。


「ところで、我が友の容体は如何ですか?」

「落ち着いてきています。まだ動けませんが」

「話はできそうですか?」

「いや、まだ口は動かせない」

「そうですか…、申し訳ありませんが、もう暫く面倒を見ていただけますか?」

「そりゃぁ、もちろん」


 ーおかしい。

 ー何もかもがおかしい。


「ルーチェさん………、これって………」

「…」

 歪んでいる。真実が歪んでいる。

 昨日、怪我人が血で地面に書いた「いない」

 それはゴブリンはいない、という事だと思った。しかし、娘の失踪、そして森の奥での靴の発見。明らかにゴブリンの存在を示している。

 ゴブリンはいない、という怪我人の言葉が真実だとすれば、この冒険者達が嘘をついている事になる。言われてみれば確かに出来過ぎている。しかし、この冒険者達の目的が見えないのである。嘘をつく理由が無い。

 ゴブリン退治の報酬を後で迫るつもりであろうか?

 しかしこういうものは、「先払い」と相場は決まっている。少なくとも、半金を受け取ってからの行動、というのが冒険者の正しい慣わしだ。しかしこの者達は、「仲間の介抱の礼に」と言った。

 

 顔を殴打され傷ついたその「仲間」は、この二人と異なる事を言っている。

 果たしてどちらが真実を言っているのか?

 

 程なくして、食料がいくつか冒険者に手わたされた。それ以外は何も受け取らずに「御免」といって森の方に歩いて行った。村人の多くはそれを見送った。



「おかしな事になったな…」

 カークは、呑気とも言える態度で「花の咲く場所」の食事処で寛いでいた。ウィルとルーチェも一緒だ。ウィルが難しそうな顔をしながら甘い花の香りがするお茶を静かに啜る。

「あの怪我人があの状態で嘘をつくとは思えない」

「とすると、あの冒険者が嘘ついてるってことか?」

「ゴブリン退治……詐欺?」

「にしちゃ、金の話をしなかったな」

 魔物退治詐欺、はよくある話だ。例え僻地の村でもそこは警戒する。魔物を退治するから金をよこせ、という話には乗らない。金は魔物の死骸と交換。半金が支払われる場合もあるが、信用のおける狩人だけの話だ。

「わかんなくなっちゃう。誰が何の理由で嘘をついてるのか…」

 三年間も村人達を騙し続けたウィルとカーク。あなた達がそれを言うの?とルーチェが笑った。騙した張本人たちは顔を見合わせたが、はぁと軽くため息をついた。


「怪我人の言葉が正しいとすると…」

「ゴブリンはあの森には居ない」

「すると、あの冒険者が嘘をついている事になる」

「ついでに、仲間だった一人が大怪我して、裏切った事になる」

「裏切った?」

「そうだろ?オレ達に『いない』って言ったんだから」

「と言う事は、あの冒険者と怪我人は、敵対関係にあるって事?」

「元々敵だったのかもしれないな」

「仲間だって事も、嘘って事か?」

「つまり、口封じされたって事」

「でも、何で殺さなかったんだろ」

「殺すつもりはないって事かな」

「死体で運ばれてくるより、怪我人としての方が、より強く村人にゴブリンの事を信じ込ませることができるかもね」

「なるほど…」

「喋っちゃまずいから顔を殴打して…」

「つまりあの怪我は、あの冒険者にやられたってこと?」

「ゴブリンがいないなら、そうなるんじゃねーか?」

「村長が言ってた、自警団が全滅したって話は?」

「…オレが知ってる話と食い違う」

「誰が、嘘つきなの?」


 次から次へと疑惑が生まれてきた。カークが整理して紙にかきはじめた。


「ゴブリンはあの森にいない、という仮定に基づいた話をするとして、謎は三つ。まず、怪我人、リーノさん、そしてあの冒険者だ。怪我人は冒険者とは敵対関係にある。そしてリーノさんの失踪と森で発見したという靴。これは、森にゴブリンがいると思わせる為の嘘だと言う事になる」

「リーノさんを誘拐したは…、アイツらって事か」

「とすると、リーノさんは何処かに幽閉されていて……、あ」

「ん?」

「いや、今日持って行った食料も、リーノさんの分もあったのかな、と」

「だといいんだが。要するにあの二人は『あの森にゴブリンがいると思わせたい』んだな」

「森にゴブリンがいる、と何が起こる?」

  

 ルーチェのその問いに、ウィルとカークは考え込む。

「隣町に衛兵を依頼する…」

「それによって、あの冒険者は何の徳がある?」

「…うーん」

「そもそも、あの二人、今森に行ってるんだよね」

「ゴブリンがいない森ね」

「何してるんだろ」

「ゴブリンと戦うふりか?」

「ゴブリンを撃退できた、追っ払うことができた、と嘯いてお金をせびるのかな?」

「払うかな爺ちゃん」

「詐欺をするにも、もう少し楽なやり方があるよね」


 三人はあれこれと考えたが、いまいちこれだという結論が出せずにいた。


「…まぁ、森に行ってみればわかるよね。あいつらが何をしてるのか」

「え、でも…森には入るな、と…」

 心配顔のウィルに、穏やかに笑う。

「私は余所者だしねー」

 

 私には関係ない。この村がどうなろうが関係無い。

 この村は偶然寄っただけ。あの宿が居心地がいいので、たまには『家に帰る』という感覚を楽しむのも悪くないかな、と思って留まっているだけ。

 本来は、自分が話しているこのヒトの子だって、別れたら二度と会うこともなく、思い出した頃には既に寿命が尽きて死んでいるかもしれない。


 ヒトと関わる事は、自分にとって余計な記憶が増える事。


 そう考えていた。でも果たして本当にそうだろうか?


「ルーチェさん?」

「え? ああ、大丈夫よ」

「あまり、関わらない方がいいかもしれないですよ?」


 ウィルはエルフの【枕呪】を知っているのだ。ルーチェはあははと笑った。

「今更よねー。それにね。この村に来てから、すごく良く眠れる。何でだろうね。都にいた頃には考えられないくらい。最近、なんとなくわかってきたんだ。その理由が」

「空気がいいから? とかですかね?」


 蓄積した不安と記憶が襲ってくる、長寿族特有の病気【枕呪】。病自体の名は有名だが、その実、殆ど資料が無い。病気を回避する為に人との接触を避けるからだ。具体的な治療法などは無いし、鬱や発狂などを引き起こす。

 だが、ルーチェがこの村に来てから、毎日のようにちゃんと眠れる。

 眠れる、とは幸せなことだ。毎日生きる希望が湧いてくる。


「きっと…、避けちゃ駄目なんだよね…」

「え?」


 長寿故に経験が豊富で、ヒトとの関わり自体も先回りしたりする。自分がそうであるように、誰かとの会話が、過去の誰かとの会話と重なり、それによって記憶が想起される。その「記憶の想起のきっかけ」が恐ろしくなり、関わらないという判断をしてしまう。

 だが今のところ、誰かは忘れてしまっているが、それほど酷い記憶は想起されない。過去の自分はちゃんと「忘れる処理」をしてきたようなのだ。

 言葉によって想起はされるが、その先に連結されているはずの記憶は途切れている。自分は魔法使いで、かなり高度な事もやっていたようだから、独自に何かしらの処理をしていたのかもしれない。

 

 今の自分にできる事は何か、というと

「いい思い出に変える努力」


「いい…思い出に…変える努力?」

 ウィルが繰り返した。


 そう。この子も、カークも、この村も。

 将来の自分にとって、いい思い出であればいいのだ。ならば、全力を尽くす事には意味がある。


 宿で受け取った手紙の内容を思い出した。


 もし

 あなたが

 暇を持て余していたり

 日々つまんないと感じていたら

 探してみるのもいいかもね


「…森に行ってみるよ」


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